第145回:これはカーコミニュケーション革命だ!?エディックスに関するいち考察

2004.07.14 小沢コージの勢いまかせ!

第145回:これはカーコミニュケーション革命だ!?エディックスに関するいち考察

■横3人座りじゃない

いやー、うまい手考えたなぁと思いました「ホンダ・エディックス」。単純にコレを6人乗りできる新種のミニバンって考えたんじゃ、理解できないよね。「横3人座りができる」じゃすべてを説明できない。っていうか、そう考えるから「日産ティーノ」なんかと比べちゃうのよ。それじゃ本質は見えてこない。
コイツは前代未聞の「3・1・2フォーメーション」が取れる。それがキモなのだ。

3・1・2フォーメーションってのは、サッカーのポジションを表現する時、「4・3・3」とか「3・5・2」とかいうのと同じ。人的配置を後から見た場合の表現法だ。
つまり3列目、2列目、1列目の順に座れる人数を列記するやり方で、普通のセダンは3・2、8人乗りミニバンの場合は2・3・3ということになる。

でね。エディックスは、いわば「1.5列」の場所に一人座れるようにしたのがポイント。しかも子供を想定して。1.5列目というのは、1列目の真ん中のシートのこと。ここをすこし下げられるので、フロントエアバッグが影響しなくなり、チャイルドシートが安心して置ける。
これって一見大したアイデアじゃないみたいだけど、サッカーでいう「トップ下」みたいな革命的ポジショニング。“カーコミニュケーション”の進化に非常に有効なのよ。実感してはないけど。

■1.5列目にマラドーナ!?

利点その1
「助手席に子供を堂々置けること」。コレがまずデカい。あのね。ミニバンにせよ、セダンにせよ、今のクルマって助手席にチャイルドシートを置くことを推奨してないから、親一人、子一人でドライブする時、子供は2列目以降に座ることになる。これって結構悲惨でオレは知ってます。
「あんた、なんでそんなに泣くのよ……ウェーン」って運転しながら赤ちゃんと一緒に泣いちゃったお母さんを。距離があまりに開きすぎてるからね。
これはかわいそうなだけでなく、結構危険。お母さんの運転中の集中力がそがれるから。

利点その2
それは少子化の今、理想的な“一家3世代ポジション”を取れること。つまり初孫を「トップ下」において1列目に夫婦、2列目におじいちゃんおばあちゃんに座ってもらう。そうすると運転しながら、一家全員で「孫」を愛でることができる。これってかなりシアワセなことよ。どっかの新種の3世代住宅みたいだけど。

利点その3
3列目の疎外感がなくなる。ミニバンの一番後ろに乗ったヒトならわかってもらえると思うけど、3列目ってみんなの会話に混ざれないんだよね。遠すぎて。だけどこれなら6人全員がかなり密集したポジションが取れる。
ただし欠点があって、例の1.5列目にいいヒトが座らないとね。理想的には「明石家さんまタイプ」。ああいう会話上手が座らないと、逆につらい。まさにカードライブのマラドーナ。冷めたダジャレを連発するヒトには要注意。笑いの質をも問われます。

ってなわけで、コイツはオレに言わせれば「カーコミニュケーション革命」。クルマは移動の手段であると同時に、「同じ目的意識を持って多人数が動く」稀有な場所でもあるから、コミニュケーションに非常に有効。その特徴を活かしたクルマなのだ。
しかも「シビック」の延長線上の価格設定で、スタイルも今までにないワイド&ローさ加減でカッコいい! 結構売れるかも。ヘタすると「ホンダ・ストリーム」「トヨタ・ウィッシュ」並み?
それくらいの期待を持って今度試乗してきます。よろしくぅ〜!

(文=小沢コージ/2004年7月)

小沢 コージ

小沢 コージ

神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 ホームページ:『小沢コージでDON!』

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