長くて短いウィークエンド……「チームゴウ」のルマン(中編)

2004.06.25 自動車ニュース
 

長くて短いウィークエンド……「チームゴウ」のルマン(中編)

2004年6月13日、日本のプライベートチームとして、ルマン24時間レースで初優勝を遂げた「アウディスポーツ・ジャパン・チームゴウ」。その瞬間に立ち会うことができた自動車ジャーナリストの生方聡が、長くて短かったウィークエンドの模様をリポートする。


夏前のルマンの夜は遅く、午後10時近くまで明るい。夜の帳が下りたサルト・サーキットを走るチームゴウのアウディR8。
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■信じられない光景

6月12日土曜日、午後4時ちょうど、ローリング式のスタートが切られた。チームゴウのスタートドライバーはリナルド・カペッロ。有名なロングストレート「ユノディエール」で3位のザイテックをパスするが、その後、チャンピオンレーシングのアウディR8に先行を許し、まずはオープニングラップを4位で駆け抜けた。

まずまずのスタート、あとは気長にポジションアップを見守ろうと思っていた矢先、信じられない光景がTVモニターに映し出された。スタートからわずか8周目のこと、チームゴウのR8がグラベルベッドに捕まっているではないか! オフィシャルによって懸命に救出作業が行われている。23時間以上も残して、今年のチームゴウは終わってしまうのか……。頭がクラクラしてきた。

しかし、幸いにもマシンは舗装路まで引っ張り出され、チームゴウのアウディは再スタート。ダメージはないようだが、一気に順位を20位ぐらいまで下げてしまった。ラップタイムが速いR8だから、多少順位を落としたところで長時間ピットストップをしなければ、同じR8には追いつける。そうはわかっていても、このとき郷監督はかなり落ち込んだようだった。


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■思わず歓声!

チームゴウのR8はその後順調に周回を重ね、午後6時前には8位まで順位を戻していた。上位はヴェロックスのアウディ2台と、やはりアウディのチャンピオンレーシングである。

そしてまた衝撃的な映像が流れてきた。タイヤバリアに突っ込んだR8がモニターに映し出されたのだ。「まさか」と思った次の瞬間、ボディカラーが違うことに気づいた。カーナンバー2、チャンピオンレーシングのR8だった。さらに驚いたのは、その前にもう1台R8が止まっていたこと。こちらは2位を走っていたナンバー8、チーム・ヴェロックスのR8。コース上のオイルに乗り、2台が絡んでコースアウトしたらしい。損傷は激しく、レースに復帰できるかどうかわからないくらいひどい状態だった。しかし、2台とも深手を負いながらもピットまで辿り着いた。

この光景に思わず歓声を上げた私だった。これでチームゴウのライバルが2台消え、残るはナンバー88、チーム・ヴェロックスのもう1台だけになったのだから。(後編につづく)

(文=生方聡/写真=生方聡、アウディジャパン/2004年6月)

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