F1アメリカGP、シューマッハー8勝目、佐藤が初表彰台!【F1 04】

2004.06.21 自動車ニュース

【F1 04】F1アメリカGP、シューマッハー8勝目、佐藤が初表彰台!

F1世界選手権第9戦アメリカGP決勝が、2004年6月20日、米インディアナ州のインディアナポリス・モータースピードウェイ(4.192km)を73周して行われた。2度もセーフティカーを呼んだ荒れたレースで、フェラーリのミハエル・シューマッハーが今シーズン8勝目、通算78勝目をあげた。2位にルーベンス・バリケロが入り、フェラーリは(またもや)1-2フィニッシュを達成した。

そして、BARホンダの佐藤琢磨が3位でゴール。それまでの自身のベストポジション5位を上回り、日本人ドライバーとしては1990年の鈴木亜久里以来、14年ぶりに表彰台にのぼった。

終盤佐藤と3位を争ったヤルノ・トゥルーリ(ルノー)が4位、トヨタのオリヴィエ・パニスが出場150戦目を5位で締めくくった。以下、6位キミ・ライコネン(マクラーレン・メルセデス)、7位デイヴィッド・クルタード(マクラーレン・メルセデス)ときて、弱小ミナルディ・コスワースのゾルト・バウムガードナーが8位フィニッシュ、自身初得点の1点を手に入れた。

■佐藤、フェラーリに迫る予選3位

アメリカン・モータースポーツの“聖地”インディアナポリスを舞台としたアメリカGPも、今年で5回目。F1マシンがオーヴァルを逆走するシーンもすっかり見慣れた感じがする。

決勝グリッドを決める土曜予選でポールポジションを獲得したのは、1分10秒223を叩き出したフェラーリのバリケロ。アタック中にオーヴァーステアと格闘したミハエル・シューマッハーが0.177秒差で2番手につけ、紅いフロントローが完成した。

2列目はBARホンダが占拠。フェラーリに迫る1分10秒601で3番グリッドを仕留めたのは佐藤だった。佐藤のマシンは、コース中間区間で全車中トップタイムをマークしたほどの仕上がり。レースでの活躍に期待を抱かせる、自身3度目となるトップ3内からのスタートとなった。一方のチームメイト、ジェンソン・バトンは、オーヴァーステアに悩まされながらも4位につくことができた。

そして3列目には、ブルー&ホワイトのウィリアムズBMWが2台。故郷コロンビアからの応援団に後押しされて(?)ファン・パブロ・モントーヤが5位、ラルフ・シューマッハーは6位から決勝にのぞんだ。

■序盤はクラッシュ&セーフティカー

快晴のレースデイ。スタートでは、2位シューマッハーが3位佐藤を牽制する動きを見せながらフェラーリ1-2態勢で1コーナーへ突入。佐藤は、9番グリッドから驚異的な速さでジャンプアップしたフェルナンド・アロンソのルノーに抜かれ、順位を4位に落とした。

後続では、ジャンマリア・ブルーニ(ミナルディ・コスワース)、クリスチャン・クリエン(ジャガー・コスワース)、フェリッペ・マッサ(ザウバー・ペトロナス)、ジョルジオ・パンターノ(ジョーダン・フォード)を巻き込んでの多重クラッシュが発生し、まず1回目のセーフティカーが導入された。

4周の徐行走行ののち再スタート。2位シューマッハーは、最終コーナーからトップのバリケロの背後にピタリとつけ、スタート/フィニッシュライン前で危うくバリケロを追い抜きそうになった。両車の差は僅か0.02秒。シューマッハーは幸運にもルール違反をおかさずに首位に立った。

クラッシュ続きの今回、アロンソもインディアナポリスの壁の餌食となった。佐藤の前、3位を走っていたアロンソは、9周目、もっともスピードがのる1コーナー手前で右リアタイヤが突如バーストし、ウォールにヒット。幸いアロンソに怪我はなく、セーフティカーも導入されなかった。

だが10周目にラルフ・シューマッハーが起こした事故により、セーフティカーが再びコースに呼び戻された。最終コーナーでバランスを崩したウィリアムズは、壁に激しくあたり大破。赤旗中断も考えられたが、コースのいたるところにばら撒かれた破片を縫うように、セーフティカー先導のもと8周の徐行走行が続いた。

ラルフは自力で脱出できず、遅れてやってきたメディカルチームに介抱されメディカルセンターへ。意識はあり骨折は確認されなかったが痛みを訴えており、さらなる検査のため病院に搬送された。クラッシュの原因は不明というが、ドライバーのエラーではなく、機械的不良によるものといわれている。

■琢磨の鮮やかなパス

ラルフの脱落で孤軍奮闘のモントーヤだったが、レース後半に失格が言い渡された。
フォーメーションラップ直前、モントーヤはマシンから降り、ピットへ駆け込んだ。レースカーが始動しないため、急遽スペアのマシンでピットスタートを切ろうと考えたウィリアムズ陣営だったのだが、時既に遅し。ドライバーがスペアカーに移れるのはフォーメーションラップ開始の15秒前までであり、とりあえずピットからスタートしたコロンビア人は、レースの大半を走り、3位までのぼりつめたのち、黒旗を振られピットイン、失格となった。

2度目のセーフティカーラン中に、フェラーリをはじめ各車続々とピットストップを敢行。しかしBARホンダの2台はコースに留まり、2位佐藤、3位バトンという編隊で、給油直後で重いマシンのトップ、シューマッハーを追いかけた。
24、25周目に、バトン、佐藤が相次いでピットイン。11、12位にいったん順位を落としたが、佐藤は鮮やかに前車を追い抜き、30周目に6位、40周目には4位までポジションをあげた。

45周目、2度目にして最後のピット作業を終えた佐藤の前には、ルノーのトゥルーリ。モントーヤの失格が決まると、両車は3位の座を争った。
61周目、2人の差は0.1秒。佐藤は1コーナーでトゥルーリの前に出たものの、2台ともそのままコースを外れてしまった。しかし佐藤が先にコースに復帰し、そのままゴール。ついに念願のポディウム登頂に成功した。

チームメイトの活躍を尻目に、たび重なるエンジンブロー、リタイアに苦しんだ佐藤。ようやく訪れた表彰台は、日本人ドライバーとしては14年ぶりの快挙となった。

フェラーリは、9戦目にして5回目の1-2フィニッシュを達成。終盤、ペースのあがらないシューマッハーにバリケロが追越しをかけようとしたが、成功はしなかった。
シーズン折り開始地点ではやくも8勝をあげたシューマッハーは、チャンピオンシップで80点を記録し、7度目のワールドタイトルにジリジリと近づいている。

次戦はヨーロッパに再び戻ってのフランスGP。レースは7月4日に開かれる。

■ドライバーズランキング(18戦中9戦終了)

1位 ミハエル・シューマッハー 80点
2位 ルーベンス・バリケロ 62点
3位 ジェンソン・バトン 44点
4位 ヤルノ・トゥルーリ 41点
5位 フェルナンド・アロンソ 25点
6位 ファン・パブロ・モントーヤ 24点
7位 佐藤琢磨 14点
8位 ラルフ・シューマッハー 12点
9位 ジャンカルロ・フィジケラ 10点
10位 デイヴィッド・クルタード 9点
11位 キミ・ライコネン 8点
12位 フェリッペ・マッサ 5点
12位 オリヴィエ・パニス 5点
14位 クリスチアーノ・ダ・マッタ 3点
14位 マーク・ウェバー 3点
14位 ニック・ハイドフェルド 3点
17位 ティモ・グロック 1点
18位 ゾルト・バウムガードナー 1点

■コンストラクターズランキング

1位 フェラーリ 142点
2位 ルノー 66点
3位 BARホンダ 58点
4位 ウィリアムズBMW 36点
5位 マクラーレン・メルセデス 17点
6位 ザウバー・ペトロナス 15点
7位 トヨタ 8点
8位 ジョーダン・フォード 5点
9位 ジャガー・コスワース 3点
10位 ミナルディ・コスワース 1点

(webCG 有吉)

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スタートの1コーナーを制したのはバリケロ(写真中央)。2位シューマッハー、3位佐藤琢磨が続いた。佐藤は、9番手から好スタートを決めたフェルナンド・アロンソ(写真一番右)に抜かれ、4位に落ちた。(写真=フェラーリ)

スタートの1コーナーを制したのはバリケロ(写真中央)。2位シューマッハー、3位佐藤琢磨が続いた。佐藤は、9番手から好スタートを決めたフェルナンド・アロンソ(写真一番右)に抜かれ、4位に落ちた。(写真=フェラーリ)

ミハエル・シューマッハーにとっては今年8回目の勝利。7度目のタイトルは、もう目前か?(写真=フェラーリ)

ミハエル・シューマッハーにとっては今年8回目の勝利。7度目のタイトルは、もう目前か?(写真=フェラーリ)

インディアナポリス独特のバンクを疾走する佐藤琢磨のBAR006。レース中、トップのシューマッハーと同タイムを記録するなどし、念願のポディウムフィニッシュを達成した。(写真=本田技研工業)

インディアナポリス独特のバンクを疾走する佐藤琢磨のBAR006。レース中、トップのシューマッハーと同タイムを記録するなどし、念願のポディウムフィニッシュを達成した。(写真=本田技研工業)

これまでたび重なるエンジンブローに泣かされた佐藤。今回は何事もなく、しかも3位でゴールすることができた。「信じられない気持ちですよ。長い間頑張ってきたことの結果だと思います」とレース後喜びをあらわした佐藤。「今日は良いレースができましたし、マシンの調子は最高でした。タイヤの減りもずっと安定していました」とレースを振り返る。「最近のいくつかのレースは、様々なトラブルが出てしまったこともあって、チームにとって本当にタフだったんです。だからこそ、がんばってくれたチームの全員に表彰台をプレゼントできて、本当によかったです」(写真=本田技研工業)

これまでたび重なるエンジンブローに泣かされた佐藤。今回は何事もなく、しかも3位でゴールすることができた。「信じられない気持ちですよ。長い間頑張ってきたことの結果だと思います」とレース後喜びをあらわした佐藤。「今日は良いレースができましたし、マシンの調子は最高でした。タイヤの減りもずっと安定していました」とレースを振り返る。「最近のいくつかのレースは、様々なトラブルが出てしまったこともあって、チームにとって本当にタフだったんです。だからこそ、がんばってくれたチームの全員に表彰台をプレゼントできて、本当によかったです」(写真=本田技研工業)

GP参戦150戦目を祝ってもらったオリヴィエ・パニス(写真右)。レースでは5位に入賞し、4点を獲得した。一方トヨタのチームメイト、クリスチアーノ・ダ・マッタにとってはアンラッキーな週末。オープニングラップで後ろから追突され、そのことが原因でギアボックスを壊しリタイアした。(写真=トヨタ自動車)

GP参戦150戦目を祝ってもらったオリヴィエ・パニス(写真右)。レースでは5位に入賞し、4点を獲得した。一方トヨタのチームメイト、クリスチアーノ・ダ・マッタにとってはアンラッキーな週末。オープニングラップで後ろから追突され、そのことが原因でギアボックスを壊しリタイアした。(写真=トヨタ自動車)

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