第136回:「2004バーゼル&SIHH時計通信」(その5)案外安直な“クルマコラボ時計”製作エピソード

2004.06.09 エッセイ

第136回:「2004バーゼル&SIHH時計通信」(その5)案外安直な“クルマコラボ時計”製作エピソード

■貴族的ラクシャリーウォッチ

さてと、小沢的に面白かったのはだいたい紹介しちゃったんで、残りをサラッと……ってサラッとは行かないかもしれないけどさ。

特別、技術的革命やデザイン的革命はないんだけど、ストレートでよかったのが「ロドルフ・インスティンクト」の「ダッジ・バイパー」モデル。見れば一目瞭然、真っ赤なボディに白い2本のセンターラインが入ってるのだ。
ロドルフは、まだ日本未入荷の1996年創業のスイスの新興時計メーカーで、今年から大沢商会が入れるって話だけど、いわばちょっとマッチョ&セクシーな「スポーツ・ラクシャリー・ウォッチ」。
インスティンクトってのはそこの定番モデルで、このほか2002年ワールドカップ・ブラジル優勝記念モデルもある。というのも、現社長がサッカーの公式審判員で彼の趣味からきてるのだ。バイパーモデルをつくったのも彼の趣味で、それから「バイパーも生まれて10年(ちなみにデビューは1989年)、ロドルフも同様の新進ブランドだからコラボレートした」らしい。いまさらフェラーリモデルもつくれないしね。

それからショパールの新作が「ミッレミリアGMTクロノグラフ2004」。毎年出してる連作で、現実にショパール社長のショイフレ氏がイタリアの公道ヒストリックカーレース、ミッレミリアに出てることから生まれたもの。ま、そのヨーロッパっぽい貴族社会を感じさせるエピソードが最大のウリなのかも。今年のGMTの新作は裏ブタにミッレミリアの絵が刻んでありました。

ってなわけで聞けば聞くほど“クルマ時計”が簡単な発想で作られてるのがわかる。「社長が好きだった」とか「レースに出てた」とかね。世のなか、つくづく出会いが大切ですな。

(文と写真=小沢コージ/2004年6月)

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小沢 コージ

小沢 コージ

神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 ホームページ:『小沢コージでDON!』