ホンダの新型ミニバン「エリシオン」デビュー!

2004.05.13 自動車ニュース
 

ホンダの新型ミニバン「エリシオン」デビュー!

本田技研工業は、3列シート8人乗りの新型ミニバン「エリシオン」を、2004年5月13日に発売した。



 

■「オデッセイ」の上をいく最上級ミニバン

2003年10月の「第37回東京モーターショー」に出展された「ASM」の市販版である「エリシオン」は、ミニバンブームの火付け役「オデッセイ」を世に出したホンダが胸を張って送る、オデッセイをさらに大きく上級にした3列シート8人乗りミニバンだ。
キャッチフレーズは、「新世代プレミアム8シーター」。ライバルは当然、「日産エルグランド」(3.5リッターV6/303万4500円-472万5000円)や「トヨタ・アルファード」(3リッターV6と2.4リッター直4/278万2500円-449万4000円)となるだろう。


名前の由来は、「オデッセイ」と同じホメロスのギリシャ神話叙情詩『オデッセイア』から。同詩に登場する、永遠の平和を手にする楽園の名にちなみ、「乗るひとすべてが上質な時間を楽しむことができるクルマ」という意味を込める。
 

ボディは全長4.8m強、低床がジマンのフラットなフロアにフレキシブルにアレンジ可能な「2+3+3」シートを配置。2、3列目へは、後部両側のスライドドアからアクセスする。
エンジンは、250psの3リッターV6、160psの2.4リッター直4の「i-VTEC」で、5段ATの組み合わせ。駆動方式は、FFに加え4WDもある。
価格は、273万円から451万5000円まで。月の目標販売台数を4000台に設定する。


開発責任者の友部了夫氏(LPL室 主任研究員)は、「見た目、ドライブフィールともに安定感があり、質の高いクルマ」。ライバル達に対するアドバンテージを訪ねると、「他車はドライバーズシートを狭めて、2〜3列目を広く採る場合がある。エリシオンはパッケージング等により、8人全員が快適に移動できる」と語った。
 

■モチーフは、大型クルーザー

ホンダの最上級ミニバンという位置付けのエリシオン。エクステリアは大海原を疾走する大型クルーザーをモチーフにデザインされた「ワイド&ロー」なフォルムを採る。オデッセイほどではないにしろ、切れ長のフロントランプや三角形のグリルなど、ライバルと比べると“ワル顏”な印象(?)がある。


ラダーフレームのように補強されたボディ。「蓋モノ(ドアなどのこと)が多いので、剛性を高めました。デザインも、乗っても安定感がある質の高さが特徴」(友部氏)
 

全長×全幅×全高=4840×1830×1790mm(FF車)、ホイールベース=2900mm。ちなみにエルグランドは4795×1795×1920mm/2920mm、いまやエルグランドを上回る勢いのアルファードは、4800×1805×1935mm/2900mmというディメンションで、背がやや低いのがエリシオンの特徴だ。
なお弟分のオデッセイと比べると、4765×1800×1550mm/2830mmで、75mm長く、30mm幅広く、高さは240mmもプラスされた。


3リッターV6「i-VTEC」エンジン
 

■V6に「可変シリンダーシステム」

2003年6月発売「インスパイア」譲りの3リッターV6エンジンは、250ps/6000rpm、31.5kgm/5000rpmを発生。走行状況に応じて6気筒の半分である3気筒を休止させ、燃費性能を向上させる機構「可変シリンダーシステム」を備えるのが特徴だ。

これは、発進・加速時など負荷が大きいときに6気筒すべてを作動させ、クルーズ時や減速時などにバンク片側の3気筒(横置きエンジンのリアバンク)で走行するもので、そのおかげか、カタログ燃費はFF仕様で9.8km/リッターと、ライバルのアルファード(FFの3リッター)を0.9km/リッター上まわる。
アクセルペダルからの入力を電気的にエンジンへ伝える「ドライブ・バイ・ワイヤ」を採用したことにより、自然でリニアなフィーリングが得られる、というのもポイントだ。

一方の2.4リッター直4ユニットは、オデッセイなどと同型のもので、160ps/5500rpm、22.2kgm/4500rpmと、オデッセイと変わらないアウトプット。V6と違いこちらはレギュラーガソリン仕様で、燃費はFFで10.2km/リッターという。


スライドドア部も、窓を開けることができる。
 

両エンジンとも、低速用、高速用の2種類のカムをもつ「VTEC」(可変バルブタイミング・リフト機構)に加え、吸気バルブタイミングの位相をエンジン負荷に応じて連続的に制御する「VTC」(可変バルブタイミング・コントロール機構)を備える「i-VTEC」ユニット。平成22年度燃費基準+5%、平成17年排出ガス基準75%低減レベルをクリアする環境性能の持ち主である。

トランスミッションは両方5段オートマチックだが、3リッターでは可変シリンダーシステム、ドライブ・バイ・ワイヤなどとのマッチングに配慮。2.4リッターではスポーティな走行時に最適とされるシフトホールド制御を取り入れるなど、それぞれに味付けがなされた。

駆動方式は、FFに加え、通常はほぼFF状態で走り、発進・加速時など状況に応じて後輪にも駆動を伝えるリアルタイム4WDも設定した。

サスペンションは、前後ダブルウィッシュボーン式と形式はオデッセイと同じ。ブレーキは前16インチベンチレーテッドディスク、後16インチドラムインディスク、タイヤは215/65の16インチをメインに、一部グレードでは215/60の17インチを履かせる。
パワーステアリングは油圧式で、取り回しのしやすさの目安、最小回転半径は5.7mという。


操作系を担う「プログレッシブコマンダー」
 

■操作は「プログレッシブコマンダー」で

ハイテク装備としては、「IHCC(インテリジェント・ハイウェイ・クルーズコントロール)」があげられる。これはフロントグリル内から発せられるミリ派レーダーによって、前走車との距離・自車の走行状態から車速/車間を制御するクルーズコントロール機能であり、上級グレードに標準装備される。

上級車に標準のナビゲーションシステムは、8インチモニターと組み合わされるハードディスク(HDD)タイプで、リアカメラと音声認識機能付き。操作系は「プログレッシブコマンダー」と呼ばれる、ジョイスティックとダイヤル式のホイールが担う。またルーフに装着される2、3列用の9インチ液晶ディスプレイ+DVD/CDプレーヤー/TVチューナーなどエンターテイメント装備もオプションで用意される。

安全装備は、旋回時にヘッドランプの光を進行方向に向ける「AFS(アダプティブ・フロントライティング・システム)」、車両の挙動を安定させる「VSA」や、ブレーキアシスト、EBD付きABS、ミリ波レーダーにより衝突の危険を感知するとブレーキやシートベルト制御で危険に対応する「追突軽減ブレーキ+E-プリテンショナー」などを用意する。



 

■福祉車両は6月リリース

バリエーションは、各エンジンに3種類のトリムを用意。加えて、2列目左側シートが電動で昇降する「サイドリフトアップシート車」(7人乗り)、助手席が電動で回転・昇降する「アルマス」、2種類の福祉車両も設定される。こちらの発売は6月10日だ。

価格は以下の通り(福祉車両は非課税)。

●2.4リッター直4
M FF=273万円/4WD=301万3500円
G FF=283万5000円/4WD=312万9000円
G助手席リフトアップシート車 FF=309万8000円/4WD=337万8000円
Gサイドリフトアップシート車 FF=312万8000円/4WD=337万8000円
X FF=315万円/4WD=334万9500円



 

●3リッターV6
VG FF=351万7500円/4WD=381万1500円
VG助手席リフトアップシート車 FF=374万8000円(4WDなし)
VGサイドリフトアップシート車 FF=377万8000円/4WD=402万8000円
VX FF=399万円/4WD=418万9500円
VZ FF=451万5000円(4WDなし)

(webCG 有吉)

本田技研工業「エリシオン」:
http://www.honda.co.jp/auto-lineup/elysion/

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