F1スペインGP、シューマッハー5連勝【F1 04】

2004.05.10 自動車ニュース
F1スペインGP、シューマッハー5連勝

【F1 04】F1スペインGP、シューマッハー5連勝

F1世界選手権第5戦スペインGP決勝が、2004年5月9日、スペインはバルセロナのサーキット・デ・カタルーニャ(4.627km)を66周して行われた。フェラーリのミハエル・シューマッハーが開幕から5連勝を飾り、1992年にナイジェル・マンセルが打ち立てた記録に並んだ。自身参戦200戦目に、最多勝記録を「75」に伸ばした。

2位はルーベンス・バリケロで、フェラーリは今シーズン3度目の1-2フィニッシュを達成。3位はルノーのヤルノ・トゥルーリだった。

続く4位に地元の星、フェルナンド・アロンソが入り、上位4台はフェラーリ、ルノーとコンストラクターズランキング順のオーダー。自己最高位の3番グリッドからスタートしたBARホンダの佐藤琢磨は、これまた自己最高位タイの5位でフィニッシュした。
以下、6位ラルフ・シューマッハー(ウィリアムズBMW)、7位ジャンカルロ・フィジケラ(ザウバー・ペトロナス)、8位ジェンソン・バトン(BARホンダ)が入賞。トヨタの2台は、クリスチアーノ・ダ・マッタが13位完走、オリヴィエ・パニスはちょうどレースの半ばでリタイアした。


予選終了後のトップ3の記者会見で、質問に答える佐藤琢磨(右)。日本人ドライバーがこの場に登場するのは初めてのこと。(写真=本田技研工業)

F1スペインGP、シューマッハー5連勝

■シューマッハーPP奪還、佐藤3番グリッド獲得

(すくなくとも)予選でフェラーリに脅威を与えられるのが、いまのBARホンダだ。
前戦サンマリノGPで、シューマッハーの連続ポールポジション(PP)を止めたジェンソン・バトン。土曜予選で10番目の出走だったバトンは、好ペースを記録しながらのアタック中に風に煽られコースオフ、結果的に14位とワーストグリッドに沈んでしまった。

しかし、続いてコースインした佐藤琢磨が1分15秒809と健闘してくれたおかげで、BARホンダは3番グリッドを獲得。佐藤にとってはキャリア最高位からレースをスタートすることになった。

佐藤の次にアタックしたミハエル・シューマッハーは、1分15秒022で今シーズン4回目、通算で59回目のPPを手中に収めた。ちなみに、多くのレコードをもつシューマッハーがまだ手に入れていない記録が最多PPなのだが、この調子でいけば、アイルトン・セナのもつ65回を追い抜くのも時間の問題といえるだろう。

フロントローのもう1台は、最後に出走したファン・パブロ・モントーヤのウィリアムズBMW。因縁浅からぬふたりのタイム差は、しかし0.617秒もあり、力量の違いはハッキリしていた。

以下、伸びないストレートスピードをターンでうまくカバーしたルノーのトゥルーリが4位。5位バリケロ、6位ラルフ・シューマッハーに次いでトヨタのパニスが7位に食い込んだ。8位アロンソ、9位マーク・ウェバー(ジャガー・コスワース)、10位デイヴィッド・クルタード(マクラーレン・メルセデス)というトップ10だった。


スタートに定評あるルノーだが、ヤルノ・トゥルーリ(手前左)が見せたロケットスタートは異次元のものだった。(写真=ルノー)

F1スペインGP、シューマッハー5連勝

■驚異のロケットスタート

予選での脅威がBARホンダなら、ルノーのロケットスタートは驚異的であった。
4番グリッド、2列目右側のトゥルーリは、スタートして瞬く間にモントーヤ、佐藤の間に割って入り、約5秒後にはシューマッハーの真横に並び、そして1コーナーをトップで抜けた。
2位シューマッハー、3位佐藤、4位モントーヤ、5位バリケロ、そしてチームメイトに負けないくらいの好スタートを決めたアロンソが順位を2つあげ6位でオープニングラップを終えた。ブルーのマシンを先頭に上位2台はギャップ1秒以内で周回を重ね、3位佐藤以下とは徐々に間隔が開き始めた。

■スーパー・インラップ

短いファーストスティントが今シーズンのトレンドだが、今回も例外ではなく、アロンソが8周、1位トゥルーリは9周でピットに入った。
目前のブルーのマシンがいなくなった途端、紅いマシンのシューマッハーは、ここぞとばかりの速さで走り、翌周に自らもピットに駆け込んだ。このピットに入る前の「インラップ」の速さこそがシューマッハーの強さであり、コースに戻ってみれば紅がブルーの前に出ていた。

この間、マイナーな2ストップ作戦をとったバリケロがリーダーとなり、2位シューマッハーを10秒先行。だが16周を終え給油・タイヤ交換を済ませた後のバリケロのペースが思わしくなく、以後チャンピオンを先頭としたフェラーリ1-2フォーメーションが崩れることはなかった。


地元の声援を受けたフェルナンド・アロンソは、チームメイトの後ろ、4位でフィニッシュした。(写真=ルノー)

F1スペインGP、シューマッハー5連勝

■43戦連続トラブルフリー

ミハエル・シューマッハーが、マシントラブルを理由に最後にリタイアした日はいつか?それは3年前の2001年、第12戦ドイツGPまで遡らなければならない。

これまで42戦続いてきた“マシントラブルフリー”が、危うく途絶えそうになった。
11周を過ぎたあたりから、ミハエルの「F2004」の左エキゾーストにヒビが入り始めたのだ。最後までもつかわからなかった、とレース後に語ったシューマッハーは、マシンを労わり、時にペースを落としながらゴールを目指し、そして優勝してしまうのだから、流石はチャンピオンである。

■BAR、ルノーに負ける

レース序盤に3位を走行した佐藤のBARだったが、常に安定し、しかもタイヤにやさしい「ルノーR24」には歯が立たなかった。風邪をこじらせていたトゥルーリは力走を続け3位表彰台、8位からスタートしたアロンソは4位でゴール。コンストラクターズランキング2位の実力は、これまで全戦ダブル入賞を果たしていることからもうかがえる。

タイヤ交換後の数周、マシンの挙動が安定せず苦労したという佐藤は、自己最高位の5位でフィニッシュした。
ラルフ・シューマッハーは上位陣からは遠い6位。「ウィリアムズFW26」は2台ともブレーキの冷却セッティングを誤り、モントーヤは完走すらできなかった。
2ストップで7位に終わったフィジケラはザウバーで初ポイント獲得。予選での失敗を挽回し、バトンが最後の1点をもぎ取った。

クルタード10位、キミ・ライコネン11位と、マクラーレンの低迷ぶりはスペインでも変わらなかった。


5位完走で4点を獲得した佐藤琢磨(写真手前)。「3番手でスタートしたにも関わらず、結局5位でフィニッシュしたことは、すこし残念」としながらも、「チームに対して貴重なポイントを獲得できました。とてもタフなレースでしたが、いまはもう次のモナコを楽しみにしています」と前向きなコメントを残した。来週はポールリカールでテストを行うという。(写真=本田技研工業)

F1スペインGP、シューマッハー5連勝

■2002年の再来か!?

200戦75勝、恐るべき勝率を誇るシューマッハーにとって、2004年シーズンは、フェラーリが17戦15勝した2002年に匹敵する好状況で進んでいる。誰が彼らを止めるのか、という質問に、説得力ある答えを出すことが難しいというのが正直なところだ。
首位シューマッハーは、2位バリケロに18点、1位フェラーリは2位ルノーに40点もの差をつけ、次戦モナコGPを迎える。決勝レースは5月23日だ。

■ドライバーズランキング(18戦中5戦終了)

1位 ミハエル・シューマッハー 50点
2位 ルーベンス・バリケロ 32点
3位 ジェンソン・バトン 24点
4位 フェルナンド・アロンソ 21点
4位 ヤルノ・トゥルーリ 21点
6位 ファン・パブロ・モントーヤ 18点
7位 ラルフ・シューマッハー 12点
8位 佐藤琢磨 8点
9位 デイヴィッド・クルタード 4点
10位 ジャンカルロ・フィジケラ 2点
11位 フェリッペ・マッサ 1点
11位 マーク・ウェバー 1点
11位 キミ・ライコネン 1点


「2回目の給油ピットインまでなかなか本調子とはいかず、半ば諦めかけていた」というトヨタのクリスチアーノ・ダ・マッタ(写真手前)は13位完走。オリヴィエ・パニスは、ピットレーンのスピード違反でペナルティを受けた後、油圧系のトラブルでリタイアした。(写真=トヨタ自動車)

F1スペインGP、シューマッハー5連勝

■コンストラクターズランキング

1位 フェラーリ 82点
2位 ルノー 42点
3位 BARホンダ 32点
4位 ウィリアムズBMW 30点
5位 マクラーレン・メルセデス 5点
6位 ザウバー・ペトロナス 3点
7位 ジャガー・コスワース 1点

(webCG 有吉)

この記事の大きな画像を見るためには、画像ギャラリーをご覧ください。