第126回:やっぱりやるなぁBMW!「X3」に“ブランドの本質”を見た!

2004.05.10 エッセイ

第126回:やっぱりやるなぁBMW!「X3」に“ブランドの本質”を見た!

■第一印象は……

「やられましたー」って感じです「X3」。『webCG』読者なら知ってるはずのBMW期待のコンパクトSUVで、3シリーズベースだけにサイズ的にも品質的にも注目度は高い。
で、先日、ヨーロッパに行ったおりに偶然乗ったんだけど、正直最初、俺としては「なんだかなぁ」って思ってた。

なにがってスタイル、あんまカッコよくないじゃない。特にあのフロントマスク、なんとかなんないんだろうか。一連のクリス・バングル風“おサカナ”系デザインでもなし、ジミ〜にBMWのシンボルであるキドニーグリルが備わり、左右に大して工夫もなく横長ライトが並んでるだけ。
悪い言い方すると「顔だけ取って付けた」ような韓国車風デザイン(!?)。それか単純に「3シリーズセダンを大きくしただけ」というか……正直、売れないんじゃないの? と思っておりました。


第126回:やっぱりやるなぁBMW!「X3」に“ブランドの本質”を見た!

そしたら乗った瞬間、気が変わったのよ。というのもやたらBMWらしかったから。
まずドアの剛性感が凄い。動きは滑らかで妙なビビリや安っぽさは皆無。かといってベンツのように重すぎず「まさにBMW」。エンジンかける瞬間もそう。「クォーッ」ってBMW 独特のスターター音と共にかかり、「コレよ、コレ!」って感じ。ステアリングの剛性感もやたら高くてキモチいい。駐車場で1m動かしただけでもわかっちゃいました。「これは実にBMWらしいクルマだ」と。

それからは確認の連続。硬めだけど振動の入ってこない乗り心地とか、軽く、しかし微妙に手応えのある質の高いステアリングフィールとか、まさにイメージ通りの「BMW」、っていうかイメージ以上かもしれない。剛性感はセダンより高いから。普通、どんなブランドのクルマでもSUVになるとフィールが重ったるくなり、ボケるもんだけど、X3の場合は逆で、セダンより凝縮感があってキモチいいくらい。「いいなぁ」と正直思いました。

ラゲッジスペースは1560リッターまで拡大できる。
第126回:やっぱりやるなぁBMW!「X3」に“ブランドの本質”を見た!
【スペック】
X3 3.0i(欧州仕様):全長×全幅×全高=4565×1853×1674mm/ホイールベース=2979mm/車重=1835kg/駆動方式=4WD/3リッター直6DOHC24バルブ(231ps/5900rpm、30.6/3500rpm)
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■これぞ「ブランド力」

これぞ「ブランド力」だよね。見た目は冴えなくても、乗ってよければイイ。その昔、「勢いまかせ」第90回に「“乗るといいのに”じゃクルマはダメ」って書いたけど、良質なブランド商品にかぎっては別。見た目以上に“乗っていいか悪いか”が大切ですね。
吉野家の豚丼だって、食う前から「ある程度はウマいだろうなぁ」って見込めるじゃない。ルイ・ヴィトンの製品にしても、見た目はイマイチでも「使えばそれなりにイイんだろうなぁ」って思えるでしょう。この2つを例に出すのもナンだけど、そういう感じよ。

しかし、BMWってつくづく凄いブランドだよね。「MINI」しかり「レンジローバー」しかり、“味”や“質の高さ”の一貫性に関しては、他の追随を許さないところがある。ブランドはこうあるべきだよなぁと、改めて思いました。

(文=小沢コージ/2004年5月11日)

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小沢 コージ

小沢 コージ

神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 ホームページ:『小沢コージでDON!』