FIA、2008年以降のF1ルール改正案を発表

2004.04.27 自動車ニュース

FIA、2008年以降のF1ルール改正案を発表

国際自動車連盟(FIA)は、2004年4月22日、2008年以降のF1レギュレーション改正案を発表した。エンジンを現行3リッターV10から2.4リッターV8へ変更することや、スタンダードECUの導入など、今後のF1の姿を大きく変えるであろう内容。5月4日にチーム首脳を集めて開かれる会合に先駆けて公表された。

■レースを、ドライバーの技量で盛り上げる

F1の“憲法”ともいうべき「コンコルド協定」が、2007年末で期限を迎える。同協定によると、FIAは2005年12月31日までに、2008年以降のテクニカル/スポーティングレギュレーションをアナウンスしなければならず、FIAは現在調整している最中という。

今回のドラフトは、
●レースをより盛り上げること
●電子制御のドライバーズエイドを排除し、ドライバー自身のスキルに重きを置くこと
●コストを抑えること
●新興チームが入れるような環境をつくり、グリッドを現在の20台から24台まで増やすこと
を主題に、現在F1が抱える問題を抜本的に解決すべく、チーム関係者に提案された。

コスト削減の名のもと、これまで尊重してきた技術的なオリジナリティをある程度犠牲にし、主要コンポーネンツを共通化。メーカーとの関係がないプライベートチームの立場を慮るとともに、久しく見られないニューカマーを誘いたい考え。またトラクションコントロールなどの電子制御をなくし、ドライバーによる真の実力を競うレースに戻すことが目論まれている。


現在は日数に制限をかけているテストを、走行距離で規制する案も出された。(写真=ルノー)

■テクニカルレギュレーション

技術面では、エンジンを現行3リッターV10から、2.4リッターV8にスケールダウンすることが提案された。1シリンダーあたり最大4バルブまで、かつ2レース持ちこたえることが義務付けられる。
そして、FIAが認めた「スタンダードECU」を使わなければならないという、大胆なアイディアも盛り込まれた。エンジンの要、制御を司るECUのスタンダード化には、エンジンメーカー(つまりは大自動車メーカー)が難色を示しており、今後物議をかもしそうだ。

加えて、トランスミッションはマニュアル、クラッチもドライバーが操作するものとなり、ブレーキディスクやキャリパーまでもが全車共通となる。

シャシーでは、重量をすくなくとも50kg減量。適切な重量配分のためのバラストが入る余地をなくすとともに、運動エネルギーを減らし事故の衝撃を緩和するのが狙いだ。またスピード抑制などを考慮した空力/タイヤパッケージなどがプロポーズされた。

主な内容は以下の通り。

・2.4リッターV8
・1シリンダーあたり最大4バルブまで
・2レース使用に耐えるエンジン
・素材や加工過程の指定
・可変吸気/排気システムの禁止
・スタンダードECU導入
・直噴の禁止
・マニュアルギアボックス/クラッチの導入
・電子制御デフ、パワーステアリングの禁止
・スタンダードブレーキディスク/キャリパーの導入
・フロントタイヤの幅を減らし、リアタイヤの幅を増やす
・グリップ、スピードを減らす空力パッケージの導入

■スポーティングレギュレーション

近年大きな変更が相次いでいるスポーティングレギュレーションでは、スペアカーの廃止、車両の「パルクフェルメ保管」を全レースウィークまで延長、タイヤサプライヤーを単一のものとする、日数ではなく走行距離によるテスト制限、レース中のタイヤ交換の禁止など、多岐にわたる変更が提案された。

さらに、チーム間でのシャシーの販売、貸し出しなどのやり取りを禁止しないということも加えられた。これにより、トップチームが弱小チームへシャシーほかコンポーネンツを供給、コストを抑えられるという考え。トップのコンストラクターには4台(2チーム)分のポイントを認めるという案と組み合わされる。

・スペアカーの禁止
・車両の「パルクフェルメ保管」を全レース期間中に延長
・単一タイヤサプライヤーの導入
・走行距離によるテスト制限
・レース中のタイヤ交換の禁止

・チーム間のシャシーなどのやり取りを妨げない
・エントリーは12チーム24台とする

(webCG 有吉)

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