第119回:コージのNYショー報告(その4)イケるかも?高級化するランドローバー

2004.04.16 エッセイ

第119回:コージのNYショー報告(その4)イケるかも?高級化するランドローバー

■ほとんど「レンジローバー」

後ね、意外だったのがNYショーで発表された「ランドローバー・ディスカバリー3」。いわずと知れた英国を代表するクロカン4WDの新作なんだけど、なんでNYなのか。別に悪路で有名な街でもないのに(あたりまえか!)。
ランドローバージャパン広報のMさん曰く「単純に発表のタイミングが合っただけ」という部分もあるみたいだけど、やはり今後、ランドローバーがアメリカ市場に積極的に打って出るという狙いがあるようだ。

というのもね、今度のディスカバリーは今までとは違い、ハッキリと“高級路線”を押し出しているのだ。アメリカでは「LR3」と、ドイツの高級車みたいな名前で売られるコレは、ボディからエンジンまで全面的にオールニュー。
狙いはスタイル、特にフロントマスクを見ればわかるよね。ほとんど「レンジローバー」そのもの。サイズは小さいし、あれほどゴージャスじゃないけど、内外装共に質感がアップしている。

レンジとの最大の違いは、7人乗りの3列シートであること。レンジが高級パーソナル4WDなら、ディスカバリーは高級ファミリー4WD、そんな感じだ。
ボディは、ランドローバー初のフレーム一体型のセミモノコック式。つまり同社で言う「インテグレイテッドボディフレーム」で、剛性、スペースともに十分。エンジンはジャガー譲りの4.4リッターV8、4リッターV6と上質。トランスミッションは6段オートマチックだし。

■かなりのハイテク4WD

さらに、路面状況に応じて、勝手にトラクションコントロールやらデフやらエンジンレスポンスやらヒルディセントコントロールを、総合的にコントロールする「テレインレスポンス」が新しい。
コイツは「三菱ランサーエボリューション」のAYC(アクティブヨーコントロール)が、ターマック、ドライなど3種類の路面に対して、4WDシステムの働きを選べるのと同様「通常」「草/砂利/雪」「泥/轍」「砂」「岩」など5種類の地形に応じて、各種車両制御機能を変えられるという。
ま、とにかくかなりのハイテク4WDであることは間違いないようだ。街なかでは使わないかもしれないけど。

で、この方向転換、個人的には正しいと思った。というのもこれからの日本市場、「真っ当かつ良心的なクロカン4WD」ってだけで売っていくのは難しいもんね。トヨタのランクルなど、割安な国産ライバルは多いし、そもそも日本で本格的な4WD自体、市場がなくなりつつあるし。

だけど「高級クロカン」とくに「プチ・レンジ」のイメージならイケるはず。アメリカではどうなんだか知らないけどさ。ランドローバー、意外と自分の位置、わかってんのなぁ……と思わされた一台です。

(文と写真=小沢コージ/2004年4月)

モノコックフレームに独立サスペンションと、フレーム+リジッドの先代から大きく変貌した「ディスカバリー3」
モノコックフレームに独立サスペンションと、フレーム+リジッドの先代から大きく変貌した「ディスカバリー3」

第119回:コージのNYショー報告(その4)イケるかも?高級化するランドローバーの画像

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小沢 コージ

小沢 コージ

神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 ホームページ:『小沢コージでDON!』