F1バーレーンGP、シューマッハー3連勝【F1 04】

2004.04.05 自動車ニュース

【F1 04】F1バーレーンGP、シューマッハー3連勝

F1世界選手権第3戦バーレーンGPが、2004年4月4日、バーレーン・インターナショナル・サーキット(5.417km)を57周して行われた。中東初のGPは、(また)シューマッハー/フェラーリの独走劇に終わった。ミハエル・シューマッハーは開幕から3連続ポール・トゥ・ウィン、通算勝利数記録は「73」に伸びた。2位ルーベンス・バリケロとともに、フェラーリは今年2回目の1-2フィニッシュを達成。前戦マレーシアGPで自身初の表彰台に喜んだBARホンダのジェンソン・バトンが2戦連続で3位に終わった。

ルノーのヤルノ・トゥルーリを間に挟み、BARホンダの佐藤琢磨が自身最高位タイの5位フィニッシュ。以下、6位フェルナンド・アロンソ(ルノー)、7位ラルフ・シューマッハー(ウィリアムズBMW)、8位マーク・ウェバー(ジャガー・コスワース)が入賞した。トヨタの2台は、オリヴィエ・パニス9位、クリスチアーノ・ダ・マッタ10位という結果だった。

■佐藤、自己最高グリッド獲得

「施設の完成が間に合わない」という主催者の直前のキャンセル要請を、GPを牛耳るバーニー・エクレストンが一蹴、何とか開催にこぎつけた中東初のF1。砂漠のなかにこつ然とあらわれる最新のサーキット、バーレーン・インターナショナル・サーキットは、マレーシアのセパンや、富士スピードウェイ改修などを手がける売れっ子コースデザイナー、ヘルマン・ティルケの手によるもの。4本のストレートを低速コーナーで繋いだ、ストップ/ゴーの要素が強いサーキットで、フェラーリをはじめ各チームは、酷使されるブレーキに手を焼いていた。

気温30度、路面温度50度以上の土曜日に行われた、決勝グリッドを決める予選2度目のアタックで、最速タイムをたたき出したのはまたしてもミハエル・シューマッハー。開幕戦以来3戦連続、通算58回目のポールポジションを獲得した。
2番手にはバリケロが入り、フェラーリは1列目を独占。暑さに弱いというブリヂストンタイヤの問題は、克服された観がある。

2列目はファン・パブロ・モントーヤとラルフ・シューマッハーのウイリアムズBMW、3列目は佐藤とバトンのBARホンダと、キレイに並んだ。佐藤はコースの第2区間でバリケロを上回るタイムを記録する速さを見せ、自己最高位グリッドの5番手につけた。

ルノー勢は、トゥルーリ7位、アロンソはコースアウトこそしなかったものの前戦同様ミスが目立ち17位と後方に沈んだ。

いまだ復活の兆しがみられないマクラーレンの2台は、デイヴィッド・クルタードが10位。キミ・ライコネンに至っては、金曜日のフリー走行でエンジントラブルに見舞われメルセデスV10を交換、10グリッド後退のペナルティが決まっていたため、予選ではアタックをせずに最後列スタートを選んだ。

■コンサバでも圧勝

決勝日の朝、滅多に雨が降らない砂漠地帯に、突如強風と小雨が訪れた。前日とは打って変わって天候は悪化、雨はあがり路面は乾いたものの、気温は30度、路面温度は何と前日比20度落ちという予想もしなかった展開となった。

長いメインストレートの後に待ち構えるタイトな1コーナーに、堰を切ったようになだれ込むマシンの群。タイヤをロックさせ白煙をあげた紅い2台は先頭のまま潜り抜け、以後、他車に脅かされることなくレースをこなし、圧勝した。

フェラーリのテクニカルダイレクター、ロス・ブラウンは、未知のサーキットを前にコンサバティブな戦略でのぞんだというが、たとえ余裕をみていたとしても、他チームとの力量の差はあまりにもハッキリしていた。

平和な(?)上位2台を除き、後続ではいくつかドラマが起きていた。
佐藤は好スタートを決め、ラルフ・シューマッハーを抜き4位まで上昇するが、6周目の1コーナーでラルフと接触。「FW26」は宙を飛んでコースを外れたが復帰、佐藤はひとまずそのまま走行を続け、ピットインのタイミングにより一時バトンを従えレースリーダーとして周回した。

だがその後、佐藤の「BAR006」は縁石でフロントウィングを破損。ピットインを余儀なくされ後退した。結果的に自己最高位タイの5位でゴールできたのだが、バトンが3位に入ったことを考えると、逃がした魚は大きかった……。
なおラルフとの接触は、スチュワードの審議対象となったため、両者、レース後ペナルティを受ける可能性が残っている。

長らく3位を守っていたモントーヤだったが、残り10周近くになってギアの不調でポジションをズルズルと落とし、最後は油圧系がダメになり13位完走扱いがやっとだった。モントーヤ脱落のおかげで、バトンは2戦連続のポディウムを手に入れ、ウェバーはジャガーに今シーズン初ポイントとなる1点をもたらした。

マクラーレンにとっては一刻も早く忘れたい週末だったに違いない。ライコネンは、ルーキーのクリスチャン・クリエン(ジャガー・コスワース)と中段で抜きつ抜かれつを演じ、僅か7周で積み替えたはずのエンジンが炎をあげ、リタイア第1号となった。クルタードも最後の1点を狙える範囲内でマシンが音をあげ、ダブルリタイアとなった。

砂漠には列をなすラクダのキャラバンが似合うのだが、人口70万人の観光立国、バーレーンで開かれた初GPでは、紅い跳ね馬が、砂塵を巻き上げ疾風の如く駆け抜けていった。

■“3強時代”の終焉?

史上最多の全18戦が予定される今年のF1。序盤3戦の“フライアウェイ”遠征では、フェラーリの強さだけが突出していた。
シューマッハー30点満点、バリケロ21点で既に51点をポケットに入れるスクーデリア。続くのはウィリアムズでもマクラーレンでもなく、ルノーであるということ、そして好調BARがウィリアムズと肩を並べているということが、“3強時代”の終焉を示唆している。

次戦は3週間のインターバルを置いてのヨーロッパ開幕戦、サンマリノGP。残りは15戦もある、とはいうものの、フェラーリ以下のチームの前には、高いハードルが聳えている。

■ドライバーズランキング(18戦中3戦終了)

1位 ミハエル・シューマッハー 30点
2位 ルーベンス・バリケロ 21点
3位 ジェンソン・バトン 15点
4位 ファン・パブロ・モントーヤ 12点
5位 フェルナンド・アロンソ 11点
5位 ヤルノ・トゥルーリ 11点
7位 ラルフ・シューマッハー 7点
8位 佐藤琢磨 4点
8位 デイヴィッド・クルタード 4点
10位 フェリッペ・マッサ 1点
10位 マーク・ウェバー 1点

■コンストラクターズランキング

1位 フェラーリ 51点
2位 ルノー 22点
3位 ウィリアムズBMW 19点
3位 BARホンダ 19点
5位 マクラーレン・メルセデス 4点
6位 ザウバー・ペトロナス 1点
6位 ジャガー・コスワース 1点

(webCG 有吉)

F1バーレーンGP、シューマッハー3連勝【F1 04】の画像

3戦して早くも2回の1-2フィニッシュ……フェラーリに死角はあるのか?(写真=フェラーリ)

3戦して早くも2回の1-2フィニッシュ……フェラーリに死角はあるのか?(写真=フェラーリ)

自己最高位の5番グリッドからスタートした佐藤琢磨。自己最高位タイの5位でゴールしポイントを獲得したこと、また終盤執拗に迫るフェリッペ・マッサのザウバーを抑えきったことなど評価すべき点は多いのだが、序盤のフロントウィング破損がなければ表彰台も夢ではなかったはずと思えば……あと一歩!(写真=本田技研工業)

自己最高位の5番グリッドからスタートした佐藤琢磨。自己最高位タイの5位でゴールしポイントを獲得したこと、また終盤執拗に迫るフェリッペ・マッサのザウバーを抑えきったことなど評価すべき点は多いのだが、序盤のフロントウィング破損がなければ表彰台も夢ではなかったはずと思えば……あと一歩!(写真=本田技研工業)

前戦で初表彰台を経験したドライバーとは思えない? 貫禄すら感じられるようになったジェンソン・バトンは、2戦連続のポディウムフィニッシュ。(写真=本田技研工業)

前戦で初表彰台を経験したドライバーとは思えない? 貫禄すら感じられるようになったジェンソン・バトンは、2戦連続のポディウムフィニッシュ。(写真=本田技研工業)

ウワサされるトヨタへの移籍が気になるのか(!?)、佐藤琢磨との接触、その後のリカバリーの遅さと、いいところなく終わったラルフ・シューマッハー。ウィリアムズ首脳陣からは厳しい言葉も……。(写真=BMW)

ウワサされるトヨタへの移籍が気になるのか(!?)、佐藤琢磨との接触、その後のリカバリーの遅さと、いいところなく終わったラルフ・シューマッハー。ウィリアムズ首脳陣からは厳しい言葉も……。(写真=BMW)

オリヴィエ・パニス(写真)9位、クリスチアーノ・ダ・マッタ10位と、2台ともポイント圏外でレースを終えたトヨタ。ヨーロッパラウンドまでに巻き返しを図る。(写真=トヨタ自動車)

オリヴィエ・パニス(写真)9位、クリスチアーノ・ダ・マッタ10位と、2台ともポイント圏外でレースを終えたトヨタ。ヨーロッパラウンドまでに巻き返しを図る。(写真=トヨタ自動車)

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