第107回:「コージのジュネーブショー通信」その4 立ってるものはジジイでも使えってか? フィアット&ランチア

2004.03.23 エッセイ

第107回:「コージのジュネーブショー通信」その4 立ってるものはジジイでも使えってか? フィアット&ランチア

まるっきりチンクエチェントの「フィアット・トレピウノ」
まるっきりチンクエチェントの「フィアット・トレピウノ」
新しいパンダ、写真は4WD版。
新しいパンダ、写真は4WD版。

■生き残ってくれ〜

今回、特に気になったのはフィアットかな。なんつーか「切羽詰ってる」感がありました。赤字報道、2003年のジョバンニ・アニエッリ会長逝去と、行き詰まりムードバリバリなだけに……。

それを強く感じたのが「トレピウノ」(TREPIUNO)ね。まんま初代「フィアット500」(チンクエチェント)じゃない、誰がどうみたって。
2003年のフランクフルトショーに出た「ランチア・フルビア」の再来もそうだけど、とうとうフィアットも「コレに手を付けちゃいましたか」ってのがあったよね。ようするに“過去の遺産”の流用。世界的な新車開発のなかで、「リバイバル」は当たり前の手法だけど、フィアットはあんまりやってなかったような……。やっぱり、デザインの国って誇りがあったんでしょうか。先代のデザインとは全然違った新型「パンダ」は、逆にがっかりする部分もあったし。

ランチアのコンパクトMPV「ムーザ」
ランチアのコンパクトMPV「ムーザ」
フツーになった「ムルティプラ」
フツーになった「ムルティプラ」

つまり、リバイバルでもいいと思うんだよね。「立ってるものは親でも使え」ってことわざ、俺は嫌いだけど、ことクルマづくりやPRに関しては、そんなこと言ってられないと思う。「ジイサン」でも「バアサン」でも、バンバン使ってください。同じ“立つ”でも「ランチア・ムーザ」はクルマもさることながら、モデルのお姉ちゃんがやけにセクシーで目を惹いてた。販売のためにプライド捨てたか、日本でも(一部)人気のMPV「ムルティプラ」はフェイスリフトされて、実に普通のミニバンになっておりました。

なんでもいいから、とにかく生き残ってくれ〜フィアット。そんな感じですか。

(文=小沢コージ/2004年3月)

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小沢 コージ

小沢 コージ

神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 ホームページ:『小沢コージでDON!』