トヨタ・モータースポーツ「F1では初表彰台を!」

2004.02.20 自動車ニュース
 

トヨタ・モータースポーツ「F1では初表彰台を!」

トヨタ自動車は、2004年2月19日、今年のモータースポーツ活動計画を発表した。F1、IRL、NASCARトラックシリーズ、全日本GT選手権と、幅広いカテゴリーに参戦する。


今年から「パナソニック・トヨタ・レーシング」チーム代表も兼任する冨田務TMG会長
 

■F1「毎レース得点、初の表彰台を」

トヨタがかかわる多くのモータースポーツのなかで筆頭にあげられるのがF1世界選手権だ。シャシー、エンジンを手がけるフルコンストラクターとして参戦を始めて3年目の2004年は「飛躍の年」として、「毎レース得点と初の表彰台」を目標に掲げる。

マシンは、空力、シャシー剛性を進化させたという「TF104」。エンジンは、今年から導入される「1GPにつき1基」ルールにのっとり、耐久性、信頼性を確保しつつ、パワーアップも図った「RVX-04」を使う。ドライバーは昨年から引き続き、オリヴィエ・パニスとクリスチアーノ・ダ・マッタのコンビだ。

トヨタのF1活動を引き受ける独トヨタ・モータースポーツ有限会社(TMG)では、大幅な組織改革が行われた。これまでチーム代表だったオベ・アンダーソンが相談役となり、冨田務会長が代表を兼務するかたちに。さらに、ルノーから“引き抜いた”大物、マイク・ガスコインをシャシー部門テクニカルディレクターに据えるなどし、体制を強化した。BMW、フェラーリとともに、エンジンには定評のあるトヨタ。ガスコインの仕事は、弱点のシャシーをいかに向上させるかにあり、トヨタがよせる期待も大きい。
冨田会長兼チーム代表は、「楽観はしていないが、大きく飛躍する年にしたい」と抱負を語った。

今シーズンは、3月7日、オーストラリアGPで幕を開ける。



 

■IRL「タイトル連覇を目指す」

2003年、アメリカ(1戦だけ日本)を舞台に繰り広げられるオーヴァルシリーズ、IRLインディカーシリーズに初参戦したトヨタは、マニュファクチャラーズ、ドライバーズ両タイトルを獲得したばかりか、伝統の「インディアナポリス500」でも勝利した。今年は、タイトル防衛、インディ500連覇、そして地元日本で行われる「インディ・ジャパン」2連勝を目指し、チーム・ペンスキーら名門チームを含む5チーム7台にエンジンを供給する。

2004年は、第4戦インディ500からエンジンレギュレーションが変わり、NAの3.5リッターV8は、パワー&スピードダウンを狙い、3リッターまで排気量が削られる。シーズン途中のルール変更はキツイ注文だが、トヨタ自動車の木下美明モータースポーツ部部長は、「新しいエンジンの開発は進んでおり、間もなく回るようになる」と3リッター化への準備が進んでいることを語った。

2月29日の米フロリダでの開幕戦を皮切りに、全16戦のシーズンが始まる。



 

■NASCAR「ようやくアメリカに認めてもらえた」

アメリカンモーターレースの象徴ともいえるNASCAR。「ネクステルカップ」(昨年まではウィンストンカップ)を頂点とするストックカーシリーズのトラック部門「クラフツマントラックシリーズ」に、トヨタはその足を初めて踏み入れる。

マシンは“メイドインUSA”、インディアナ州プリンストンの工場で生産されているピックアップトラック「タンドラ(Tundra)」をベースとしたもので、エンジンはカリフォルニア州コスタ・メサのTRD USAでつくられる5.8リッターV8ユニットとなる。

アメリカのTMS(Toyota Motor Sales)とTRD USAが主体となるとはいえ、閉鎖的なNASCARに日本メーカーが参入するには障壁があったという。トヨタ自動車の齋藤明彦副社長は、「トヨタが“アメリカのメーカー”であるということが、やっと認められた」と話す。

世界最大の自動車市場、アメリカでの販売増加に寄与する強力な“ツール”、NASCAR。2月13日のデビュー戦フロリダで2位という成績をおさめたトヨタの活躍と、アメリカ自動車業界におよぼす影響に今後注目したい。



 

■JGTC「スープラ、MR-S、セリカでタイトルを」

2003年の全日本GT選手権(JGTC)で、GT500、300両クラスタイトルを日産に奪われたトヨタ。雪辱を晴らしたい今年は、GT500クラスに「スープラ」(5チーム)、GT300クラスに「MR-S」(2チーム)「セリカ」(3チーム)を投入する。

スープラは、「セルシオ」に搭載されるエンジンをベースとした5.2リッターV8「3UZ-FE」を、4.5リッターにスケールダウン。MR-Sとセリカは、2リッターターボ(3S-GTE)を搭載する。
なお、既に市販車の生産を終えているスープラだが、来年以降どのモデルをベースとしたマシンになるかは未定とのこと。具体的な名前はあがらなかったが、「6月までには決定しないと……」(木下モータースポーツ部部長)ということだ。

今年のJGTCは、TIサーキット英田でのオープニングレース(4月4日)を含む、全7戦が予定されている。


トヨタエンジンユーザー、モーナンレーシングよりIRLインディカーシリーズに参戦する高木虎之介(左)と、トヨタ自動車の齋藤明彦副社長
 

■FISCO「2005年のリニューアルオープンに向けて」

上記活動に加え、全日本F3選手権、フォーミュラトヨタ、ネッツカップなどの国内レースや、トヨタアトランティックなどの海外レース、またレーシングドライバー育成プログラムなど、今年もトヨタのモータースポーツ活動は多岐にわたる。

なお現在、2005年4月のリニューアルオープンに向けて、静岡県の富士スピードウェイ(FISCO)は、大規模な改修工事中である。その間、ジムカーナコース&テストコースは継続営業。加えて今年4月には全長880mのショートコースが新規オープンするという。

(webCG 有吉)

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