第96回:ロータス・エリーゼ“POWERED by TOYOTA”海外試乗報告(その2)

2004.02.12 小沢コージの勢いまかせ!

第96回:ロータス・エリーゼ“POWERED by TOYOTA”海外試乗報告(その2)

 
第96回:ロータス・エリーゼ“POWERED by TOYOTA”海外試乗報告(その2)の画像
「111R」ロゴ
「111R」ロゴ

■アメリカ対策

お目当ての「エリーゼ111R」は、「トヨタ・セリカ」などが積む 1.8リッター直4DOHC「VVTL-i」ユニットを搭載したハイパフォーマンス仕様。「2ZZ−GE」型ってやつで、最高出力 192ps/7800rpm、最大トルクは18.5kgm/6800rpmの高回転エンジンね。

インプレッションの前に、なぜセリカ用を載せたのか解説すると、単純にエミッション対策だという。映画『プリティ・ウーマン』に出てきた「ロータス・エスプリ」以来、ロータスは排ガスに厳しいアメリカ市場から遠ざかっていた。でも、現在の自動車メーカーの成功は、世界最大のアメリカ市場なしには考えられない。デキのいいエリーゼで久々に打って出たくても、いままでのローバーKシリーズエンジンじゃ、アメリカの排ガス規制を通らないので、トヨタのエンジンにしようとあいなった。元々トヨタとロータスは関係が深かったからね。

スペック的には、従来の「111」が積む160ps版に比べて32psパワーアップ。エンジン単体の重量は36kg重くなり、重心が1cm高くなったとか。前後重量配分も、フロント38:リア62と、2%ぐらいリアヘビーになった。それから、結構大きいのがブレーキの変化。基本は変わらないものの、サーボとABSが付いたのだ。コイツが結構侮れない。

 
第96回:ロータス・エリーゼ“POWERED by TOYOTA”海外試乗報告(その2)の画像
 
第96回:ロータス・エリーゼ“POWERED by TOYOTA”海外試乗報告(その2)の画像
 
第96回:ロータス・エリーゼ“POWERED by TOYOTA”海外試乗報告(その2)の画像

■本質は変わらない

結論からいっちゃいましょう。全体的なテイストは変わらず、いままでのネガを若干消してスケールアップした感じです。トヨタエンジンは全域トルクの塊で、ドカン!とは加速しないが、いつでもどこでもグイっと、素直にアクセルに反応する。リミットの8000rpmまでキッチリまわるが、個人的には残念なことにトップエンドの伸びは苦しいと思った。まわることはまわるが、若干「軽さ」が足りないのだ。

それよっか、ブレーキはホントにイイね。エンジニアは「世界一のABS」って自画自賛してたけど、あながちウソじゃない。一番驚いたのは雪道のドライブ。ニースの山の上は、モンテカルロラリーさながらに雪が積もってたんだけど、ABSがグリップのギリギリまで効くことといったら! 「手前でABSが働いて、ブレーキ性能を100%活かせない」なーんてことはなかった。感動しました、ロータス様の技術力には。

でもねぇ。正直言っちゃうと「俺的にはどーでもいい!」って変化なんだよね。とにかく、エリーゼって全部楽しいから。一番安い「S」でも全然イイのよ。確かにパワーアップして、ブレーキもラクになったけど、楽しさの本質は変わらない。っていうかさ。エミッション対策しても、クルマの本質は変わらない。魅力ダウンどころかスケールアップしてる。そこがロータスのスゴいところなのかもね!

(文=小沢コージ/2004年2月)

小沢 コージ

小沢 コージ

神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 ホームページ:『小沢コージでDON!』

関連記事
  • ロータス・エリーゼS(MR/6MT)【試乗記】 2012.9.14 試乗記 ロータス・エリーゼS(MR/6MT)
    ……713万4000円

    新世代のエクステリアをまとい、日本の道に“復活”した「ロータス・エリーゼS」。スーパーチャージャーで武装した、最新型ライトウェイトスポーツカーの走りをリポートする。
  • ケータハム・セブン スプリント(FR/5MT)【試乗記】 2017.5.1 試乗記 「ロータス・セブン」の魅力を今日に伝える「ケータハム・セブン」に、“オリジナル・セブン”の誕生60周年を祝う限定モデル「セブン スプリント」が登場。クラシカルなデザインとプリミティブな走りがかなえる唯一無二の魅力に触れた。
  • 第41回:最新ディーゼル4台イッキ乗り!
    GLCクーペはレスポンスキング!?
    2017.5.16 カーマニア人間国宝への道 清水草一の話題の連載。第41回は「最新ディーゼル4台イッキ乗り! GLCクーペはレスポンスキング!?」。2.2リッター4気筒ディーゼルターボエンジンは静かで快適。メルセデス・ベンツのスタイリッシュSUVの○と×とは?
  • フォルクスワーゲンhigh up!(FF/5AT)【試乗記】 2017.5.17 試乗記 「フォルクスワーゲンup!」が初のマイナーチェンジ。内外装ともにリフレッシュされた、“末っ子”の使い勝手をテストした。走らせて一番快適だったのは、小さなボディーとは結びつかない意外な場所だった。 
  • ポルシェ・カイエンGTS(4WD/8AT)【試乗記】 2017.5.16 試乗記 発表から7年、その後のマイナーチェンジからもはや2年半が経過した2代目「ポルシェ・カイエン」。もはや円熟の域に達した感のある同車は今、われわれにどんな走りを見せてくれるのだろうか。スポーティーな「GTS」グレードのステアリングを握った。
  • 第40回:最新ディーゼル4台イッキ乗り!
    まるでV8サウンド!? プジョー308に一踏みぼれ
    2017.5.9 カーマニア人間国宝への道 清水草一の話題の連載。第40回は「最新ディーゼル4台イッキ乗り! まるでV8サウンド!? プジョー308にひと踏みぼれ」。加速良し! 価格良し! サウンド良し! プジョー308はディーゼル車に思いを寄せる筆者の大本命となるか!?
  • メルセデス・ベンツGLC220d 4MATICスポーツ(本革仕様)(4WD/9AT)【試乗記】 2017.5.9 試乗記 「Cクラス」ベースのSUV「GLC」に2.2リッターのディーゼルターボ仕様が登場。“気は優しくて力持ち”という試乗前の筆者の予想は、東京~軽井沢の往復約400kmでどう変化したのか? スポーツサスペンションを装着した四駆モデルの走りをリポート。
  • アバルト595コンペティツィオーネ(FF/5AT)【試乗記】 2017.4.26 試乗記 マイナーチェンジでデザインや装備が改められた、ホットハッチ「アバルト595コンペティツィオーネ」に試乗。「スポーツ性能を限界まで高めた」とうたわれる走りの質を、ワインディングロードで確かめた。
  • ロータス、2016年11月8日より新価格で販売 2016.11.8 自動車ニュース エルシーアイは2016年11月8日、同日付けでロータス車の価格を改定すると発表した。新価格は「エリーゼ」シリーズが572万4000円から700万円、「エキシージ」シリーズが880万円から972万円、「エヴォーラ400」が1258万2000円となっている。
  • ジャガーFタイプ R AWD クーペ (4WD/8AT)【試乗記】 2016.2.26 試乗記 最高出力550psを発生する過給機付き5リッターV8エンジンと、フルタイム4WDを組み合わせた「ジャガーFタイプ R AWD クーペ」に試乗。Fタイプシリーズの中でも屈指の高性能モデルの走りと、その端々に宿るジャガーならではの魅力を報告する。
ホームへ戻る