第90回:自動車ジャーナリズムを揺り動かす大問題!?「乗るといいのに」は「いい人なんだけど」と一緒!

2004.01.15 エッセイ

第90回:自動車ジャーナリズムを揺り動かす大問題!?「乗るといいのに」は「いい人なんだけど」と一緒!

■“売れるクルマ”の要件は?

先日、某大メーカーのデザイナーさんと話す機会があった。そこで聞かれた、印象的な一言について。

俺がとあるクルマを見て「乗るとイイんでしょうね。見た目はイマイチピンときませんが……」と言ったら、デザイナーさん「それじゃダメなんですよ。女性に『いい人』って言われるようなもんで」と苦笑された。うーん、そうか。そうだったのか。俺はまったくその通りだと思った。恋愛関係でよくあるよね、女性に「あの人、いい人なんだけど……」と言われるタイプ。要するに「いい人」なんだけど「付き合わない人」。イケそうでイケない人というか……。

クルマもまったく同じなのだ。

「乗ればいいんだけどねぇ」と言われるクルマは、「しゃべるといい人」と同じで、実はダメ。見たとたんに「ああ、よさそう」って思わせるのが一番大事。それが結局、一番売れるクルマになるというワケだ。

■恋愛とクルマ選び

俺たち「乗ってナンボ」の自動車ジャーナリストからすると、致命的な“職業的欠陥”を指摘されてる部分もあるんだけど、それはおいといて(だって俺、乗ってどーだ! であんまり勝負してないもん)。確かに、人もクルマもそういうもんだと思った。

つまりね、「クルマが欲しい」「買いたい」となるきっかけで、つくづく一番大きいのは「デザイン」。もしくは、そういう諸々をひっくるめた「第一印象」や「ブランドイメージ」だったり、時にはそのクルマの「ボディカラー」だったりするのよ。正直、「乗って云々」の重要度は低い。
それって、なんだかんだいっても、付き合う人を「顔カタチ」や「雰囲気」で選んでるのと同じなんだよね。「人間、顔じゃない……」って理想論を言う人もいますが。ともかく、意外なる恋愛とクルマ選びの共通項を確認してしまいました。

みなさんも、せいぜい「乗るといい人」だけにならないよう、気をつけましょうね!

(文=小沢コージ/2004年1月)

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小沢 コージ

小沢 コージ

神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 ホームページ:『小沢コージでDON!』