トヨタ「クラウン」フルモデルチェンジ

2003.12.22 自動車ニュース
 

トヨタ「クラウン」フルモデルチェンジ

トヨタ自動車は、高級サルーン「クラウン」シリーズをフルモデルチェンジして、2003年12月22日に発売した。ベーシックな「ロイヤル」と、スポーティな「アスリート」の2本立てで、価格は315.0万円から499.0万円まで。セダン不振のこのご時世に、ニュークラウンは何を提言するのか?


初代「クラウン」と、トヨタ自動車の張富士夫社長
 

■イメチェンのとき

トヨタを代表する高級車「クラウン」が、およそ4年ぶりにフルモデルチェンジを果たした。1955年の初代から数え12代目となるニュークラウンが目指したのは、「静から躍動への変革」。「いつかはクラウン」というフレーズもいまは昔……昨今のミニバン人気で低迷するセダン市場において、コンサバティヴの代表格たるクラウンにも“イメチェン”の時期が訪れた。

主に、スタイリング、走行性能の面でスポーティに振ったニュークラウン。よりアグレッシブになった佇まい、新開発プラットフォーム、直6から直噴V6に転換されたパワーユニット、「プリウス」で採用したプッシュボタンスタート「スマートエントリー」や「セルシオ」に先行投入した「プリクラッシュセーフティ」など、先端技術が眼目だ。


「クラウンロイヤルサルーンG」のインテリア
 

当面、ベーシックな「ロイヤル」とスポーティな「アスリート」のみの販売。双方に2.5リッター、3リッターを設定し、2.5リッターには5段AT、3リッターにはシーケンシャルシフトマチック付きの6段ATが組み合わされる。ロイヤルにはFRに加え、4WDも設定された。
315.0万円から499.0万円までのプライスタグを付け、月間販売台数5000台を目標とする。


「クラウンアスリート」
 

■サイドビューは「書の勢い」

動力性能の向上を謳う新型は、新開発プラットフォームをはじめ、エンジンブロック、エンジンフード、フロントサスペンションメンバー、ステアリングナックル、リアサスペンションキャリアへのアルミ材採用、樹脂製燃料タンクなど軽量部品採用などを実施。各部の最適配置により、前後重量配分を「53:47」に設定し、優れた操縦性・走行安定性を実現したという。
ボディは、高張力鋼板の採用拡大、レーザー溶接による部品の大型一体化などにより、軽量・高剛性化。床下の各種空力パーツの設定やフラット化により、CD値を0.27とした。

ボディサイズは、全長×全幅×全高=4840×1780×1470mmと、先代比で20×15×15mm拡大。トレッドは、フロントが30mm、リアは50mm延ばされ、前後とも1525mmのワイドトレッドとなった。ホイールベースは70mm長い2850mm。乗員スペースを拡大するとともに、ワイドトレッド化とあわせ、走行安定性を高めたという。


「クラウンアスリート」のインテリア
 

エクステリアは、トヨタいわく「書の勢い」をモチーフにしたサイドビューなどで「静から躍動へ」を表現。グリルまわりの傾斜を強め、低く構えたフロントビューが特徴的である。
サイドに回り込むリアコンビネーションランプのデザインや、デュアル化されたエグゾーストパイプなどは、フラッグシップ「セルシオ」を彷彿とさせる。一方で、お馴染みの王冠マークを中心に据えた格子グリルなどが、“クラウン然”とした雰囲気を醸し出す。
アスリートは、メッシュグリル、バンパースポイラー、18インチアルミホイールなどにより、精悍さを演出した。

外観と打って変わって、インテリアデザインは保守的にまとめられた。フロントシートは、ランバーサポートが大きいタイプとなり、“走り”に振ったことを印象付ける。リアシートは、左右が独立してリクライニングするパワーシート。高級サルーンとしての“もてなしの心”も忘れない。


V6の採用もあり、短くなったフロントオーバーハングも特徴。
 

■直6から直噴V6へ

新型のエンジンは、従来の直6から直噴V6に一本化された。空気と燃料を理想的な濃度で混合し完全燃焼させる「ストイキD-4」、連続可変バルブタイミング機構「デュアルVVT-i」の採用、各部の摩擦損失低減により、2000rpmからの広い領域で最大トルクの90%以上を発生。扱いやすく力強い動力性能を実現するとともに、低燃費、低エミッションを達成したと謳われる。

3リッター「3GR-FSE」は、最高出力256ps/6200rpm、最大トルク32.0kgm/3600rpmを発生。トランスミッションは、新たに設定された6段AT「6Super ECT+シーケンシャルシフトマチック」で、レバー操作で能動的にシフト可能だ。
2.5リッター「4GR-FSE」は、215ps/6400rpmと、26.5kgm/3800rpmというアウトプット。5段ATが組み合わされる。



 

オートマチックトランスミッションは、ローギアを低めて加速性能を高めつつ、トップギアをハイギアードとし、高速巡航時の燃費に配慮。Dレンジでの停車時は、クラッチをニュートラルに近づけたり、ロックアップ制御領域の拡大を図るなどし、燃費向上に努めた。FRモデルのカタログ燃費(10・15モード)は、3リッターが11.8km/リッター、2.5リッターは12.0km/リッター。全車、「超-低排出ガス」「平成22年燃費基準」をパスする環境性能を有する。

パワーステアリングは、新開発の電動式。モーターをトヨタ初のラック同軸タイプとし、車速に応じてモーターによる操舵アシスト特性を最適制御、リニアな操舵感を実現したという。


新型クラウンのフロントサスペンション
 

■「アスリート」にセミアクティブサスペンション

新型のウリである“走り”を支えるのが、新開発のサスペンション。フロントはダブルウイッシュボーンで形式は先代と同じだが、V6ユニットを採用したことによりジオメトリーを一新し、直進安定性を高めたという。加えて、タイヤ切れ角を大きくし、最小回転半径を先代比0.2mマイナス、5.2mとした。リアは、新たにマルチリンクを採用。路面に対する追従性を高めたという。
また、アスリートには、ダンパーに「AVS」(Adaptive Variable Suspension System)を与えた。これは、減衰力やロールなどを制御するセミアクティブサスペンションで、なめらかな乗り心地と操縦性、安定性の両立が謳われる。

動力性能以上に力を入れたというブレーキは、ロイヤルが前16インチベンチレーテッド、リアは15インチディスクを装着。アスリートは、前後とも16インチベンチレーテッドディスクとした。各部の剛性アップやブースター出力の最適化などにより、効きとコントロール性を高次元でバランスさせたという。


「プリウス」で初採用した「プッシュボタン式スマートエントリー&スタートシステム」を採用。
 

■“もてなし”の装備

豊富な装備群は、クラウンの伝統。リモートコントロールキーによる解錠、施錠、プリウス由来の「プッシュボタン」でエンジンを始動する「スマートエントリー&スタートシステム」、左右独立温度コントロール機能付きフルオートエアコン(湿度センサー付き)、マイナスイオン発生装置、8インチワイドディスプレイ採用の「G-BOOK」対応高精細DVDボイスナビゲーション付きエレクトロマルチビジョン、14スピーカーの「クラウン・マークレビンソンプレミアムサウンドシステム」など、枚挙にいとまがない。

安全面では、近赤外線カメラで夜間の視界を補助する「ナイトビュー」、セルシオで先行採用した「プリクラッシュセーフティ」、ステアリングの切れ角に応じてライトの照射角を変える「AFS」などが新しい。加えて、前席デュアルステージ&ニーエアバッグ、プリテンショナー&フォースリミッター付きシートベルトは全車標準。サイド&カーテンシールドエアバッグは、3リッターに標準装備と、安全装備も充実する。

(webCGオオサワ)



 

トヨタ自動車「クラウンロイヤル」:
http://www.toyota.co.jp/Showroom/All_toyota_lineup/crownroyal/
同「クラウンアスリート」:
http://www.toyota.co.jp/Showroom/All_toyota_lineup/crownathlete/

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