第78回:ま、まいった!新型「オデッセイ」にはヤラれたぜ……。

2003.11.27 エッセイ

第78回:ま、まいった!新型「オデッセイ」にはヤラれたぜ……。

新型オデッセイは低い! 写真は、販売の約4割を占めると目されるスポーティ版「アブソルート」
新型オデッセイは低い! 写真は、販売の約4割を占めると目されるスポーティ版「アブソルート」
 
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■スタイルだけじゃない

いやー、まいったよマイッタ。その手があったとは……。新型「オデッセイ」、つまり3代目オデッセイ。

確か8月頃だよね、俺が「新型オデッセイ、どーなの?」って書いたのは。日産「プレサージュ」に対するコメントを書くにあたって、今後出るであろうオデッセイを引き合いに出し、「あの低さ、どーなのよ?」と文句をつけた(第59回:日産「プレサージュ」試乗で感じた「ミニバンってこうあるべきじゃないの?」)。当時のスクープによると全高1550mm、つぅ話なんだもん。ミニバンとして全然ダメじゃんねぇ? それだけ聞いたら。

ところが、実物見て愕然。確かに、全高1550mmでスタイル重視っぽい代物だった。なんじゃこりゃ?
しかし、実際はそれだけじゃないから驚いたのである。「室内スペース優先」かつ「ハンドリング最優先」のクルマだったのだ。や、やられました〜っ!!

 
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■コロンブスの卵

新しいオデッセイ最大のポイントは、「床の低さ」にある。“コロンブスの卵”的発想で、確かに全高は旧型比マイナス8cmと飛躍的に低いんだけど、床も8cm下げたのだ。「今までのオデッセイにそんな隙間あったんかいな?」って感じだけど、実際そうなんだからしょうがない。

ちょっとダマされたようだけど、実際、乗ってみると驚き千番!
「ふーん、なんかずい分低いなぁ、狭そうだなぁ」って思って室内に入るでしょ? 漠然と「足元入りやすいなぁ」と思いつつ、座ってみると不思議な感じ。視線の低さから狭い感じもなくはないんだけど、冷静に考えると「狭くなってない……」。ラゲッジも「狭くなってない!」。それどころか「一部、広くなってる!!」。要するに、従来のオデッセィの容積が、そっくりそのまま8cmほど低くなってるのだ。変ったのは視線の高さのみ。
ホント騙された感じなんだよね。見た目と乗った感じのギャップは、ある種「騙し絵っぽい」というか。

でね、サスペンションストローク取れないだろうし、「乗り心地悪いんじゃねぇかなぁ〜?」と思いきや、乗ってみると逆。今までより快適なくらいだし、なによりハンドリングが全然違う。ビシッと舵が効き、視線の低さから恐怖感もない。

立体駐車場にも入る。
立体駐車場にも入る。
1982年にフルモデルチェンジを受けた2代目「プレリュード」。
1982年にフルモデルチェンジを受けた2代目「プレリュード」。
 
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■久々にホンダらしい

走った感じは「なんかに似てるなぁ」と思って直感したんだけど、この点は俺の読みがあたってました。そう、「2代目プレリュード」に、走り味が似てるのだ。
プレリュードも「ミドシップフェラーリより低いボンネットフード」を、ムリヤリ実現しながら、異様に舵が効き、乗り心地もよかった。どっちもやっぱり“妙な感じ”はしたけどね。「ゴーインにハンドリングをよくした感じ」が、プレリュードそっくりだと思った。ずいぶん洗練はされてるけど。

ということで、オデッセイの総合評価はかなり高いです、俺の場合。スタイル、立体駐車場に入る利便性、広さ、走り、すべてを兼ね備えている。ついでに排ガスも今まで以上にキレイらしい。それでいて、価格はほぼ据え置き。
唯一、気になるのは「視線の低さ」と「デザインのテイスト」。ま、俺は結構慣れちゃうと思うケド。けっこう売れるとはいえ、久々にホンダらしい、ゴーインで“オモシロ極端”な商品だと思いました。俺は好き。

繰り返しになるけど、視線といい、室内の造りといい、今までのミニバンに慣れた人が感じるであろう「独特の違和感」はある。そこがどう評価されるか、注目ですな。

(文=小沢コージ/2003年11月)

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小沢 コージ

小沢 コージ

神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 ホームページ:『小沢コージでDON!』

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