UAEデザートチャレンジ」:第3レグ&パリダカマシンの凄さ

2003.10.31 自動車ニュース

UAEデザートチャレンジ」:第3レグ&パリダカマシンの凄さ

2003年10月20日〜24日の日程で開催された、「FIAクロスカントリーラリー・ワールドカップ」第8戦「UAEデザートチャレンジ」。第3レグの模様を、モータースポーツジャーナリスト古賀敬介がリポートする。

「UAEデザートチャレンジ」第1日目“プレイベント”」:http://www.webcg.net/WEBCG/news/000014254.html
「UAEデザートチャレンジ」プロローグラン〜第1レグ」:http://www.webcg.net/WEBCG/news/000014255.html
「UAEデザートチャレンジ」第2レグ:http://www.webcg.net/WEBCG/news/000014257.html


“オープンエア”モデルと化した、ミキ・ビアシオンのパジェロエボリューション。

■ラリードライバーが酔う?

UAEデザートチャレンジは、3日目第3レグに突入した。本日の舞台は、昨日に引き続きアラビア半島最大の「ルブアルハリ砂漠」。延々と続く砂漠を435.2km(そのうちSSは359.6km)走り、サウジアラビア国境近くまで足を延ばします。

この日も快調に走ったのは、三菱パジェロエボリューションを駆るステファン・ペテランセル。チームメイトにして最大のライバル、増岡浩がリタイアしていなくなったので、もはや敵ナシの楽勝パターンといえましょう。
一方、前日4位だった三菱のミキ・ビアシオンは、第2レグに続きこの日も転倒。前日は助手席側のドアが外れたが、今回は運転席側のドアをなくしてサービスポイントに入ってきました。「まったく、なんてオープンエアモータリングの好きなヒトだろう……」と思っていたら、ビアシオンの様子がちょっとおかしい。フラフラ状態で立っていられないほどです。相当体調が悪いのか、結局そのままリタイアしてしまいました。




この話とは直接関係ないのだけれど、2002年まで三菱ワークスで走っていたジャン−ピエール・フォントネというフランスの名選手は、ラリー中に自分の運転で車酔いをする得意技で有名でした。
ここUAEは、砂丘が連続するためアップ&ダウンが続き、乗員は上下に揺すられる。いってみれば、ジェットコースターやブランコに1日中乗り続けるようなものです。気持ち悪くなる気持ち(?)、よーくわかります。で、気持ち悪くなってどうするかといえば、備え付けのエチケット袋に○×△□……。ナビゲーターにしてみれば、小学校の遠足バスの“地獄絵図”が、真横で延々と繰り返されるようなもの。それでも走り続けなければいけない。ラリー・マスト・ビー・ゴーン! まったく、たまったもんじゃありません。


小山のような砂丘を突っ走る

■「それ絶対ムリ!」

実は僕、ちょっと前に増岡選手の三菱パジェロエボリューションや、バタネン先生の日産ピックアップに乗せてもらったことがあります。ほんの10分やそこらの時間だけど、これには驚きましたね、マジで。

今までも、トミ・マキネンやユハ・カンクネンなど、WRCドライバーの助手席を体験したことはあったけど、パリダカマシンはまた特別。車内から見ているとただの垂直なカベにしか見えない砂丘に、4速全開ノーブレーキ(!)で突っ込んでいくんです。気分はもうクラッシュテストのダミー人形。「それ絶対ムリ」と思って身構えると、思ったよりマイルドな衝撃とともにジャンプ&着地しました。




しかし、安心するのはまだはやい。続いて、巨大なクレーターか穴ボコにしか見えない凹みに、またもや全開アプローチ。「今度こそ前転必至!」。人生が走馬灯のようにグルグルまわるが、これも難なくクリアしてしまう。ハッキリいって、パリダカマシンのボディ剛性とサスペンションは凄すぎです。自分のクルマだったら、粉々になってること間違いナシ。
ただし、人間のほうはそれほど丈夫にできてはいないので、試乗が終わるとプチむち打ち症状が……。パリダカ本番では、こんなことが1日中×約20日間続くワケで、改めてマシン&ドライバー、そしてナビゲーターの凄さを感じた次第であります。

というわけで、前転を2回もやらかしたビアシオンのマシンですが、外観はともかく中身は無事のよう。その頑丈さが、改めて実証されたパジェロエボリューションでありました。ちなみにこのマシン、翌日にはしっかりと直されて、別の場所でニューパーツのテストをやっていました。


リワ・オアシス

■2位は“あのオトコ”

この日のリザルトは、ジャン−ルイ・シュレッサーが、なんとペテランセルに続く2位までポジションアップ! 砂漠の顔役がドライブする、“なんとなく”フォード・フォーカス風バギーが、ジワリジワリと順位を上げていたのでした。3位は、クロスカントリーラリー・ワールドカップのシリーズリーダー、カルロス・スーザ(ポルトガル)。彼のドライブする三菱「ストラーダ」は、見た目はともかく中身はほぼワークス仕様のパジェロエボと同じ。ピックアップトラック風の外観を持つ、ピュア・ラリーマシンなのです。そして、4位がBMW X5のグレゴワール・ド・メビウスでした。


修理を受けるビアシオンのマシン

ラリーも残すところあと1日。明日はここリワ・オアシスから、砂漠を通ってドバイまで戻るルート。朝がはやいので、そろそろ寝ることにしましょう。隠れ家的ホテルと化したダッジ「デュランゴ」で休むのも3泊目。フラットにした室内は2畳一間の安アパートみたいで、意外と落ち着くもんです。新聞紙とガムテープのカーテンをつけて、就寝準備も完了。それじゃお休みなさい。

(文と写真=古賀敬介/2003年10月)

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