「UAEデザートチャレンジ」第2レグ

2003.10.30 自動車ニュース

「UAEデザートチャレンジ」第2レグ

「FIAクロスカントリーラリー・ワールドカップ」第8戦の「UAEデザートチャレンジ」が、2003年10月20日〜24日の日程で開催された。第2レグの模様を、モータースポーツジャーナリスト古賀敬介がリポートする。

「UAEデザートチャレンジって?」という方は、第1回からご覧ください。

「UAEデザートチャレンジ」第1日目“プレイベント”:http://www.webcg.net/WEBCG/news/000014254.html
「UAEデザートチャレンジ」プロローグラン〜第1レグ:http://www.webcg.net/WEBCG/news/000014255.html


三菱のステファン・ペテランセルは、パリダカで過去6勝をあげた“鉄人”。TOP写真は、ペテランセルがドライブする「パジェロ・エボリューション」。

■速いヤツほどラクできる

UAEデザートチャレンジ2日目。第2レグから、本格的な砂丘のステージが始まります。
第1レグが終わった時点の順位は、1位ジニール・ドゥビリエ(日産ピックアップ)、2位グレゴワール・ド・メビウス(BMW X5)、3位ミキ・ビアシオン(三菱パジェロエボリューション)、4位ステファン・ペテランセル(三菱パジェロエボリューション)の順。日本期待の増岡浩は、初日に大前転でリタイアと、残念な結果に終わりました。




ここで、UAEデザートチャレンジの簡単な1日の流れを説明しましょう。
まず、朝早くビバーク地を出発。砂漠の舗装路を走ってスタートポイントに向かいます。スタートポイントからSS=スペシャルステージが始まり、砂の中を1日約400kmぐらい走るワケです。基本的にSSは1日1回で、最終日だけ2回開催。SSを休みなく、連続して走るのが「WRC」と違うところ、といえます。ただし、UAEデザートチャレンジの場合、先頭走者は昼過ぎぐらいにフィニッシュしてしまうのが特徴。午前中目一杯働いて、午後からはの〜んびり休憩と、なかなか優雅だったりもするのです。

ただし、後ろのほうからスタートして、途中でスタックなんかすると結構大変。みんなで談笑しながらゆっくりと夜ご飯を食べている頃、砂漠のド真んなかで砂かき……なんてこともあるわけですね。まあ“速い者は楽できる”という、レーシング界のヒエラルキーが確立していて、これはこれでよいのではないかと。


“砂漠の狐”ことアリ・バタネン。

■ビアシオンはいいオジサン

肝心のラリーのほうはどうなったかというと、三菱のペテランセルがすっごく速かった。元2輪の帝王は4輪に乗り換えても激速! スピードだけなら一番でしょうね、この人は。さすがバイクでパリダカ6勝しただけのことはある。ただし、安定感というか確実性では、増岡のほうが一枚以上“上手”といえましょう。ペテランセルがスタートダッシュして、最終的にちょこっとミスったところで、増岡がズバッとかわす、というのが最近のパターン。ただし、今回はその増岡が早々にいなくなってしまったので、ペテランセルは楽勝ムードでした。本人も素直にいってましたもん「ヒロシがいなくなってラッキー!」ってね。


ビアシオンのパジェロ・エボリューションは、ドアがもげてしまった。

第2レグが終わっての順位は、ペテランセル、ド・メビウス、カルロス・スーザ、ビアシオンというオーダー。ビアシオンはこの日、1速ギヤでひっくり返って窓が外れ、ドアまでとれてしまった。「いやいや、おかげで風通しがよくなったよ。ちょっと砂まみれだけどね」と語るビアシオンは、とっても感じのよいオジサン。昔ランチア「デルタ」で2度もWRCチャンピオンに輝いた“スーパースター”には見えません。「ランチア時代は、そりゃ大変だったよ。もうWRCに戻ろうとは思わないね」とビアシオン。三菱ラリーレイドチームは、なかなか居心地がイイようです。
ちなみに、ビアシオンの得意技はなんと手品。手品というより、スナック芸と表するほうがふさわしい内容ですが、これがなかなかの腕前。次から次へといろいろなネタを披露して悦に入る姿は、まるでドサまわりの芸人のよう。イメージ狂うんだけどなあ、ミキさん……。でもほんとイイ人ですよ、この人は。


古賀敬介の“寝床”、ダッジ「デュランゴ」

■甘美なるテント生活

1日を走り終えたマシンは、リワ・オアシスという場所に設けられたビバーク地に戻り、そこで夜を明かします。このリワは、なんてことはないただの広場。そこにサービス用のテントを張ったり、簡単な飲食ブースを設置して、ラリーの拠点となる場所です。ビバーク地のすぐ近くに高級ホテルがあり、選手や主催者、オエライさんはそこにチェックイン。

ただし、メカニックやチームスタッフ、そして、われわれジャーナリストはビバーク地で、甘美なるテント生活を送ります。一応、お湯の出るシャワーなどもあったりして、思ったよりは快適に過ごせるんですよ。僕の場合は、レンタカーのダッジ「デュランゴ」を寝床に、毎晩ラゲッジルームで爆睡してました。広さは申し分ないんだけど、完全なフラットにならないのが難点といったところ。

……と、書いているうちにだんだん眠くなってきたので、そろそろ寝ます。鍵をロックしてルームランプを消してっと。それじゃお休みなさい。また明日。

(文と写真=古賀敬介/2003年10月)

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