【東京モーターショー2003】「解説!笹目二朗:ホンダ篇」

2003.10.24 自動車ニュース
 

【東京モーターショー2003】「解説!笹目二朗:ホンダ篇」

自動車ジャーナリストの笹目二朗が「東京モーターショー」の出展車を鋭く斬る「解説!笹目二朗」。「自由発想・自在技術」をテーマに掲げるホンダからは、ローフォルムの4ドアセダンコンセプト「KIWAMI(極)」と、次期「NSX」とウワサされる“謎のクルマ”「HSC」(ホンダ・スポーツ・コンセプト)をチョイス!


先進のFC(燃料電池)技術と、伝統的な日本の美意識を融合させたという、新次元のプレミアムセダンのコンセプトモデル「KIWAMI」。レスポンスとエネルギー効率を高めつつ、コンパクトになったFCシステムによってレイアウトの自由度が増したという。低床化技術とあわせて、全長×全幅×全高=4500×1820×1250mmという“ワイド&ロー”のプロポーションを実現。ゆとりの室内空間を確保するとともに、低重心による安定したハンドリング性能をもたらしたことがポイント。
【スペック】
全長×全幅×全高=4500×1820×1250mm/ホイールベース=2870mm/燃料電池スタック+モーター
 

■エスパーダに学べ

4ドア4シーターセダンなのに、スポーツカーのごとく低いフォルムの「KIWAMI」。燃料電池技術を使ったコンセプトカーだが、デザイナーの勘違いの好例だ。運転手以外、乗せられて喜ぶ人はいないだろう。まあ、百歩譲っても助手席まで。この手のクルマでリアシートに乗せられる立場なら、ルノー「アヴァンタイム」のリアシートの方が余程マシである。ミニバンにおけるサードシートに等しい。

低いフォルムの4シーターは、ランボルギーニ「エスパーダ」(1968年ジュネーブ)なんてクルマもあったけど、成功しなかったでしょう? デザイナーの気持ちはわかるけど……。それとも、新型「オデッセイ」のデザインバックアップ用か?


次期「NSX」のスタディモデルと目される、とにかく謎が多い「HSC」。現行NSXに対し、ホイールベースは130mm長く、全長は180mm短いロングホイールベース&ショートオーバーハングボディをもつ。
エンジンは、300psオーバーのV6を横置きミドシップ。ギアボックスは、素早いシフトチェンジが可能なパドルシフトを採用した。「S500」に始まるホンダのスポーツDNAを継承しつつ、極限の高性能と誰もが操れる自在性の融合をコンセプトとする新次元ピュアスポーツの提案だという。
【スペック】
全長×全幅×全高=4250×1900×1140mm/ホイールベース=2660mm/エンジン=V6(300ps以上)
 

■次期「NSX」……じゃないの?

2シーターミドシップスポーツのコンセプト「HSC」(ホンダ・スポーツ・コンセプト)は、誰が見ても「あぁ、NSXの次期モデルか」と思ってしまう。しかし、ハナシを聞くとそうではないらしい。

V6エンジンをミドに横置きする、パワートレインレイアウトはNSXと同じ。ホイールベースを130mm延ばして、シートの後方にゴルフバッグを積めるスペースを稼ぎだしたが、それだけではないという。NSXは、1990年10月の登場から13年経った……、とはいえ違う。なにしろ、聞いても多くを語ってくれないのだ。

視点移動をすくなくするため、レース界で実用化されているカメラを使ったバックミラーを採用するなど、スポーツカーらしい工夫も見られる。これは、法整備が整えば新NSXに採用されるかもしれない。とはいえ、とにかく“謎のクルマ”にしておきたいらしい。

(文=笹目二朗/写真=峰昌宏)

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