F1日本GP、バリケロ優勝、シューマッハーが6度目のタイトル獲得!【F1 03】

2003.10.13 自動車ニュース

【F1 03】F1日本GP、バリケロ優勝、シューマッハーが6度目のタイトル獲得!

F1世界選手権の最終(第16)戦日本GP決勝が、2003年10月12日、三重県の鈴鹿サーキット(5.807km)を53周して行われた。最後まで持ち越されたタイトル決定戦で、フェラーリのルーベンス・バリケロが今シーズン2勝目を飾った。

ドライバーズチャンピオンシップを争うキミ・ライコネン(マクラーレン・メルセデス)は、絶対条件の勝利を手に入れられず2位。結果、このレース8位に終わったフェラーリのミハエル・シューマッハーが、4年連続、通算6回目のタイトル奪取に成功。これまで45年間破られることのなかったファン・マニュエル・ファンジオの最多タイトル数の記録を塗りかえた。またフェラーリは、5年連続のコンストラクターズタイトルを決め、通算獲得数を「13」にまでのばした。

3位は開幕戦ウィナーのデイヴィッド・クルタード(マクラーレン・メルセデス)。ライコネンとともにポディウムにのぼった。
4位ジェンソン・バトン(BARホンダ)、5位ヤルノ・トゥルーリのルノーを間に挟み、急遽参戦が決まった佐藤琢磨(BARホンダ)が、今シーズン最初で最後のレースで見事6位入賞を果たした。これにより、BARホンダは“中堅ナンバー1”の地位、コンストラクターズ5位をものにした。
7位にはクリスチアーノ・ダ・マッタが入り、2年目のトヨタは母国でポイント2点を得た。

■らしくない勝ち方

伝説的なレコードとして誰も追いつくことすらできなかったアルゼンチン人、ファンジオ(1911-1995年)のワールドタイトル5回を抜く大記録が、34歳のドイツ人、ミハエル・シューマッハーにより達成された。だがその勝ち方は、決して安楽なものでも輝かしいものでもなく、むしろ今シーズンの苦戦を象徴するかのようなものだった。

決勝グリッドを決める土曜予選、終盤にかけて崩れだした天候に足をすくわれ、シューマッハーは14位と後方に沈んだ。
タイトル挑戦者のライコネンは予選8位。ポイントで9点ビハインドのライコネンは、自らが優勝しシューマッハーがノーポイントに終わらない限り逆転できない。シューマッハーよりはマシなグリッドだが、前方の7台を追い抜き、かつポールシッター、シューマッハーのチームメイトであるバリケロを負かすことは至難の技と思われた。

スタートで1コーナーをとったのはバリケロ。オープニングラップの「スプーン・カーブ」で、予選2位のファン・パブロ・モントーヤ(ウィリアムズBMW)に追い抜かれトップを奪われるが、数周後、ハイペースで逃げていたモントーヤのマシンの油圧系に問題が発生。ウィリアムズのマシンにかわり、再びフェラーリがリーダーとなった。事実上、この時点でウィリアムズのコンストラクターズタイトルへの夢は絶たれた。

その間、徐々に順位を上げていたシューマッハーは、9位走行中の佐藤の背後に迫っていた。今年改修され全開で飛び込めるようになった「130R」を走り抜け、より緩やかになったシケインこと「カシオトライアングル」まできたところで、シューマッハーはやや楽観的に佐藤をオーバーテイクしようとし、佐藤の右リアタイヤにフロントウィングをヒット。まさかの緊急ピットインで最後尾まで落ちた。

3ストップ作戦が主流だった今回、2ストップを選択したライコネンは2位までのぼりつめた。前にはバリケロだけ、シューマッハーはポイント圏外と、奇跡の大逆転を期待させる展開となったが、重いマシンにライコネンのペースはあがらず、トップのフェラーリは遠のいていった。

終盤になってもシューマッハーの受難は続いた。42周目のシケイン、7位のダ・マッタに追突しそうになったシューマッハーはブレーキをロックさせコースオフ。すぐにコース復帰した兄に対し、真後ろにいた弟ラルフのウィリアムズはフェラーリの左リアタイヤにウィングを当てピットイン。予選、決勝とツキに見放されたラルフは、12位でレースを終えた。

結局、落ち着いたレース運びでバリケロが第11戦イギリスGP以来の今シーズン2勝目、通算7勝目をあげ、大役を果たした。シューマッハーは8位1点獲得と、最低限の仕事で大記録を打ち立てた。
レース中泣くことのなかった曇天の空の下、晴れやかなバリケロと、肩の荷がおりたチャンピオン、シューマッハーが抱き合い、2003年シーズンは幕を閉じた。

■それでもフェラーリ

ウィナーが8人も生まれる、近年稀にみる大激戦だった2003年。17戦15勝した2002年と比べれば、今年のフェラーリは苦戦を強いられたことになる。シーズン序盤はマクラーレンに先を越され、また中盤にはウィリアムズの猛チャージにあった。

しかし終わってみれば、フェラーリ8勝(シューマッハー6勝、バリケロ2勝)と勝ち数は全チーム中最多。2勝以上したドライバーはシューマッハー以外いない。
比較の対象として2002年はあまりにも度を過ぎるているために、2003年のフェラーリ/シューマッハーは過小評価されがちだが、それでも数字の上では今年も最強のチーム、ドライバーだった。

シューマッハーは、6度目のタイトルに加え、ファンジオの成し遂げた4年連続タイトル奪取という記録にも並んだ。そして最多勝利記録はついに「70」に到達した。
またフェラーリは、自らがもつ最多タイトル獲得記録を13回にまでのばし、それまでマクラーレンが保持していた最多連覇記録(1988-1991年)をも塗りかえた。

ただ、彼らの戦い方、勝ち方には、大きな違いがみられた。その一番の原因は、今年大幅に変更されたレギュレーション、特に予選方式にあったと考えられる。
単独一本勝負の予選は、慣れていない後方ポジションからのスタートをシューマッハーに何度となく強いた。結果、不確定要素が増し、第13戦ハンガリーGPで周回遅れにされたような、思わぬ事態を招くこととなった。
また第5戦スペインGPから投入されたマシン「F2003-GA」、そしてブリヂストンタイヤも、新方式に合わせきれない部分があった。

ライコネン、モントーヤ、アロンソら若手の台頭が著しいいま、来年35歳を迎えるシューマッハーは、ルールを含めた“新しいものからのチャレンジ”を受けざるを得ない立場にいる。
2004年、新しいチャレンジャーに、王者はどう対抗するのだろうか。

■ドライバーズランキング(全16戦終了/トップ10)

1位 ミハエル・シューマッハー 93点
2位 キミ・ライコネン 91点
3位 ファン・パブロ・モントーヤ 82点
4位 ルーベンス・バリケロ 65点
5位 ラルフ・シューマッハー 58点
6位 フェルナンド・アロンソ 55点
7位 デイヴィッド・クルタード 51点
8位 ヤルノ・トゥルーリ 33点
9位 ジェンソン・バトン 17点
9位 マーク・ウェバー 17点

■コンストラクターズランキング

1位 フェラーリ  158点
2位 ウィリアムズ 144点
3位 マクラーレン 142点
4位 ルノー 88点
5位 BAR 26点
6位 ザウバー 19点
7位 ジャガー 18点
8位 トヨタ 16点
9位 ジョーダン 13点
ミナルディ ノーポイント

(webCG 有吉)

F1日本GP、バリケロ優勝、シューマッハーが6度目のタイトル獲得!

2番グリッドからスタートしたファン・パブロ・モントーヤ(写真先頭)は、オープニングラップでトップを奪いハイペースで飛ばしたが、油圧系に問題が発生しリタイアした。今シーズンは第7戦モナコGP、第12戦ドイツGPで2勝し、ドライバーズランキング3位。ミハエル・シューマッハーを追い立てシーズンを盛り上げた。2004年の活躍に注目したい(写真=BMW)

F1日本GP、バリケロ優勝、シューマッハーが6度目のタイトル獲得!

4位ジェンソン・バトン(左)、6位佐藤琢磨(右)、ダブル入賞でコンストラクターズ5位の座を獲得したBARホンダにとっては、最高のシーズン締めくくりとなった。急遽参戦が決まった佐藤は、今年最初で最後のレースで見事6位完走、ポイントを獲得し、来シーズンに期待を繋げた(写真=本田技研工業)

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2回目の母国GPとなった今回、トヨタは予選でクリスチアーノ・ダ・マッタ3位、オリヴィエ・パニス4位とセカンドローを独占した。決勝では大きなトラブルはなかったものの、得点は7位で終わったダ・マッタ(写真)だけにとどまった。
ダ・マッタはドライバーズランキング10点13位、パニスは6点15位、トヨタは16点でコンストラクターズ8位に終わった(写真=トヨタ自動車)

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