第70回:驚異の2週間で1万1000台!!プリウスが“ハイブリッドのカローラ”になった日

2003.09.22 エッセイ

第70回:驚異の2週間で1万1000台!!プリウスが“ハイブリッドのカローラ”になった日

■トヨタには参った!

新聞見ました? 発売開始から半月で1万1000台受注、いや2週間だっけか? の話。そう、新型プリウスです。単純に驚いた、そこまで行くとは思ってなかったんで。やっぱ俺って甘いなぁ、読みが……と思わされた次第です。

確かに、クルマはすんごくよくなってるんだけどね。第65回の「プリウスは2本目のタバコである……」に書いたように、動力性能は3割増しって感じだし、広さも、質感も、燃費も、スタイルもすべてよくなってる。
だけどさ。俺としては価格が安くなったとはいえ215.0万円からだし、2リッタークラスの動力性能の5ドアハッチバックとしては、そんなに売れるわけがない! って思ってたのよ。そしたらこの結果……。大トヨタさま、参りました〜。

っていうかね。やっぱり「新しいもの」に対する人間の根源的興味って凄いんだろうなぁ。確かに新型プリウスは今、普通に売られてるガソリン車に対して実用性、品質でなんら劣ることはない。値段も、燃費がほとんど倍近いことを考えると問題ないのかもしれない。
だけど俺としてはそれほど「快感」ってほどじゃなかったし、「すんげぇ欲しい」とは正直思わなかった。でも現実は違うんだよなぁ。やはり俺の環境&人生、恵まれすぎてるんだろうか。

プリウスの開発責任者、井上雅央さん
第70回:驚異の2週間で1万1000台!!プリウスが“ハイブリッドのカローラ”になった日

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■興味は尽きない

でも最近、メールでも相談あったのね。シトロエンユーザーという方が「新型プリウスも考えてます」と。そっか、そういう選択もありだよなぁと。知的だし、使えそうだし、新型プリウス。
実際、俺が思うに、意外と輸入車ファンとかをブン取ってる気がする。フランスの大衆車とか、ゴルフに乗ってたような人とか。実用的なのはもちろん、こと「知的」って意味じゃ凄くバリューあるし、運転の楽しさも「独特」って意味じゃ十分。昔ながらの内燃機関グルマがもつ刺激はないけどね。

それからね。開発者の人もいってたけど「ハイブリッドのカローラをつくりました」ってことなんだってさ。新型プリウスは。つまり特徴を出すというよりも「全方位的にお客様に買ってよかった」と思わせる性能にしていると。価格に対する動力性能はもちろん、広さ、使い勝手、デザイン、走り味すべてね。だからそう考えると、元々俺ってバランスのいいクルマには、個人的に興味ないから、その魅力に気づかなかったのも当然! なんていいわけしたりして。

でも結論として凄くいいことだと思う。プリウスが売れるってことは。そういう国、そういう時代の方が俺は好きだな。くり返しになるんだけど、やっぱり「未来」や「テクノロジー」に対する興味って永遠なんだなぁ……と、改めて思わされた次第であります。

(文=小沢コージ/2003年9月)

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小沢 コージ

小沢 コージ

神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 ホームページ:『小沢コージでDON!』