三菱の燃料電池車「MFCV」お披露目される

2003.09.18 自動車ニュース
 

三菱の燃料電池車「MFCV」お披露目される

三菱自動車は、ミニバン「グランディス」に次世代のパワープラントとして注目される燃料電池システムを搭載した「MFCV(MITSUBISHI FCV)」を、2003年9月17日に発表した。


車両の技術説明をする、三菱自動車工業 開発本部研究統括の安東弘光氏
 

■ダイムラークライスラー社の技術で

ガソリンなど化石燃料の替わりに、水素と空気中の酸素の化学反応で得られる電力でモーターを回す電気自動車が、いわゆる燃料電池車(Fuel Cell Vehicle、FCV)だ。
基本的に水だけしか排出しないというクリーンさ、エネルギー効率の高さなどが特徴で、次世代を担う技術として官民あげての開発が世界各国で進んでいる。しかし、巨額の開発費を捻出できるメーカーは多くなく、開発の度合いが“各々の力量”を示すバロメーターにもなっている。

2002年12月、トヨタ自動車と本田技研工業は、それぞれの燃料電池車の市販第1号車を中央官庁に納車し、注目を集めた。また2003年8月末から、トヨタと日野自動車が共同開発した燃料電池バスが都内の一部区間で路線バスとして走り出すなど、まだまだ開発途上ではあるが、徐々に実生活のなかにも入り込んできている。


荷室下方には、燃料となる水素を蓄えるタンクが備わる
 

三菱自動車の筆頭株主であるダイムラークライスラー(DC)社は、DC社設立前の1991年から、ダイムラーベンツとして燃料電池車の開発に取り組んでおり、現在、メルセデスベンツ「Aクラス」ベースの「F-Cell」や燃料電池バスなどによる公道実験が行われている。

やや遅れての登場である三菱の燃料電池車「MFCV」は、「DC社とのアライアンスメリットを最大限に活かし」(プレスリリース)、今年5月にフルモデルチェンジされたミニバン「グランディス」に、DC社のシステムを載せた実験車両である。
経済産業省主導の2003年度「水素・燃料電池車実証プロジェクト(JHFCプロジェクト)」に参画、公道でのデータを取得することを目的につくられた(現在、実験を行うために国土交通省へ認定を申請中)。

基本的なシステムはF-Cellと同じ。この分野で世界をリードするカナダのバラード社がつくった燃料電池と駆動装置たるモーター(最高出力65kW、最大トルク210Nm)を使用。350気圧に圧縮した気体の水素を充填するタンクやニッケル水素の二次電池などを加え、車重はベース車プラス約400kg、2000kgとなった。気になるパフォーマンスは、最高速度140km/h、航続距離は150kmになるという。


メーターナセル内には、ガソリンエンジンのタコメーターに当たるパワーメーター(左)、二次電池残存量/水素残存量メーター(右)などが備わる
 

■インターネットでリアルタイム表示

出遅れた観が否めない三菱は、新しさを出すため、「ビークルホームページ(VHP)」というコンセプトを発表した。
これは「クルマによるクルマ社会のためのホームページ文化」(広報資料)をつくっていくという趣旨のもと、インターネットを通じて一般のひとに実験の情報を提供するというもの。車両の現在地情報、車体正面に取り付けられたカメラによる映像などがネット上でリアルタイム配信されるという。

(webCG 本諏訪)

三菱自動車:
http://www.mitsubishi-motors.co.jp/japan/

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