F1イタリアGP、シューマッハー復活の5勝目【F1 03】

2003.09.15 自動車ニュース

【F1 03】F1イタリアGP、シューマッハー復活の5勝目

F1世界選手権第14戦イタリアGP決勝が、2003年9月14日、イタリアのモンツァ・サーキット(5.793km)を53周して行われた。フェラーリのお膝元で紅い跳ね馬に鞭打ったミハエル・シューマッハーが、第8戦カナダGP以来となる今シーズン5勝目をあげ、史上初の6度目のタイトル獲得に望みを繋げた。1996年に移籍して以来、フェラーリで50勝目、通算勝利数記録は「69」まで伸ばした。

シューマッハー最大のライバル、ウィリアムズBMWのファン・パブロ・モントーヤが2位。ルーベンス・バリケロ(フェラーリ)は、キミ・ライコネン(マクラーレン・メルセデス)を抑え3位に入り、チームメイトの“援護”を果たした。ライコネンのあと、ラルフ・シューマッハーの代役として参戦したウィリアムズBMWのテストドライバー、マルク・ジェネが5位。以下、6位ジャック・ヴィルヌーヴ(BARホンダ)、7位マーク・ウェバー(ジャガー・コスワース)、8位フェルナンド・アロンソ(ルノー)が入賞した。
BARホンダのジェンソン・バトンは24周でトランスミッションが壊れリタイア。トヨタ勢は、オリヴィエ・パニス、クリスチアーノ・ダ・マッタともにレースを終えることはできなかった。

■予選から激戦

今シーズン5回目、通算55回目のポールポジションを決めたチャンピオン、シューマッハーは、「しかるべきときに(ポールに)戻れたね」と語った。
残り3戦、シューマッハー、モントーヤ、ライコネンと、タイトルを争う3人が2点差でひしめき合う大接戦で迎えたイタリアGPは、予選から3者による激戦が繰り広げられた。

土曜予選、18番目にコースインしたミハエルは、それまでトップだったライコネンのタイムを0.503秒も上回る1分20秒963で暫定1位を奪取した。チームメイトのバリケロは、0.279秒遅れるもミハエルに続く2位。そして最後のマシン、つまり金曜のポールシッターだったモントーヤがアタックに入った。
GP中最速を誇るモンツァを、ブルー&ホワイトのウィリアムズが駆け抜ける。第1セクターで0.003秒、第2セクターで0.076秒、僅差だかシューマッハーより速い。固唾を飲んで見守ったゴールラインでは、しかし0.051秒のプラス表示に変わり、シューマッハーの8戦ぶりのポールポジションが決まった。

1点差で栄冠を争うシューマッハーとモントーヤがフロントローからスタート。ライコネンも4位2列目につけ、いやがうえにも期待が高まるグリッドとなった。

なお、ウィリアムズBMWのラルフ・シューマッハーは、GP前のテストでおこした大クラッシュの影響で体調が思わしくなく、テストドライバーのジェネにステアリングを託した。また前戦ハンガリーでやはり大きなクラッシュをし欠場したジョーダン・フォードのラルフ・ファーマンも大事をとってレースを諦め、前戦同様ハンガリー人ゾイト・バウムガルトナーがコックピットについた。

■攻撃は最大の防御

ローンチコントロールにすぐれない、はずだったフェラーリ「F2003-GA」が、見事な好スタートをきった。タイトな第1コーナーのシケインを、シューマッハーがトップで通過、モントーヤが真後ろにつけ追いかけた。
第2コーナー「ロジア」への進入で、モントーヤが何とアウト側からシューマッハーに仕掛けた! 火花散らさんばかりの2台のマシンは、狭いシケインを並んで走り抜けた。針の穴を突くかのような高い精度の、そしてフェアな勝負は、高速複合コーナー「レズモ」前で、シューマッハーに軍配が上がった。

その後、2位モントーヤのペースが思ったほどあがらなく、2ストップのうちの第1スティント目で、トップのシューマッハーとの間に約5秒のクッションができた。しかし18周目に変えたミシュランタイヤがよく働き、モントーヤはジリジリと詰め寄った。やがて両車の差は1秒まで縮まった。

2度目にして最後のピット作業を終え、ハインツ-ハラルド・フレンツェン(ザウバー・ペトロナス)が周回遅れになるときがきた。スムーズにパスした1位シューマッハーに対し、2位モントーヤはなかなか抜きにかかれない。その後、ジャンカルロ・フィジケラ(ジョーダン・フォード)にも引っかかったモントーヤは、開いてしまったシューマッハーとのギャップを認め、2位完走に徹する作戦に切り替えた。

その後では、もうひとりのタイトル・コンテンダー、ライコネンが、ライバルに比べやや劣るマクラーレン「MP4/17-D」で、必死に3位バリケロに食い下がっていた。バリケロは、2セット目のブリヂストンタイヤでマシンのバランスを崩し苦戦していたが、チームメイトを優位なポジションへ導くべく3位を死守した。

ハンガリーで屈辱的な周回遅れの8位に終わったシューマッハーが、熱狂的フェラーリファン「ティフォシ」の前で、ポディウムの頂点に立った。
新方式の予選で前に出られず、レースで他車の影響を受け自らのレースができなかったことが、シューマッハー“夏の大ピンチ”のひとつの要因だった。その苦戦の裏には、強敵ウィリアムズの大躍進があり、また「テスト禁止期間」だったこともマイナスにはたらいた。

地元GPを前に、徹底的に問題点を洗い出し、集中的なテストをこなしたフェラーリが、見事に復活した。その攻撃の姿勢に、ディフェンディングチャンピオンのタイトルにかける意地とプライドを感じずにはいられなかった。

しかし、ドライバーズランキングでシューマッハーは僅か3点しかリードしておらず、またコンストラクターズではウィリアムズが4点のギャップで首位についているだけなのだ

ヨーロッパラウンド最終戦を終え、シーズンはいよいよ残り2戦。次戦アメリカGP決勝は、9月28日。そして最終戦の日本GP決勝は、10月12日に開催される。

■ドライバーズランキング(16戦中14戦終了/トップ10)

1位 ミハエル・シューマッハー 82点
2位 ファン・パブロ・モントーヤ 79点
3位 キミ・ライコネン 75点
4位 ラルフ・シューマッハー 58点
5位 フェルナンド・アロンソ 55点
5位 ルーベンス・バリケロ 55点
7位 デイヴィッド・クルタード 45点
8位 ヤルノ・トゥルーリ 24点
9位 マーク・ウェバー 17点
10位 ジェンソン・バトン 12点

■コンストラクターズランキング

1位 ウィリアムズ 141点
2位 フェラーリ  137点
3位 マクラーレン 120点
4位 ルノー 79点
5位 BAR 18点
6位 ジャガー 17点
7位 トヨタ 14点
8位 ジョーダン 11点
9位 ザウバー 9点

(webCG 有吉)

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BARホンダ勢は、ジェンソン・バトンがトランスミッショントラブルでリタイアしたものの、ジャック・ヴィルヌーヴ(写真)が6位フィニッシュで3点を獲得。中段チームが目指すコンストラクターズランキング5位争いで一歩抜き出た(写真=本田技研工業)

BARホンダ勢は、ジェンソン・バトンがトランスミッショントラブルでリタイアしたものの、ジャック・ヴィルヌーヴ(写真)が6位フィニッシュで3点を獲得。中段チームが目指すコンストラクターズランキング5位争いで一歩抜き出た(写真=本田技研工業)

トヨタにとっては不運のイタリアGP。予選12位のクリスチアーノ・ダ・マッタ(写真先頭)は、4周目にタイヤがバーストしグラベルでリタイア。9番グリッドからスタートしたオリヴィエ・パニスは、ブレーキペダルの不調に見舞われ、35周で戦列を去った(写真=トヨタ自動車)

トヨタにとっては不運のイタリアGP。予選12位のクリスチアーノ・ダ・マッタ(写真先頭)は、4周目にタイヤがバーストしグラベルでリタイア。9番グリッドからスタートしたオリヴィエ・パニスは、ブレーキペダルの不調に見舞われ、35周で戦列を去った(写真=トヨタ自動車)

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