ホンダ「ライフ」をフルモデルチェンジ

2003.09.05 自動車ニュース
 

ホンダ「ライフ」をフルモデルチェンジ

本田技研工業は、軽自動車「ライフ」をフルモデルチェンジし、2003年9月4日に発表した。NAモデルは9月5日、ターボ車は10月6日から販売を開始する。


本田技研工業の福井威夫社長。
 

■“才色兼備”のニューモデル

ホンダの軽「ライフ」が、3代目に進化した。初代は1997年にデビュー、翌98年、軽自動車新規格に沿った2代目となってから、5年ぶりのフルモデルチェンジである。
福井威夫社長が「“才色兼備”、軽自動車の新しいベンチマーク」と語る新型は、安全性を主軸に、パッケージングやデザインを追求してつくられた。キーワードは「ハートフル・テクノロジー」。ヒトのこころを満たすクルマを目指したという。


Dタイプのインパネ。右側のメーターは液晶を使った「マルチインフォメーションディスプレイ」(D、F、Cターボに装着)で、トリップや燃費、タコメーターをはじめ、オイル交換時期などのメンテナンス情報などを表示。誕生日や記念日を入力すると知らせてくれる演出もある。
 

目玉は、「Car to Car」(クルマ相互)の衝突時に、乗員のみならず相手車両へのダメージ低減を図る「コンパティビリティ対応ボディ」。衝撃吸収構造を採用した「歩行者傷害軽減ボディ」で対人にも配慮する、セーフティを前面に押し出したモデルである。
パワートレインは、0.66リッター直3NA(52ps)とターボ(64ps)の2種類に、4段ATの組み合わせ。駆動方式はFFと4WDだ。装備内容でグレードが異なり、ベーシックグレードの「C」、メイングレードの「F」、そしてエアロパーツなどで飾る「D」の3種類を設定した。価格は、95.0万円から128.0万円まで。

目標販売台数は、月1万5000台。近々モデルチェンジがウワサされる、軽ナンバー1スズキの大黒柱「ワゴンR」の平均月販台数が約1万2000台であることをふまえると、スズキ、ダイハツの“軽2強”に迫りたいという、ホンダの目論見がうかがえる。


新型ライフのカットモデル。赤い部分はメインフレーム、水色がアッパーフレーム、ミントグリーンの部分がロアメンバー。
 

■安全を追求したボディ

新型のトピックは、キャビンを大きくしながら、高い衝突安全性を確保したと謳われる「コンパティビリティ対応ボディ」にある。
前面衝突時のエネルギー吸収効率を高めるため、ボディ前面のメインフレーム断面を四角形から七角形に変更。さらに、メインフレーム上部にアッパーフレーム、下部に3本の骨格をもつロアメンバーを配して、エンジンルームを“鳥かご”のように覆った。2トンクラスの乗用車と衝突した場合でも、ロアメンバーが相手車両のバンパーやサイドフレームを受け止め、キャビンへの負荷を大幅に低減したという。バンパーやボンネットは、衝撃吸収構造を採用。歩行者へのダメージ軽減に配慮した。



 

エクステリアデザインにも、ボディ骨格が反映された。ロアメンバー構造を“見せるように”フロントバンパーを造形し、「見える安心感」を表現したというのは、欧州生まれの2人乗りコミューター「スマート」に通ずるものがある。前後にはみ出したフェンダーが、キャビンの大きさを印象づける。
ボディサイズは、全長×全幅×全高=3395×1475×1575〜1590mm。長さと幅は先代と同じだが、高さは最大30mm低い。ホイールベースは60mm長い2420mmである。一方、前述のボディやエンジンのコンパクト化などにより、ダッシュボードから前のノーズ部分を95mm短縮。低床化と相まって、室内長で95mm、同高さは30mm拡大された。


Fタイプに装備される「助手席チップアップスライド機構」。
 

■コンパクト&低燃費

インテリアは、インパネシフトと大型メーターが特徴的。ベージュとグレーのツートーンカラーでコーディネートされる。
シートアレンジでは、助手席座面を持ち上げて折り畳み、前へスライドする「チップアップスライド機構」(Fタイプ)が新しい。クルマに乗ったまま前後&サイドウォークスルーでき、チャイルドシートに座る子供の世話などに便利だという。ちなみに、Dタイプがフロントベンチシート、Cタイプはセパレートシートと、グレードによってシートタイプが異なる。


リアシートは、シートバックを前に倒したあと、全体が床と面一になるように格納できる。
 

エンジンは、NAの658cc直3 SOHC6バルブ(52ps/6700rpm、6.2kgm/3800rpm)と、インタークーラー付きターボ(64ps/6000rpm、9.5kgm/4000rpm)。いずれも、ホンダが誇る「i-DSI」(2点位相差点火制御。1気筒あたり2つのスパークプラグを配置し、タイミングをずらし点火する技術)を採用した新設計である。ショートノーズを実現するため、エンジン全長を60mm短く設計。パワーは従来とほぼ同じだが、駆動ロスの低減や、圧縮比アップ(NA:10.5から11.2)などにより、低燃費を実現したという。
従来3段ATだったトランスミッションは、電子制御4段AT「プロスマティック」に格上げ。2速からロックアップ制御を行うなどして、NAのFFモデルは軽AT車トップクラスの19.8km/リッター(10・15モード)を実現した。環境性能では、ターボを含む全車が「超-低排出ガス」認定を受けた。量産ターボ車では、初の認定だという。



 

新型ライフの価格詳細は、以下の通り。4WDは、いずれも12.0万円高となる。

Cタイプ
NA:95.0万円
ターボ:106.5万円
Fタイプ
NA:105.0万円
ターボ:116.0万円
Dタイプ
NA:117.0万円ターボ:128.0万円

(webCGオオサワ)

本田技研工業「ライフ」:
http://www.honda.co.jp/auto-lineup/life/

あなたにおすすめの記事
関連記事
  • ホンダN-ONE Premium Tourer・LOWDOWN(FF/CVT)【試乗記】 2015.8.24 試乗記 全高が65mm下げられた「ホンダN-ONE」の「LOWDOWN(ローダウン)」に試乗した。スポーティーな外観を得て、立体駐車場にも入るようになったローダウンだが、逆に失ったものはないのだろうか?
  • フォルクスワーゲンup! with beats(FF/5AT)【試乗記】 2017.6.15 試乗記 フォルクスワーゲンのラインナップの中で最もコンパクトな「up!」がマイナーチェンジ。デビューから5年がたち、走りや乗り心地はどのように変わったのか、専用のドレスアップやbeatsのオーディオを特徴とする限定車で確かめた。
  • ホンダN-ONE Premium Tourer 2トーンカラースタイル(FF/CVT)【試乗記】 2013.1.16 試乗記 ホンダN-ONE Premium Tourer 2トーンカラースタイル(FF/CVT)
    ……154万5000円

    ちょっとレトロな表情を見せる、ホンダの軽乗用車「N-ONE(エヌワン)」。そのクルマとしての仕上がりは? 巨匠 徳大寺有恒が確かめた。
  • スズキ、「SX4 Sクロス」に一部仕様変更を実施 2017.6.15 自動車ニュース スズキは、クロスオーバー「SX4 Sクロス」を一部仕様変更し、2017年7月6日に発売する。今回の変更の主な内容は、新しいフロントデザインの採用と内装の質感向上、6段ATの採用など。
  • ダイハツ・ミラ イースG“SA III”/ミラ イースL“SA III”【試乗記】 2017.6.12 試乗記 低価格・低燃費という、軽自動車の本質を徹底的に追求した「ダイハツ・ミラ イース」がフルモデルチェンジ。従来モデルやライバル車との比較をまじえつつ、「+αの魅力を追求した」という新型の実力を検証した。
ホームへ戻る