トヨタ「プリウス」がフルモデルチェンジ!

2003.09.01 自動車ニュース
トヨタ「プリウス」がフルモデルチェンジ!

トヨタ「プリウス」がフルモデルチェンジ!

トヨタ自動車は、世界初の量産ハイブリッドカー「プリウス」をフルモデルチェンジし、2003年9月1日に発売した。


挨拶をする、トヨタ自動車の張富士夫社長

トヨタ「プリウス」がフルモデルチェンジ!

■21世紀に入ったプリウス

地球温暖化をはじめとする環境問題が、近い将来、抜き差しならない事態を招く・・・・・・。20世紀の終わり、偉大なる利器として成長した自動車を取り巻く状況は、決して楽観できるものではなく、悲観視すらされていた。

トヨタが威信をかけて世に問うた世界初の量産ハイブリッドカー「プリウス」は、そんな時代を背景に、来るべき燃料電池車実用化までの“つなぎ役”として、1997年12月に発売された。
ラテン語で“先駆け”という意味の名をもつこの新世代自動車は、内燃機関であるガソリンエンジンの“弱点”を電気モーターが補完する画期的な「THS(トヨタ・ハイブリッド・システム)」を搭載して登場。売れれば売れるほど赤字が出るとまで言われた当初の状況は、販売の伸びとともに生産工程の効率化が図られ、黒字化を果たしたとウワサされる。これまでの販売台数は約12万台を数えるに至った。




トヨタ「プリウス」がフルモデルチェンジ!

「21世紀に間に合いました」というフレーズで華々しくデビューした初代プリウスが、6年後の2003年9月、“21世紀に入った”プリウスとして生まれ変わった。

新型プリウスが目指したのは、世界市場でより多く販売すること。なかでもアメリカ市場を意識し、ボディはひとまわり拡大された。未来的な内外デザインは踏襲しつつ、4ドアセダンから5ドアハッチバックに変身。使い勝手に磨きをかけた。


5ドアハッチとなった新型。狭くなった後方視界を確保するため、リアゲイト下側にサブウィンドウが設けられた。

トヨタ「プリウス」がフルモデルチェンジ!

1.5リッター直4+電気モーターのハイブリッドシステムは「THS II」へと進化。エンジン、モーター双方に新技術を取り入れ出力アップ、効率化を図るなどし、“走って楽しい、しかもクリーン”という「ハイブリッド・シナジー・ドライブ」を実現。加速性能は2リッター車並、燃費(10・15モード)は従来後期型を4.5km上回る、リッター35.5km(「S」グレード)を実現した! とトヨタは胸を張る。
ラインナップは、ベーシックな「S」(215.0万円)と、上級「G」(241.0万円)の2車種。標準モデルは先代後期型と較べ3.0万円安くなった。それぞれに、エアロパーツなどでスポーティを装った「ツーリングセレクション」が設定される。
月間販売目標台数は3000台。初代の国内販売に陰りが見えていただけに、新型導入で弾みをつけたいところだ。


「ラウム」から採用された楕円ステアリングホイールには、各種スイッチが集約される。

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■未来的デザイン

全長のわりに背が高めのユーモラスなフォルムが特徴だった初代4ドアセダン・プリウスは、CD値=0.26のスリークなボディを身に纏う“二枚目”5ドアハッチバックへと生まれ変わった。
サイドヴューは、三角形をモチーフに、フロントからリアエンドに流れるシャープなエッジのラインで「走りを予感させる」(広報資料)「トライアングルモノフォルム」。空力的な配慮もなされ、ルーフの凹みなどは、前面投影面積を少なくするための工夫であるという。またハイデッキ化で狭められた後方視界を拡大するための、リアゲイト下側サブウィンドウが個性を演出する。


後席バックレストは、6:4の割合で分割し倒せる。

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ボディサイズは、全長×全幅×全高=4445(先代比+135)×1725(同+30)×1490(同+-0)mm、ホイールベースは2700(同+150)mmとなった(「S」グレード)。大型化にともない車内居住性も大幅にアップ。同時に、荷室容量は460リッターと、先代より70リッターも広くなった。一方で従来型より約140kgの軽量化が行われ、燃費向上に寄与した。

インテリアデザインは、外観同様に未来感を意識しつつ、上質感を高めたという。トヨタの考える“誰にでも優しく使いやすい「ユニバーサルデザイン」”を各所に採用。その代表選手たる、「ラウム」由来の楕円型ステアリングホイールも備わる。加えて、ステアリングホイール内にエアコン、オーディオなどのスイッチを集約し、操作性を向上させるなどした。センターメーターには、虚像タイプの「速度」と「シフトポジション」などを表示。ドライバーの視線移動を少なくするため、遠くに見えるようにしたという。


「THS II」へと進化したハイブリッドシステム。

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■エコとパワーの両立

ハイブリッドシステムの基本的な役割、構成は、初代と変わらない。内燃機関であるエンジンは、発進時など低回転域で効率が悪い。このウィークポイントをカバーしてくれるのが電気モーターというわけだ。

具体的にいえば、
●発進・低中速走行時には、エンジンを停め、モーターのみで走行。
●通常走行時は、エンジンが車輪を回すと同時にモーターも回転させ、発電。バッテリーを充電。
●急加速時は、エンジンと、バッテリーの電力で回るモーターを駆動しパワーアップ。
●減速、ブレーキ時は、車輪がモーターを駆動して発電。電力をバッテリーに貯蔵(回生ブレーキ)。
●停車時は、エンジンを自動的に停止。
●バッテリー充電量が少なくなると、エンジンが発電機を駆動して発電。
という働きをもつ。


トランクルーム下に収まるバッテリー

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「THS II」では、エコのみならず、パワーとの高次元での両立が謳われる。
ハイブリッド専用の1.5リッター直4 DOHCエンジンは、可変バルブタイミング機構などにより、エンジン単体での出力を77ps/5000rpmに向上(従来型72ps/4500rpm)。相棒のモーターも、従来の1.5倍(33kWから50kWへ)に出力アップ。さらに高回転化された発電機、軽量・高出力化されたニッケル水素バッテリーなどを採用し、結果、2リッター車と同等以上の発進・追い越し加速性能を実現したという。




トヨタ「プリウス」がフルモデルチェンジ!

高効率化も新型の目玉のひとつ。新開発の可変電圧システムにより、エネルギーの伝達損失を大幅に低減。回生ブレーキシステムも見直され、エネルギー回収効率も高められたという。さらにモーターの使用割合を大幅に増加し、燃費はリッター35.5kmを達成、「超-低排出ガス」車認定を受ける。

組み合わされるトランスミッションは、先代同様の無段変速機(CVT)。エンジンの動力を、前輪、モーターと2経路に分割し制御する「動力分割機構」に加え、発電機、モーター、減速機などで構成される、プリウス独特のCVTである。

シャシー面では、フロントのワイドトレッド化(+30mm)と、前後サスペンションの見直しにより、走行性能の向上が図られた。さらに軽量化によりしなやかな乗り心地を確保したという。サスペンションは、前マクファーソンストラット、後トーションビームで、ともにコイルスプリングと組み合わされる。

電動パワーステアリング、電子制御ブレーキシステムは、軽量化や燃費性能の向上に貢献。上級「G」グレードには、ブレーキ制御とモータートラクションコントロール制御、そして電動パワーステアリング制御を協調させ、操作性、走行安定性を高める「S-VSC(ステアリング協調車両安定性制御システム)」が奢られる。




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■最新の先端技術満載

“先駆け”らしく、新型は未来感あふれる先端技術が目白押しだ。
キーを差し込み、ブレーキペダルを踏みながらボタンでスタートする「プッシュボタンスタート」を採用。「スマートエントリー&スタート」をオプションで選ぶと、スマートキーをポケットやバックに入れておけば、ドアハンドルを握るだけで自動的にドアロックが解除できる。加えてキーを差し込まなくても、ブレーキペダルを踏むだけでエンジンが始動できる、便利なツールだ。


新しい操作系「エレクトロシフトマチック」。レバーというよりもスイッチ感覚でシフトできる。

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シフトの切り替えは、ステアリングホイール横にちょこんと備わる、電子制御式シフトレバー「エレクトロシフトマチック」で行う。シフトポジションは「D(ドライブ)」「R(リバース)」「B(回生ブレーキを多く使うドライブポジション)」の3つがあり、軽いタッチで動く操作ノブは常にホームポジションに戻る。また「P(パーキング)」は、シフトレバー上方にあるスイッチで切り替える。


「EVドライブモード」を選べば、モーターだけで走行できる。

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さらに、後退駐車支援システム「インテリジェントパーキングアシスト」(ナビゲーションシステムとセットでオプション設定)は興味深い新機軸だ。
バック時に、駐車スペースや車庫などの場所をモニター上で設定すると、車両が自動的にステアリングを操作してくれるという“魔法の”(!?)機能。ドライバーは安全確認とブレーキ操作だけ行えばよく、特に初心者マーク付きドライバーには重宝な機構である。自動車は、また一歩“自動運転”に近づいたか?

初代ではできなかったのが、任意にモーターだけを選んで走行すること。新型では、「EVドライブモード」で、それを可能とした(55km/h以下で約1kmの走行が可能)。

エンジン停止時でも冷房・除湿ができる、電動インバーターオートエアコンも標準装備。オプションは、JBLプレミアムサウンドシステムなどの快適装備の他、サイド&カーテンシールドエアバッグなど安全装備も用意する。また、16インチタイヤや専用チューニングサスペンションを装着する「ツーリングセレクション」もある。




トヨタ「プリウス」がフルモデルチェンジ!

価格は以下の通り。

●プリウス
S:215.0万円
Sツーリングセレクション:231.0万円
G:241.0万円
Gツーリングセレクション:257.0万円

(webCG 本諏訪)

トヨタ自動車「プリウス」:
http://www.toyota.co.jp/Showroom/All_toyota_lineup/prius/

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