【スペック】全長×全幅×全高=4640×1780×1740mm/ホイールベース=2800mm/車重=1680kg/駆動方式=4WD/2.7リッターV6DOHC24バルブ(184ps/6000rpm、25.5kgm/3300rpm)/車両本体価格=237.8万円(テスト車=246.5万円/パールホワイト2塗装=2.0万円/オーディオ=6.7万円)

スズキ・グランドエスクード(5AT)【試乗記】

グランドエスクード=モトコンポ!? 2003.08.06 試乗記 スズキ・グランドエスクード(5AT)……246.5万円スズキで一番大きい2.7リッターV6を積む本格ヨンク「グランドエスクード」。2003年6月のマイナーチェンジ版に、webCG記者が試乗した。日本では“グランド”だが……。


スズキ・グランドエスクード(5AT)【試乗記】の画像
マイナーチェンジで、セカンドシートに「ウォークイン機能」を追加。シートバックが前に倒れる動作に連動してスライドするようになり、サードシートへアクセスしやすくなった。

マイナーチェンジで、セカンドシートに「ウォークイン機能」を追加。シートバックが前に倒れる動作に連動してスライドするようになり、サードシートへアクセスしやすくなった。

日本では800台/年だけど……

2000年12月にデビューした、スズキの“クロスカントリーワゴン”こと「グランドエスクード」。ラダーフレームにボディを載せ、副変速機付きの4WDシステムという本格4×4の機構をもつ、7人乗りのSUVである。2003年6月にマイナーチェンジを受け、さっそく試乗に赴いた。

ところでグランドエスクード、日本では……、すくなくとも東京ではサッパリ見かけない。国内販売台数を聞いたところ、2002年度は年間で約800台だったという。
不振を挽回すべく(?)、マイナーチェンジでは、丸目のヘッドライトを採用、フロントグリル&バンパーのデザインを変更して、フロントマスクを一新した。

「個人的には、前の方が好きでした……」といったところ、「そうおっしゃる方も多いんですよ」と、スズキのスタッフはおっしゃる。それも、「年間800台」をまるで気にかけないように笑いながら。そして「この顔は、北米市場の意向で採用したものですから」と続けた。グランドエスクードは、「グランドビターラXL-7」と名を変え、世界で販売されるグローバルカーなのだ。主たる市場は、もちろんSUVの本場アメリカである。
それではと、アメリカでの販売台数はどれくらいか聞いた。「そうですねぇ……(資料をめくりながら)、2002年度は約4万台(!)、これは5人乗りの『ビターラ』(日本名エスクード)を含む数字です。日本と同じ7人乗りは、約2万5000台ですね」。
日本の約30倍も売れているとは……。正直、驚きました。

荷室の幅は約110cm。サードシート使用時の奥行きは約35cmほどだが、3列目を倒せば110cmと、広さは十分。セカンドシートも折り畳むと、奥行きは180cmとなる。ご覧のように左右分割式で、使い勝手はよさそう。

荷室の幅は約110cm。サードシート使用時の奥行きは約35cmほどだが、3列目を倒せば110cmと、広さは十分。セカンドシートも折り畳むと、奥行きは180cmとなる。ご覧のように左右分割式で、使い勝手はよさそう。
エンジンは出力向上のほか、10・15モード燃費が8.8km/リッターから9.4 km/リッターにアップ。さらに、「超-低排出ガス」認定を取得した。

エンジンは出力向上のほか、10・15モード燃費が8.8km/リッターから9.4 km/リッターにアップ。さらに、「超-低排出ガス」認定を取得した。

大らかな乗り味

そう聞いたせいだろうか、グランドエスクード、なんとなくアメリカンである。シートは座面が大きく、座り心地が柔らかいユッタリ志向。センターコンソールや、シフトパネルにウッドが使われるインテリアは、シンプルで「ホンワカした雰囲気を醸し出している」と思った。ただ、オプション装着のオーディオが、デザイン家電みたいなスケルトンボディなのは、いただけなかったです。
マイナーチェンジでは、2列目シートにウォークイン機能を採用し、3列目へアクセスしやすくするなど、使い勝手の向上が図られた。2列目が快適なのは当然として、176cmのリポーターが3列目に座っても十分な足もとスペースが確保されていたのは、「さすが軽自動車でパッケージングを極めたスズキ!」。3列目を使うと、荷室の奥行きは35cmほどしかないが、“常時7人乗り”を目的にグランドエスクードは選ばないでしょう。サードシート収納時は、奥行き110cmとワゴン並で、2列目も倒せば180cmに拡大できる。困ることはなさそうだ。

新たに可変吸気システムを採用し、184psの最高出力と、25.5kgmの最大トルクを得た2.7リッターV6は、自己主張しないもの静かなユニット。1段増えた5段ATと合わせて、加速はとてもスムーズだ。坂道などではもうすこしパワーが欲しいし、高回転域ではザラついたノイズも聞こえるが、ラダーフレームをもつ4×4の重さ(約1.7トン)を考えれば納得である。一方、縦置きエンジン、FRベースのレイアウトのおかげか、ハンドリングは想像以上によかった。

遅い大型車をあおっているわけではない。アメリカ市場向けのカタログに載っていた「グランドエスクードをトレーラーで引っ張って旅する」の図。

これが駆動方式の切り替えスイッチ。4WDハイとローの切り替えは、停車してからでないと受け付けない。



身も心もアメリカン

新型グランドエスクードは、トランスファー付き4WDシステムの切り替えが、従来のレバー式からセンターパネルのスイッチで切り替える方式に変更された。エアコンのダイヤル右側に、2WDと4WDの切り替え、その下にフルロックの「4WDローモード」、そして「N」と書かれたスイッチが配される。2WDと4WDは、100km/h以下なら走行中も切り替え可能。試しにスイッチを押してみたら、しばらくして軽いショックが伝わり、メーター内部のインジケーターが4WDに切り替わった。ちなみに、副変速をスイッチ式にするのも、アメリカからの要望。欧州では従来通り、レバーによる機械式が採用されるという。

ところで、「N」スイッチはなにに使うのか。壊れた時に牽引するためだろうか? と想像を巡らせたが、違った。フォード「エクスプローラー」(4リッターから)、日本に導入されていないキャディラック「エスカレード」(5.3リッターから)など、大物ひしめくアメリカにおいて、グランドエスクードは、グランドどころか“コンパクトSUV”(!!)に分類される。彼の地のヒトがキャンピングトレーラーで旅行するとき、旅先でのアシに使うため“コンパクトSUV”をトレーラーで牽引するのだ。それゆえ、アメリカから「Nスイッチは必ずつけてくれ」との要望があったという。日本ではせいぜい、ホンダ「モトコンポ」(折り畳み式バイク)がいいところだが……。
ともかく、アメリカからの要望を反映した新グランドエスクードは、身も心もアメリカンSUVなのだった。

(文=webCGオオサワ/2003年7月)

関連記事
  • スズキ・グランドエスクード(5AT)【試乗記】 2003.8.6 試乗記 スズキ・グランドエスクード(5AT)
    ……246.5万円

    スズキで一番大きい2.7リッターV6を積む本格ヨンク「グランドエスクード」。2003年6月のマイナーチェンジ版に、webCG記者が試乗した。日本では“グランド”だが……。


  • スズキ・グランドエスクード(4AT)【試乗記】 2000.12.15 試乗記 スズキ・グランドエスクード(4AT)
    ……229.8万円

    2000年12月12日、スズキの小型SUV「エスクード」をストレッチ、3列シートを実現した「グランドエスクード」が登場した。「クロスカントリーセダン」が開発テーマのエスクードに対し、こちらは「クロスカントリーワゴン」。デビュー2日後、千葉県幕張にて、プレス向け試乗会が開催された。


  • スズキ、新型クロカン「グランドエスクード」発売 2000.12.15 自動車ニュース スズキは、7人乗りの新しいクロカン「グランドエスクード」、および「エスクード」の一部モデルを改良し、2000年12月12日に発売した。「クロスカントリー・ワゴン」をテーマとする「グランドエスクード」は、悪路走破性と居住性、走行性能の共存を目標に開発。「エスクード」5ドアより全長を485mm延長した4575mmのロングボディに、3列シートを載せたのが特徴だ。パワーユニットは、スズキのラインナップ中最大排気量となる、新開発2.7リッターV6DOHCエンジン(177ps/6000rpm、24.7kgm/4000rpm)。駆動方式は、2WD(FR)/4WDの切り替えが可能なパートタイム4WD。本格的なヨンクだ。前マクファーソンストラット、後5リンクリジットアクスルの足回りは、エスクードと同じ。トランスミッションは電子制御4段AT。シートは、1、2列目がスライド/リクライニング、3列目にはリクライニングが可能だ。フルオートエアコン、本革巻ステアリングホイール/ATシフトノブ、運転席シートヒーターなど快適装備と、前席SRSエアバッグ、4輪ABS、チャイルドシート固定機構(2、3列目)などの安全装備を揃える。モノグレード設定で、価格は、229.8万円。狭いニッポン、クロカン乗ってどこへ行く?いっぽう、マイナーチェンジをうけた「エスクード」は、3ドア車に搭載された1.6リッター直4SOHCが、2リッター直4DOHCにグレードアップ。にもかかわらず価格は2万円ダウンした。さらに、2リッター+5ドア車を15万円、2.5リッター+5ドアを10万円値下げした。価格は、2リッター+3ドア(5MT)の163.3万円から、2.5リッター+5ドア(4AT)の202.8万円まで。(web CG 有吉)スズキ「エスクード」サイト:http://www.suzuki.co.jp/dom4/lineup/escudo/index.htm同「グランドエスクード」サイト:http://www.suzuki.co.jp/dom4/lineup/g_escudo/index.htm
  • プジョー308SW GT BlueHDi(FF/6AT)【試乗記】 2017.4.25 試乗記 ディーゼルの本場フランスのプジョーが日本に導入したクリーンディーゼルモデル「308SW GT BlueHDi」で、東京から名古屋までのロングツーリングを実施。往復735kmの道のりで見えてきた、このクルマの魅力と欠点とは?
  • シトロエン・グランドC4ピカソ フィールBlueHDi(FF/6AT)【試乗記】 2017.3.20 試乗記 シトロエンの7人乗りミニバン「グランドC4ピカソ」に、“シリーズ最大のハイライト”とアピールされるディーゼルエンジン搭載モデルが登場。自慢の走行性能や、このクルマならではの使い勝手をじっくりとチェックした。
  • シトロエンC4フィールBlueHDi(FF/6AT)【試乗記】 2016.10.20 試乗記 PSAグループの最新ディーゼルエンジン、BlueHDiを搭載する「シトロエンC4」に試乗。フランスではディーゼルが乗用車用パワーユニットの主役だ。遅れてやってきた“本命”は、日本の交通環境下でいかなる走りを見せるのだろうか。
  • DS 5シック レザーパッケージ(FF/6AT)【試乗記】 2016.6.27 試乗記 DSブランドの中でも、他に類を見ない斬新なスタイリングが特徴の5ドアモデル「DS 5」が、新しい“DS顔”にフェイスリフト。さらにパワートレインにも手が加えられる大幅改良が施された。進化したDSブランドのフラッグシップの魅力に触れた。
  • ランドローバー・レンジローバー イヴォーク クーペ ダイナミック(4WD/9AT)【試乗記】 2014.5.8 試乗記 9段ATの採用など、走りの効率が大幅に改善された「レンジローバー イヴォーク」。成功作の進化の方向性を探るために、3ドアのスポーティーな仕様「イヴォーク クーペ ダイナミック」で伊豆を目指した。
  • スズキ「グランドエスクード」「エスクード」一部改良 2002.11.20 自動車ニュース スズキは、SUV「グランドエスクード」「エスクード」を一部改良し、2002年11月18日から販売を開始した。今回の一部改良では、内装の質感と収納スペースの向上がはかられた。
ホームへ戻る