【スペック】全長×全幅×全高=4680×1730×1475mm/ホイールベース=2670mm/車重=1460kg/駆動方式=4WD/2リッター水平対向4 DOHC16バルブターボ・インタークーラー付き(280ps/6400rpm、35.0kgm/2400rpm)/車両本体価格=303.0万円(テスト車=330.5万円)

スバル・レガシィツーリングワゴン 2.0GT spec.B(5MT)【ブリーフテスト】

スバル・レガシィツーリングワゴン 2.0GT spec.B(5MT) 2003.07.29 試乗記 ……330.5万円 総合評価……★★★★ スバルの主力車「レガシィ」がフルモデルチェンジ。わが国の代表的なステーションワゴンとなった「レガシィツーリングワゴン」に、自動車ジャーナリスト笹目二朗が乗った。テスト車は、ターボチャージャーと専用ダンパーを装備したトップグレード「2.0GT spec.B」である。
自動車ジャーナリストの笹目二朗氏
 
スバル・レガシィツーリングワゴン 2.0GT spec.B(5MT)【ブリーフテスト】

絶対評価は高い

スタイリングに新鮮味があり、旧型の面影も残っているし、モデルチェンジ全体としては歓迎できる。が、内容的には期待値を下まわる。とはいえ、今までのレベルが比較的高かったから、絶対評価としては4ツ★が与えられる。

期待値を下まわったのは、旧型からの進化部分が少ない気がするからだ。特にサスペンション関係と、それがもたらす走行感覚は、今や“旧式”にさえ感じられる。GTというターボでチューンした高性能な心臓部をもつテスト車は、いたずらに速さだけを求めることなしに、実用域での使いやすさも考慮されているし、クリーンな排ガスはもとより、経済性とのバランスもいい。それらに対して、硬い乗り心地は実用性をスポイルし、操縦安定性に貢献しているとも思えない。旧型レガシィは、他のワゴンに較べてややリードしていたが、現在ではこれが標準ともいえる。従来もっていたレガシィの貯金は使い果たした。

【概要】どんなクルマ?

(シリーズ概要)
「レガシィ」は、言わずと知れたスバルの基幹モデル。現行モデルは、2003年5月23日にフルモデルチェンジした4代目で、3ナンバーサイズになりながら、先代と比べて約100kgの軽量化を施したボディを目玉に、中低速トルクを向上させたエンジンや5ATの採用、細かいところではブレーキペダルのフィールを高めるパーツを採用するなど、スバルらしいエンジニアリング主導の改善が数多く施された。ボディサイズは、全長×全幅×全高=4680×1730(+35)×1470(-15)mm(2.0GT、カッコ内は先代比)、ホイールベースは先代より20mm延長され、2670mmとなった。
エンジンは、スバルお得意の水平対向4気筒だが、新型から2リッターに一本化。ヘッドメカニズムの差異と過給器の有無により、SOHC16バルブ(140ps)、DOHC16バルブ(MT=190ps、AT=180ps)、インタークーラー付きターボ(MT=280ps、AT=260ps)の3種類が用意される。トランスミッションは、SOHCエンジンが4段ATのみ。DOHCは5段MTと4段AT、ターボエンジンには5段MTに加え、新開発の5段ATが奢られた。駆動方式は、もちろん4WDである。
(グレード概要)
「2.0GT spec.B」は、同じターボエンジンを積む「2.0GT」の上をいく、レガシィ・ツーリングワゴンのトップグレード。ビルシュタイン製ダンパーを装着するのは2.0GTと同じだが、spec.Bは215/45R18サイズのタイヤを履く。このため、AT、MTとも、独自のギア比が与えられた。外観で識別できる専用装備として、スポーティグリルとスポイラーを一体化したバンパーを装着。インテリアは、アルミパッド付きスポーツABCペダルが、標準で備わる。

フロントシートは、運転席のみ8wayのパワーシートで、助手席は手動式となる
 
フロントシートは、運転席のみ8wayのパワーシートで、助手席は手動式となる
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クリックするとシートアレンジが見られます
 
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【車内&荷室空間】乗ってみると?

(インパネ+装備)……★★★
新奇な試みはないが、常識的な配置や操作のなかに安心感がある。ステアリングホイールのグリップ断面は手に馴染みやすい楕円で、一見細身に感じられるが、太めの凸凹したものよりまわしやすい。ウィンカーやワイパーのスイッチレバーも妙に凝ったものより、これまでの習慣に馴染んだものであり、誤操作の危険を防げる。ナビの位置も高めで適切だ。
(前席)……★★★
シートは座り心地がよく、サイズと形状、電動8ウェイの調整機構もまずまず。一見平板に見えるが、座面の後傾角も適切で体重を背面に預けられるし、ランバー部の張出も適当である。サイドの盛り上がりは、横方向のサポートに効果的。水平対向縦置きエンジンの利点を活かして、中央部の張出しは少なめだ。足元はたっぷり余裕があり、ペダルレイアウトに犠牲はみられない。
(後席)……★★★
ワゴンに見られる、この手の折り畳めるシートにしては、寸法的な不足もなく、3人乗車が普通に満たされる。特別高く座る感覚もなく、背面の立ち加減も良好だ。ルーフは高めで、ヘッドクリアランスはまずまず。ボディ側のサイドシルも高過ぎず幅も広すぎず、ドアの開口部面積も確保されいて、乗降性は良好だった。この辺は、長年ワゴンを造り続けるメーカーならではの、手慣れた処理で、安心感がある。
(荷室)……★★★
3ナンバー枠の幅になったとはいえ、荷室の拡幅はあまり感じられない。しかし、サスペンション部分の室内への張出しも少なく、フラットなフロアをはじめ使いやすい形態である。フロア下には小物入れがあったり、後部で使える電源ソケットがあるところは、ワゴンの一つの完成形として定着したといえよう。

【ドライブフィール】運転すると?

(エンジン+トランスミッション)……★★★
3000〜5000rpmが快感ゾーンだが、実用域の使いやすさは上々。一方、6000〜7000rpm辺りの吹け上がりはスムーズだが、ターボらしくシューンと登りつめる感覚はない。さらに、ボトムエンドのトルクは細く、アイドリングでクラッチを繋ぐとエンストしがちだ。フライホイールの容量を上げるとか、もうすこし対策が欲しい。ATで乗るなら、ストール回転で乗り越えてしまうが。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★
乗り心地は硬い。しかも、それがハンドリングに貢献する部分はすくない。現代の標準からしてアンダーステアは強めで、タックインが大きい。コーナリング中のスロットルオン&オフで、これほど姿勢変化が大きいクルマも、最近の例では珍しいといえよう。フルタイム4WDゆえに、突如グリップを失ってスピン、という不安こそないものの、コーナーの入り口、出口で必要以上にスロットルコントロールに気をつかう。新型において、この項目での進化は感じられない。

(写真=峰昌宏)

 

【テストデータ】

報告者:笹目二朗
テスト日:2003年6月20日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2003年型
テスト車の走行距離:2594km
hタイヤ:(前)215/45R18 89W(後)同じ(いずれもブリヂストン ポテンザ RE050A)
オプション装備:LEGACYビルトインDVDナビゲーションシステム/濃色ガラス/クリアビューパック(LEDリアフォグランプ+ヒーテッドドアミラー+フロントワイパーデアイサー(27.5万円)
形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(3):高速(4):山岳路(3)
テスト距離:274.8km
使用燃料:35.9リッター
参考燃費:7.7km/リッター

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