第51回:久々ポルシェで激走!やっぱ「GT3」サイコーだわ〜

2003.07.23 エッセイ

第51回:久々ポルシェで激走!やっぱ「GT3」サイコーだわ〜

ポルシェ試乗会@FISCO! 後ろでバンザイするのは、元『CG』編集長にして、現在は自動車ジャーナリストの熊倉重春さん。
ポルシェ試乗会@FISCO! 後ろでバンザイするのは、元『CG』編集長にして、現在は自動車ジャーナリストの熊倉重春さん。
試乗車は、ターボ系を除くポルシェのほぼ全ラインナップ。目玉は、同社初のSUV「カイエンS&ターボ」と、ニューカマー「GT3」だ。さらに今回は、ワンメイクレース仕様の「カップカー」も用意されていた。
試乗車は、ターボ系を除くポルシェのほぼ全ラインナップ。目玉は、同社初のSUV「カイエンS&ターボ」と、ニューカマー「GT3」だ。さらに今回は、ワンメイクレース仕様の「カップカー」も用意されていた。

■降りた直後に「欲しい!」

久々にポルシェで激走してまいりました。富士スピードウェイで行われた「ポルシェ・ハイパフォーマンス・テストドライブ」で。ネタは「カイエンS」&「カイエンターボ」に、「ボクスター」や「カレラ4S」などなど。

でもね、目玉はなんといっても新型「911GT3」。こりゃサイコーでしたわ。降りた直後に「欲しい!」。そういう感じ。

あのね。その昔、ポルシェ・ジャパンになる前、ミツワがインポーターだった時代に、よく谷田部のテストコースで「ン年モデル試乗会」ってやってたのよ。
911シリーズはもちろん、「928」に「944」と取り揃えて、テストコースをバリバリ縦横無尽に走れる。ほとんど「タイヤを消しゴムのように削って走る」感じで、ヒジョーに太っ腹な企画でありました。
そこでワシら若手編集部員やライターは思う存分走り、「こんなんやっていいのか〜」っていう多少の後ろめたさを感じつつも、「絶対将来ポルシェ買うぞ!」という決意を固める場でもありました。(実際、俺、カレラ2(964)買ったもんね〜。決意してから10年後ぐらいだけど……)

で、そういうポルシェの試乗会は最近なかったんだけど、急遽先日、富士スピードウェイを使って激走できることに。よっ! ポルシェ・ジャパン、太っ腹!

サーキット試乗の目玉は写真の「GT3」と、ポルシェ初のSUV「カイエンS&ターボ」。
(写真=清水健太)
サーキット試乗の目玉は写真の「GT3」と、ポルシェ初のSUV「カイエンS&ターボ」。
	(写真=清水健太)
シートはレザーで覆われたバケットシートを装着。カレラ・クーペのシートより約20kg軽いという。標準仕様は、パワーウインドゥやエアバッグなどを装備。オートエアコンは、オプション価格0円で装着できる。
シートはレザーで覆われたバケットシートを装着。カレラ・クーペのシートより約20kg軽いという。標準仕様は、パワーウインドゥやエアバッグなどを装備。オートエアコンは、オプション価格0円で装着できる。

■「GT3」は最高峰

そしたらね。やっぱよかったんだよ〜、ポルシェ。つくづく「日常乗ってたんじゃポルシェのよさは100%はわからない」、そう思いました。って、今でも全部わかってないかもしんないけど!?

まずね。サーキットでそれなりに走ってポルシェを全体的に見ると、やはり昔みたいな“超剛性感”は薄れ、普通のクルマっぽくなってる部分はあると思う。
だけどなんつーかなぁ、“日常的な911スタイル”そのまま全開でサーキットに突入して、「ブレーキがヤレない」「信頼してコーナーに突っ込める」、なにより「楽しい!」って面じゃ、やはりポルシェは世界一だよね。ある意味、「寝巻きでサーキット」「寝巻きで全力疾走」ってな状況が訪れる。その懐の広さ、オールマイティさがポルシェの真骨頂。

その最高峰が「GT3」。いやホントに素晴らしい。久々にサイコーの“大人のおもちゃ”だと思いました。ほとんど“実車版レーシングカート”みたいな感じで走れるのよ。無論、モータースポーツ未経験者、もしくは運動神経が完璧にない! と自覚してる人には味わえない世界だと思う。しかし、ちょっとでもサーキット走行を楽しめたり、特にレーシングカートでリアタイヤを滑らせる楽しみを知ってる人にはサイコーだね。このクルマは。

まず、ボディの剛性感が高いこともさることながら、ステアリングがシャープかつフィールがいいから「今アンダー」「今オーバー」ってよくわかり、コントロールしやすい。
そして、トラクションが強大! ホント、レーシングカートとまではいかないけど、カウンターステアなんてお茶の子サイサイ。調子にのるとぐいぐいタイヤを滑らせながら踏んでいけるのだ。調子に乗ったらスピンしちゃいそうだけど。

これが「PCCB」。ポッドの色は赤に加え、イエローも用意された。タレずによく利くことに加え、4輪でバネ下重量を約18kg軽減できる。
これが「PCCB」。ポッドの色は赤に加え、イエローも用意された。タレずによく利くことに加え、4輪でバネ下重量を約18kg軽減できる。
(写真=清水健太)
(写真=清水健太)
 
第51回:久々ポルシェで激走!やっぱ「GT3」サイコーだわ〜の画像

■よくできた“大人のおもちゃ”

なによりつくづくポルシェってブレーキいいよねぇ。「激走」するといつも感じるんだけど、ブレーキのよさは筆舌に尽くしがたい。例の超高価(オプション価格 135.0万円!)なセラミックコンポジットブレーキ、「PCCB」が付いてたってこともあるんだけどさ。常にカッチリ、どっからでもどんな風にも利いて、しかもタレない。
実はサーキット走行で一番重要なのはブレーキ。それはクルマをコントロールする上で、ブレーキが甘かったり、コントローラブルじゃないとすべてが難しくなるということもあるが、なにより「安心」じゃなくなるから。

なんだってそうじゃない。スキーを楽しんでる時に「バックルが無闇に外れない」のは最低限の条件だし、ダイビングで「タンクからしっかり酸素が供給される」のも当然でしょう。サーキット走行において、ブレーキはまさにそれにあたると思う。こいつがちゃんとしてないとすべて楽しめなくなる。相変わらずポルシェはそこをしっかり押さえてると思いました。

ホントよくできた“大人のおもちゃ”ですよ。お金持ち&スポーツバカ男には最高。二番目の条件には当てはまってんだけどね。俺も!

(文=小沢コージ/2003年7月)

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小沢 コージ

小沢 コージ

神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 ホームページ:『小沢コージでDON!』