F1イギリスGP、バリケロが今シーズン初優勝【F1 03】

2003.07.21 自動車ニュース
F1イギリスGP、バリケロが今シーズン初優勝

【F1 03】F1イギリスGP、バリケロが今シーズン初優勝

F1世界選手権第11戦イギリスGP決勝が、2003年7月20日、イギリスのシルバーストーン・サーキット(5.141km)を60周して行われた。2回のセーフティカー導入、オーバーテイクに次ぐオーバーテイクの大混戦を制したのは、週末を通じて好調さを堅持したフェラーリのルーベンス・バリケロ。ポールポジションから今シーズン初優勝、昨年アメリカGP以来の通算6勝目をあげた。

2位ファン・パブロ・モントーヤ(ウィリアムズBMW)、3位キミ・ライコネン(マクラーレン・メルセデス)が表彰台にのぼった。
以下、4位にミハエル・シューマッハー(フェラーリ)、5位デイヴィッド・クルタード、6位ヤルノ・トゥルーリ。一時ライコネンを抑えトップを走行したクリスチアーノ・ダ・マッタ(トヨタ)は7位、最後尾スタートのジェンソン・バトン(BARホンダ)が8位に入り最後の1点を獲得した。
ゴール間近、チームメイトのバトンの後方でスピンをきっしたジャック・ヴィルヌーヴは10位、ダ・マッタとともに一時トヨタ1-2体制を築いたオリヴィエ・パニスは11位完走だった。

■コンディションを味方に

土曜予選で最速タイムを記録したのは、バリケロだった。前日の予選1回目でスピンしノータイムに終わったバリケロは、この日2番目にコースイン。1分21秒209を記録し、第3戦ブラジルGP以来となる通算8回目のポールポジションを獲得した。
ミシュランのソフトタイヤを選んだトゥルーリが2位。ライコネンが3位についた。

終盤にかけて風が強くなりコンディションが悪化。金曜好タイムをマークしたドライバーたちは、ラルフ・シューマッハー4位、ミハエル・シューマッハー5位、モントーヤ7位と上位に食い込めなかった。

トヨタのダ・マッタが、自身予選最高位の6位。ミハエルとモントーヤの間からのスタートとなった。


ブラジル国旗でダ・マッタの健闘をたたえるトヨタのクルー(写真=トヨタ自動車)

F1イギリスGP、バリケロが今シーズン初優勝

■オーバーテイクのオンパレード

「F1=コース上で追い抜けない」が“定説”となりつつあった昨今のGPで、これだけオーバーテイクが繰り広げられたレースは実に久々だった。

スタートでトップに立ったのは2番グリッドのトゥルーリ。定評あるルノーのローンチコントロールをいかし、ポールのバリケロをかわすことに成功した。バリケロはタイヤの空気圧が低く、ライコネンにも抜かれ3位に落ちた。4位ラルフ、5位ミハエル、そして6位モントーヤが続いた。

4周目、12番グリッドから9位にアップしたクルタードのマシンからパーツが飛んだ。ドライバーの周囲に装着される緩衝材が外れコースに落下したため、セーフティカーが6周目まで導入された。これを機に、トヨタの2台、クルタード、ラルフ・ファーマン(ジョーダン・コスワース)の4台がピットインした。

10周目、安定感、速さとも抜きん出たバリケロが、「アビー・コーナー」でライコネンに襲いかかり、2位に上昇した。

その翌周、高速「ハンガー・ストレート」で思わぬ“珍客”が出現。グリーンの帽子/ベストにオレンジ色のキルトを身につけ、手にメッセージを持った男性が、200km/hオーバーで走るマシンに駆け寄ろうとし、2回目のセーフティカーが導入された(侵入者はマーシャルに取り押さえられ、当局に逮捕された)。

この一件で、最初のセーフティカーランでピットに入ったマシン以外、全車がピットに駆け込んだ。大混乱のピットでは、チームメイトの後を走っていたマシンが前車の作業終了を待たなければならず、12位モントーヤ、13位アロンソ、14位ミハエル・シューマッハーと上位陣が大きく後退した。

この間、ダ・マッタ1位、パニス2位とトヨタが1-2体制を築き、序盤遅れたクルタードが3位まで上昇。レースは15周目に再開した。
前を行くトゥルーリ、クルタードを手早く料理したライコネンは、次の周にパニスを抜き、1位ダ・マッタを追う。しかしダ・マッタもライコネンと同ペースで走りながら首位を守り、18周もの間リーダーとしてタイミングボードに載り続けた。

後方では、勢い衰えないバリケロがラルフ・シューマッハーをアビーで抜き、6位。前2戦のウィナーは、バランスの悪いマシンに苦しみ、チームメイトのモントーヤにもかわされた。

一方チャンピオンのシューマッハー兄も苦戦。アロンソ、かつてタイトルを争ったヴィルヌーヴ、トゥルーリらが立ちはだかり、上位復帰を阻んだ。

30周目にダ・マッタ、5周後にライコネンがピットイン。その間1位のバリケロは“スーパーラップ”を連発し、38周目に自らのピット作業を終えたときには、ライコネンを視界にとらえるまで追い上げた。
アビーでアウトから仕掛けるバリケロに、ライコネンは応戦。サイド・バイ・サイドのつばぜり合いのまま、ツイスティなインフィールドセクションに入ると、我慢しきれなくなったライコネンがダートに足を落とし、決着がついた。

王者ミハエルの陰に隠れた“ナンバー2”、バリケロが、今シーズン7人目の勝者となった。2位ライコネンは、モントーヤの猛追にも屈し、結局3位でフィニッシュ。後ろを振り返れば、ミハエルがなんと4位。チャンピオンシップを争うミハエル、ライコネンの差は、最小限に留まった。

残り3周でトゥルーリをパスしたクルタードが5位。ピットインが上位陣より1回多い3ストッパーだったダ・マッタは、7位でレースを終えた。


BARホンダ勢は、終盤、5列目スタートのジャック・ヴィルヌーヴと、最後尾スタートのジェンソン・バトンがポイント1点を争い熾烈な戦いを演じた。結果、ジャックがスピンアウトし、バトンが5度目のポイント獲得をはたした(写真=本田技研工業)

F1イギリスGP、バリケロが今シーズン初優勝

■コンペティティヴ

2003年のF1がいかにコンペティティヴかは、下のポイントランキングを見れば分かるだろう。11戦を終了し、1位シューマッハーと2位ライコネンとの差はわずか7点。5戦を残し、計算上7位までがタイトルに手が届く範囲にいる。

またコンストラクターズでも、3強がガッチリと上位をかため、1チームの独走を許さない形勢だ。そして6勝ブリヂストン対5勝ミシュランの、タイヤ戦争も激戦の様相。シーズン終盤に向けて、1回のリタイア、1点の取りこぼしが命取りになりかねない、シビアな戦いが繰り広げられるだろう。

次戦決勝は、8月3日、ドイツGPだ。

■ドライバーズランキング(16戦中11戦終了/トップ10)

1位 ミハエル・シューマッハー 69点
2位 キミ・ライコネン 62点
3位 ファン・パブロ・モントーヤ 55点
4位 ラルフ・シューマッハー 53点
5位 ルーベンス・バリケロ 49点
6位 フェルナンド・アロンソ 39点
7位 デイヴィッド・クルタード 33点
8位 ヤルノ・トゥルーリ 16点
9位 マーク・ウェバー 12点
10位 ジェンソン・バトン 11点

■コンストラクターズランキング

1位 フェラーリ  118点
2位 ウィリアムズ 108点
3位 マクラーレン 95点
4位 ルノー 55点
5位 BAR 14点
6位 ジャガー 12点
7位 ジョーダン 11点
8位 ザウバー 9点
9位 トヨタ 7点

(webCG 有吉)

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