第47回:レーサー・コージからの報告(その2)……ハイブリッドレースカー登場!

2003.07.11 エッセイ

第47回:レーサー・コージからの報告(その2)……ハイブリッドレースカー登場!

■遅いと思ったら……

(前回からの続き)
ってな具合に、なんでもありのJOY耐だけど、特に驚いたのがコレ。そ、「シビックハイブリッド・レースカー」だ。えーっ! と思うくらい遅いクルマがいて、よく見たらハイブリッドだった。

ホンダ栃木研究所エンジニアの関根さん&有志がプライベートで出てるんだそうで、世界的に見ても極めて珍しいハイブリッドのレーシングマシン。 速いだけでなく、燃費も重要な耐久レース。それも素人レースだけに、付け入るスキは十分あるってわけだ。

最大のポイントは「パワートレインは手付かず」、つまり市販車とまったく同じなこと。日本だとAT車しかないので、ヨーロッパ仕様5MTタイプのハイブリッドシステムを採用し、唯一サスペンションやブレーキまわりにレース用を使っている。そのほかは、レギュレーションに合わせてロールゲージやキルスイッチを付けるのみ。

軽量化もキモ、目標車重は1060?。
軽量化もキモ、目標車重は1060?。
計算だらけなのか、コンピュータ持ち込みまくりでほとんどF1チームみたい?
計算だらけなのか、コンピュータ持ち込みまくりでほとんどF1チームみたい?

■2回給油の“カメ作戦”

シビックレースをずっとやってきた関根さんが、「なんかおもしれぇことできないかなぁ」と思いついたそうで、7時間耐久を想定すると50リッターの標準タンクで2回ピットイン、つまり2回給油での完走が可能だそうだ。

俺たちのシビックタイプRが5回、がんばって4回給油なことを考えると凄い。「燃費はだいたいタイプRの2倍」「ラップタイム2分30秒だと、優勝争いに食い込めます」ってハナシ。速いマシンが2分20秒前後だから、まさしく“ウサギとカメ作戦”であーる。

練習段階でラップタイムは2分47秒台。あとちょっとだ!
第47回:レーサー・コージからの報告(その2)……ハイブリッドレースカー登場!

残念ながら、今回は特殊なハイブリッドカーってことで章典外にされ、コンソレーションともいうべき3時間耐久と予選にしか出られないんだけど、面白い試み。「走って十分“レーシングしてる”。楽しいですよ」と関根さん。そうだよなぁ。新しいチャレンジに勝る楽しさはない。久々に「ホンダっていいなぁ……」って思った次第です。

こりゃ「プリウス」で出るっきゃないぜ、トヨタさん!

(文=小沢コージ/2003年7月)

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小沢 コージ

小沢 コージ

神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 ホームページ:『小沢コージでDON!』