VWの高級SUV「トゥアレグ」日本上陸

2003.07.08 自動車ニュース

VWの高級SUV「トゥアレグ」日本上陸

フォルクスワーゲングループジャパン(VGJ)は、ポルシェと共同開発した高級SUV「トゥアレグ(Touareg)」を、2003年7月7日に発表した。同日より予約受付を開始、9月2日に発売する。




■目指せ、10%

アメリカで活況を呈するSUV(スポーツ・ユーティリティ・ヴィークル)市場に(遅まきながら)参入するフォルクスワーゲンが、同郷のスポーツカーメーカー、ポルシェとタッグを組んで開発したのが「トゥアレグ」。SUVの新参者同士がコストとリスクを分散して造ったというわけだ。
ポルシェ版「カイエン」とは、プラットフォームや電子制御トルクスプリット式4WDなど基本コンポーネンツを共有しつつ、デザインやエンジンなどを異にし、それぞれの味付けで差別化を図る。


フォルクスワーゲングループジャパンの梅野勉社長

コンセプトは、4WDシステム「4 X MOTION(フォー・エックス・モーション)」によるオフロードでの走破性、設計速度270km/hというオンロード性能、そして高級サルーン並みの乗り心地を1台で味わえるという「3 cars in 1」。わが国へは、3.2リッターV6と4.2リッターV8、2種類のパワーユニットに、ティプトロニック付き6段ATを組み合わせた仕様を投入する。価格は、V6モデルが495.0万円、V8モデルは645.0万円。ライバルとなるボルボ「XC90」やBMW「X5」の3リッターモデルに拮抗する、かなり戦略的な値付けだ。輸入車メーカーナンバーワンのVGJは、今年9月から12月までに800台の販売目標を掲げ、2004年度は通年で1500台を見込む。


荷室容量は555リッター。分割可倒式の後席を倒せば、1570リッターの空間が出現する。

トゥアレグは、VGJにとって戦略上重要な意味をもつ。2002年の「パサート」マイナーチェンジ以降、VGJはVWブランドを、従来の“大衆車メーカー”から、高級車もラインナップするフルラインメーカーへ転換するキャンペーンを展開している。高級SUVセグメントに属するトゥアレグは、VGJが初めてわが国に投入する“高級車”であるのだ。2002年度、日本における高級SUV(350万円以上)の市場は、15449台(JAIA調べ)。そのうち、約60%を輸入車が占めるが、VGJの梅野勉社長は「60%のうち、10%シェアを獲得したい」と意気込みをみせた。




■VW顏

マッチョで“いかにもポルシェ”なルックスのカイエンに対し、トゥアレグはVW「フェートン」などを彷彿とさせるフォルクスワーゲン顔をもつ。そのボディサイズは、カイエンとほぼ同じ、全長×全幅×全高=4755×1930×1730mm、ホイールベースは2855mm。数字からはSUVらしい重量感が想像できるが、全体的に丸みのあるボディラインのせいか、威圧感はあまりない。

インテリアは、SUVの機能性と、高級サルーンの上級感を融合したと謳われる。上級のV8モデルには、ウォールナットウッドパネルや、レザーシートが奢られた。室内を快適に保つ、デュアルゾーン式フルオートエアコンや、AM/FM CDデッキ+10スピーカーなどの装備品は、いずれのモデルにも標準搭載される。




V8モデルには、「CDCエアサスペンション」(28.0万円)がオプション設定される。CDCとは、無段階可変減衰力制御(Continuous Damping Control)のことで、車輪が路面の凸凹に追従する「スカイフック制御」により、快適な乗り心地の実現を狙ったもの。最低地上高は、ノーマル油圧サスペンション装着車は280mmで固定だが、エアサス装着車は160mm〜300mmの範囲で調節可能。トゥアレグご自慢のオフロード性能も高まることになる。
さらに、スイッチにより「ノーマル」「スポーツ」「コンフォート」、3種類のサスペンションモードを選択できるほか、積載量にかかわらず車高を一定に保つ「セルフレベリング」や、高速走行時に車高を低くして安定性を高めるなどの機能を有する。


サスペンションは、前後ともダブルウィッシュボーン式。V6モデルは2240kg、V8は230kg(エアサス仕様は2390kg)に達する重量を受け止めるため、ブレーキにはブレンボ製アルミモノブロックキャリパー(前6ポッド、後4ポッド)と、4輪ベンチレーテッドディスクを奢った。

■ハイテクSUV

トゥアレグのパワーソースは、3.2リッターV6 DOHC24バルブと、4.2リッターV8 DOHC24バルブ40バルブの2種類。前者は、VWのサルーン「フェートン」や、ゴルフのホットバージョン「R32」に搭載されるユニットで、220ps/5400〜6400rpmの最高出力と、31.1kgm/3200rpmの最大トルクを発生。一方、アウディ「A6」「A8」などにも載るV8は、310ps/6200rpmと、41.8kgm/3000〜4000rpmのアウトプットを誇る。
トランスミッションは、いずれも新開発のティプトロニック付き6段AT。ティプトロニックは、シフトレバーの操作に加え、ステアリングホイール裏のパドルでもギアチェンジできる。




駆動方式は、すべて「4 X MOTION」と呼ばれる4WD。トルセン式の4MOTIONに対し、こちらはセンターデフにプラネタリーギアを備え、駆動輪の回転差制御を、電子制御多板クラッチで行う。通常走行では、前後輪のトルク配分は50:50だが、走行状況の変化に応じて、0:100から100:0までトルク配分を変化させることができる。高いオフロード性能を謳うトゥアレグは、もちろん副変速機も装備する。

オフローダーらしい電子制御システムもトゥアレグの特徴。急勾配を登る際に車両を制御する「ヒルホルダー」機能や、下り勾配で車速を制御する「HDA」(ヒルディセントコントロール)、急激なエンジンブレーキにより、駆動輪がロックすることを防ぐ「EBC」(エンジンブレーキコントロール)、左右輪の片側が空転した際、反対側に駆動を配分する「EDS」(エレクトロニックディファレンシャルロックシステム)など、オフロードと4WDの制御の多くは、電制で行われるハイテクSUVでもある。

(webCGオオサワ)

フォルクスワーゲンジャパン:http://www.volkswagen.co.jp/

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