第41回:大発見!「清算が出来ない」はビョーキだった?

2003.06.24 エッセイ

第41回:大発見!「清算が出来ない」はビョーキだった?

レーサーであり、ジャーナリストでもある松田秀士さん
第41回:大発見!「清算が出来ない」はビョーキだった?

■大クラッシュ! したら請求書が……

こないだ面白いことを聞いてしまった。っていうか俺的に大発見!

俺もこの世界、つまり出版業界に入って長いけど、どうしても「清算の遅い奴」「できない奴」ってのがいるのよ。編集者で。
マジメな話、1、2ヶ月は平気で遅れる奴いるし、ヘタすると半年、1年も清算しないツワモノもいる(S社のIさんとか!)。厳しい会社だとそのせいで取材経費「全部自腹」とかね。
実は俺にもその傾向があって、我ながらバッカだなぁとか、情けねぇなぁとか思ってたわけですよ。根が怠け者なのかなぁ、とか。

と思ったら、ちょっと違うみたいね。「清算」という作業自体に独特の精神的負担がかかるものらしい。
というのも、こないだレーサーの松田秀士さんと飲んだんだけど、この方、突然、清算じゃないけど「請求書が書けなくなった」事があるそうな。それも大クラッシュ後に。
ヒデシさんは、2000年のインディ500の練習時に、時速320km/hでコンクリートウォールに突っ込み、驚異の160G!!!!(データロガーに残ってたとか)の加速度と共に大大クラーッシュ! しかし幸いなことに足と腕の骨を折っただけ(?)で、命に別状はなかった。脳的にも大した後遺症はなかった。

……と思ったら違ったのよ。ななんと請求書が書けなくなった! というのだ。その後約1年間。各種領収書を見たり、パソコンでエクセルを開いたとたん、理由はわからないけど「グェ〜」って不快になり、画面が見れなくなったという。他の交渉ごととか、原稿書きはできるんだよ。不思議なことに請求書、清算の類だけ。だから理由はわからないけど、あれって独特のイヤな作業なんだよね。細かいお金の計算ってことだけじゃない。
今までの作業を振り返り、損しないように漏れなくやるってのがイヤみたい。わかる気がする。

でもさ。逆に考えると使ったお金が戻ってくる「うれしい作業」でもあるのにね。事実なんの衒いもなく、清算作業をやる女性もいる。やっぱ俺たちゃ欠陥人間なんだろうか? とはいえとりあえず単純に「怠け者だからできない作業」ではないってことはわかった。なんか救われた気がしましたよ。ヒデシさん!

(文=小沢コージ/2003年6月)

この記事の大きな画像を見るためには、画像ギャラリーをご覧ください。

小沢 コージ

小沢 コージ

神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 ホームページ:『小沢コージでDON!』