第30回:アメージング・カントリー、KOREA!(その1)なぜ韓国のモータースポーツが話題にならないのか?

2003.05.27 小沢コージの勢いまかせ!

第30回:アメージング・カントリー、KOREA!(その1)なぜ韓国のモータースポーツが話題にならないのか?

■要するに「これから」

こないだの4月のとある週末、韓国に行ってきたのでちょいとご報告を。
韓国っていえばフツー「キムチ」と「サッカー」と「テーハミング!ちゃちゃんちゃちゃんちゃん!」だよね。あとクルマメーカーの「現代」(ヒュンダイと読む。念のため)か。
そこで一大疑問が発生!

なぜ「モータースポーツ」が話題にならないのか!

あれほど日本に敵愾心(?)を燃やし、やたらナンくせつける(??)国なのに、ホンダが「F1」でとっくの昔にチャンピオンになり、「WGP」でジャパニーズライダーがこぞって勝ちまくり(最近は残念ですが……)、スバル、三菱(今は休んでますが……)が「WRC」で活躍しているのに! そんな日本に対して悔しくないのか!! どーなのか!!! を取材してまいりました。

行ったのは「第1回クリック・スピード・フェスティバル」。ソウルからほど近い「ヨンイン・スピードウェイ」ってところで開催されたんだけど、クリックっていうのは日本名「ヒュンダイTB」のことで、要するに“韓国版トヨタ・ヴィッツ”。それのナンバー付き車両によるワンメイクレースが行われたのだ。まさしく「ヴィッツシリーズ」みたいにね。もちろん、韓国初の試み。
でね。レースは面白かったんだけど、それより驚いたのが韓国モータースポーツ事情。要するに「これから」なのだ。

■「これから」の理由

まずね。「韓国にはどういうモータースポーツのシリーズ戦があるの?」って聞いたら、「シリーズ戦自体がない」。だいたい韓国にあるサーキットはヨンイン・スピードウェイぐらいのもので、ほかにあるといったら、F3をやる公道コースや、バイクレースをやるショートコースぐらいのもの。
ヨンインにしても全長約2.2kmとFIAの国際格式を通らない。つまり、国際レースはやりたくてもできないのだ。

やってるのはヨンインをステージとした、1.8リッター直4エンジンを使った「フォーミュラ1800」と、4カテゴリー混走の「ツーリングカーレース」のみ。それが年に数戦行われるという。 

なんていうかなぁ。全国に筑波サーキット“だけ”があるようなもんよ。
でも事情を知ってそれも納得。まず韓国はマイカーブーム開始が1988年と、日本に比べてずいぶん遅い。それだけにまだまだクルマを過剰に大切にする人たちが多いし、クルマを傷つけるレースなんてもってのほか。あと自動車メーカーの中でも「現代」が強すぎて、メーカー間の競争ってものがあまり存在しない。そのうえ、だいたい今の日本もそうだけど、90年代っていえばいろんな遊びが揃ってきてるじゃないですか。クルマ以外にもサッカー、ファッション、グルメ、カラオケ、男女交際(古いか?)、海外旅行、ショッピングなどなど。
クルマ、そしてクルマレースが簡単に全国的な人気を勝ち得る時代はとっくに過ぎたのだ。

あとは先駆者の存在ね。なにより日本には本田宗一郎という超偉大なる“クルマバカ”がいた。クルマをつくるだけでなく、レーシングカーをつくり、WGPにF1に参戦し、いち早く鈴鹿サーキットまでつくってしまった。彼の存在は限りなく大きいよね。日本において。

ってなわけでモータースポーツまだまだの国、韓国だが、こうやって新たな文化を創ろうっていうわけだ。
希望はありだと思ったな。これは某ヒョーロン家も言ってたけど、「アジアのなかのラテン系!」と呼ばれる韓国人は競争が好きだから。しかもこうやって自らレースをやり、バトルの味をしめたらやめられなくなるに違いない。
それから韓国ってホント、規制ユルいからね。日本みたいに、やれライセンスがどうした、やれヘルメットがどうした、みたいのがない。この辺は次回ご報告いたしますぅ〜。

(文=小沢コージ/2003年5月)

小沢 コージ

小沢 コージ

神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 ホームページ:『小沢コージでDON!』

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