スバル「レガシィ」をフルモデルチェンジ

2003.05.23 自動車ニュース
 

スバル「レガシィ」をフルモデルチェンジ

富士重工業は、同社の主力モデルたるワゴン「スバル・レガシィツーリングワゴン」とセダン「スバル・レガシィB4」をフルモデルチェンジし、2003年5月23日に発表した。ワゴンは同日、セダンは6月23日から発売する。


TOP写真は、新型レガシィツーリングワゴンとスバルの竹中恭二社長(右)。左は開発をとりまとめた、商品企画本部の清水一良プロダクトゼネラルマネージャー。
発表会が始まるまで、なんと竹中社長がエントランスに立ち、来場者を出迎えていた。レガシィにかけるスバルの意気込みが感じられる。
 

■「走りと機能と美しさの融合」

日本におけるツーリングワゴンの代表格にして、スポーツワゴンの先駆け、そしてスバルの屋台骨でもある「レガシィツーリングワゴン」と、“プレミアム”を謳うスポーツセダン「レガシィB4」が、5年ぶりにフルモデルチェンジされた。
4代目となる新型のコンセプトは、「走りと機能と美しさの融合」。数値目標の達成だけでなく、乗る人がクルマの進化を実感できることを目指し、「楽しいか」「美しいか」「感動を呼び起こすか」という基準で判断し、開発したという。


レガシィツーリングワゴン
 

ボディを3ナンバーに拡大した一方、大幅な軽量化を実行。水平対向エンジンに4WDを組み合わせる、スバルお得意の技術をさらに進化させ、ヨンクは呼称を「Symmetrical AWD」と改めた。
1段増えた5段ATの導入や、シングルターボ化などの新しいアイテムも目玉のひとつ。デザイン面ではダイナミックでスポーティなイメージを表現したという。


レガシィB4
 

ワゴン/セダンとも、パワートレインは共通。エンジンは、2リッターSOHC16バルブ(140ps)、2リッターDOHC16バルブ(MT190ps、AT180ps)と、2リッターDOHC16バルブターボ・インタークーラー付き(MT280ps、AT260ps)の3種類。トランスミッションは、4段と5段、2種類のATに加え、5段MTも設定される。価格は、ワゴンが205.0万円から310.0万円、B4は203.0万円から295.0万円まで。月の販売目標を、シリーズ全体で6000台に設定する。



 

■大幅な軽量化

ボディサイズは、ワゴン(2.0GT)が全長×全幅×全高=4680×1730(+35)×1470(-15)mm、セダン(2.0GT)は4635(+30)×1730(+35)×1425(+15)mm(カッコ内は従来比)。両モデル同じ長さのホイールベースは、先代より20mm延長された2670mmである。5ナンバーサイズを守り続けたレガシィだが、ハンドリングと走行安定性を高めるため、トレッドを前30mm、後ろは25mm拡大したことにより、新型は3ナンバーボディとなった。全幅は広いが、フロントタイヤの切れ角を増し、最小回転半径を5.6m(GTなど)から5.4mに向上した。



 

新型レガシィは、全グレードにわたり先代より大幅に軽量化された。先代ワゴン「GT-B E-tuneII」(4AT)の車重が1530kgなのに対し、新型の同グレード「2.0GT spec.B」(5AT)は1480kgと、50kgも軽い。4段ATより重い5段ATの搭載などを加味すれば、ホワイトボディはさらに軽くつくられたことになる。
軽量化は、運動性能、燃費向上や衝突時のエネルギー低減などに寄与する。一方、スポーティ&快適な走りを実現する高い剛性や、内外の衝突安全基準をパスすべくボディを強化すれば、重量増は避けられない。新型レガシィは、アルミ合金や高張力鋼板、テーラードブランク材などを採用し、“軽くて強靱な”ボディをつくりあげた。



 

■上質に

エクステリアデザインは、張りのあるボディにウェッジをきかせ、先代よりシャープな印象となった。前端が絞り込まれたフロントフードや、床下のフラット化などにより、Cd値(空気抵抗値)は、ワゴンが0.30、セダンは0.28を達成。エアロダイナミクスもジマンである。
インテリアは「乗り込んだ瞬間に走り出したくなるクルマ」をテーマにデザイン。ラウンド形状でボリューム感のあるセンターコンソールがタイト感を醸しだし、ホールド性の優れたシートとあわせて“走りの雰囲気”を盛り上げる演出がなされた。

ワゴンづくりに長けたスバルだけに、ツーリングワゴンは荷室の使い勝手にもこだわりを見せる。先代と同様、大型のサムソナイト4つが収納できるスペースに加え、ホイールハウスの張り出しを抑えるなどの工夫がこらされた。一部グレードを除き、荷室に備わる電磁式スイッチにより、ワンタッチでリアシートがフォールディングできる機能が備わる。


等長等爆エグゾーストシステム(写真はNAエンジン用)
 

■等長エグゾースト

エンジンは、すべて2リッター水平対向4気筒。SOHC、DOHC、DOHCターボの3種類が用意される。すべてに等長エグゾーストシステムを採用し、排気効率を高めて全域でトルクを増大したという。

ベーシックなSOHC16バルブは、中低速トルクと環境性能を重視したエンジン。最高出力は、従来より3ps高い140ps/5600rpm、最大トルクは19.0kgm/4400rpmと変わらない。3種のエンジンで唯一「超-低排出ガス車」をパスする。

自然吸気のDOHC16バルブは、従来と同様に可変バルブタイミングシステム「AVCS」を搭載する。吸排気レイアウトの最適化や排気抵抗の少ないツインマフラーの採用により、2000rpm前後から上でフラットなトルク特性を実現したという。MT車に搭載されるエンジンは、従来より35psも高出力化された190ps/7100rpm(ATは180ps/6800rpm)。最大トルクは20.0kgm/4400rpm(ATも同じ)である。


2リッター水平対向4気筒DOHC16バルブターボ・インタークーラー付きエンジン。
 

スバルお得意のターボエンジンは、2ステージツインターボから、インプレッサで採用したツインスクロールシングルターボに変更されたことがニュースだ。軽量&高強度のチタンタービンを採用し、スロットルに対する高いレスポンスを実現したという。加えて、吸排気の両バルブを切り替える「デュアルAVCS」を搭載。280ps/6400rpm(ATは260ps/6000rpm)と35.0kgm/2400rpmのアウトプットを誇る。注目すべきは、最大トルク発生回転数が、従来の5000rpmに較べて半分以下であること。乗用域での使いやすさに加え、燃費も向上したという。


新開発の5段AT。ギアが1段増えただけでなく、油圧コントロールをダイレクト式としたことで、スムーズな変速を実現したという。
 

■新開発の5段AT

トランスミッションは、ターボ車に搭載される新開発の5段AT、そして4段AT、5段MTの3種が設定された。5段ATは変速比を細かくわけたクロスレシオとし、スムーズかつスポーティな走りを実現。5段MTは、操作系の剛性向上などによるシフトフィール向上が謳われる。ターボ車MT、ターボ車AT、NAのAT、NAのMT、4種類の異なるギア比が設定されたところに、スバルのこだわりが見える。


ATのシフトゲート。手前に見えるのが「Info-ECO」スイッチ。
 

ATは、5段、4段とも、DレンジとスポーティなSレンジに、シフトレバー操作でギアチェンジできるマニュアルモードを加えたもの。GT系は、ステアリングホイールにもシフトスイッチが備わる。レバーがDレンジに入っていても、一時的にマニュアルモードに切り替わるので、いつでもスポーティな走りを楽しめるという。Dレンジと、スポーティなSレンジで作動する、ペダル開閉速度やエンジン回転数、加速度などから最適なギアを判断する「アダプティブ制御」も進化し、ドライバーのイメージに沿った走りをサポートする。
また、すべてのAT車とMTのターボ車に、低燃費で走れる「Info-ECO」モードが搭載されたことも新しい。スイッチでECOモードをオンにすると、エンジン制御とATの変速、およびロックアップを最適化。燃費を向上するシステムだ。


新型のAWDイメージ。
 

■3種類のAWDシステム

駆動方式は、全車フルタイム4WD。新型レガシィの4WDは、4×4などの走破性を重視した4WDと差別化を図るべく、「Symmetrical AWD(All Wheel Drive)」と呼ぶようになった。エンジンとトランスミッションの組み合わせにより、3種類のAWDシステムが搭載される。
NAエンジンのAT車は、前後の駆動状況とエンジントルクをモニターし、前後輪に適切なトルク配分を行う「アクティブトルクAWD」。ターボのAT車には、前45:後55のトルク配分を走行状況に応じて変化させ、コーナリングや直進性を高める「VTD-AWD」。MT車は、ビスカスLSD付きセンターデフ方式となる。

サスペンションは、フロントがマクファーソンストラット、リアはマルチリンク式で、形式は先代と同じ。GT系は、サスペンションアーム類に鍛造アルミパーツを用いてバネ下重量を低減、おなじみのビルシュタインダンパーも新設計となった。
ブレーキは、新開発のタイロッド式タンデムブースターなどの採用により、ペダルを踏み込んだ時の高い剛性感や、リニアな制動力を実現したという。


ハイデッキと、スポイラーのようなリッド形状が特徴的なB4のリアビュー。
 

価格は、先代とほぼ同じに設定された嬉しいところだ。グレードごとの価格は、以下の通り。

・「レガシィ ツーリングワゴン」
2.0iカジュアルエディション(4AT):205.0万円
2.0i(4AT):218.0万円
2.0R(5MT/4AT):240.0万円/245.0万円
2.0GTカスタマイズエディション(5AT):270.0万円
2.0GT(5MT/5AT):288.0万円/295.0万円
2.0GT spec.B(5MT/5AT):303.0万円/310.0万円

・「レガシィ B4」
2.0i(4AT):203.0万円
2.0R(5MT/4AT):225.0万円/230.0万円
2.0GT(5MT/5AT):273.0万円/280.0万円
2.0GT spec.B(5MT/5AT):288.0万円/295.0万円

※「2.0iカジュアルエディション」と「2.0GTカスタマイズエディション」は受注生産となる。

(webCG 本諏訪)

スバル:
http://www.subaru.co.jp/

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