「ランドローバーG4チャレンジ」、現地リポート(その3)

2003.05.03 自動車ニュース
 

「ランドローバーG4チャレンジ」、現地リポート(その3)

“世界中を冒険する「究極のグローバルアドベンチャー」”として開催されている「ランドローバーG4チャレンジ」が、ついに最終競技に入った。
自動車ジャーナリストの金子浩久が、その模様を現地からリポートする。



 

■決勝戦は個人競技

1日を通して行われた「マキシマイザー」、3日間の「ハンター」と合計4日間の競技を終了した。「ランドローバーG4チャレンジ」も、いよいよ最終の「セパレーター」競技に入った。「セパレーター」とは決勝戦のことで、優勝者には新型レンジローバー1台が贈られる。

「セパレーター」は、昨日までと違ってチーム単位ではなく、ひとりずつで争われる。内容は、「ハンター」のように個別に分かれておらず、1度に8種類の競技を連続して行う。ディスカバリーで砂岩山のトライアル走行をし、累積タイム差毎にひとりずつスタートする。そして、アブセイリング(ロープでの垂直降下)、マウンテンバイク、カヤック、マトリックス走行(広大なグラウンドに49本のポールが立っており、指定された8本を見付けだし、マークして走る)、ランドローバーでの悪路走行、水中歩行、ジュモア(ロープでの垂直懸垂)を連続して行うのだ。
選手は全員が鍛え上げられたアスリートたちだが、やはりこれは苛酷極まりない。日陰のない炎天下の赤土と岩と砂と急流の上で戦わなければならないからだ。

16人の選手たちは、アラブ首長国連邦、オーストラリア、ベルギー、カナダ、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、日本、オランダ、ロシア、南アフリカ、スペイン、トルコ、イギリス、アメリカ合衆国の16カ国から参加してきている。
日本代表の吉本伸一さんは、音楽データの制作販売を行う会社を経営する社長だ。通信カラオケや携帯電話着信メロディのデータを扱うという、G4チャレンジやアドベンチャーレースとは直接関係のない仕事をしている。50日間の休みを取るのに、業務はスタッフにすべて任せてきた。



 

■選手の職業はさまざま

他の参加者も、吉本さんと同じように関係のない仕事をしている者もいれば、反対にどっぷりとアウトドアスポーツに浸かっている者もいる。
第2ステージで怪我を負って途中棄権したジム・クーンの代わりにカナダ代表として急遽途中からG4チャレンジに参加したキット・ストリンガー(予選で2位だった)などは、アウトドアスポーツショップを経営し、週末にはインストラクターを務めているほどだ。 トルコのジュネー・ガジグルーも、アウトドアスポーツクラブのマネージャーだし、オランダのエリック・デン・オーデンダマーは体育教師。スペインのイニーゴ・デ・ラーラなどは、フリーランスの船員。大型クルーザーのオーナーに雇われて船を操縦するスキッパーを、マジョルカ島でやっている。アラブ首長国連邦のクリス・ペリーも、マリンスポーツクラブのマネージャーだ。彼らは、プロとして日頃からアウトドアスポーツに慣れ親しんでいる連中だ。

スポーツではないが、身体を鍛えていることにかけては、ベルギーのルディ・ソーレンとアメリカのナンシー・オルソンも負けていない。ルディはベルギー空軍の戦闘機パイロット、ナンシーは女性海兵隊員だ。いずれも、もちろん現役。
オーストラリアのガイ・アンドリューはプロフィール表には“ビジネスマン”と記されているが、彼の国のアウトドアスポーツやアドベンチャーレースの世界では有名な人物らしく、一行が第3ラウンドのオーストラリア・シドニー空港に到着した時には多くのファンとメディアが出迎えたそうだ。

珍しいところでは、アイルランドのポール・マッカーシー。彼は、アイルランドのヴェントリーという村の石工だ。イタリアのアルベルタ・キアッパは、薬剤師。小柄な女性だが、エベレストにも登ったことがあり、「G4チャレンジではクライミングやアブセイリングなどの競技で得点を重ねたい」と言っていた。
同じように、船員のデ・ラーラはカヤックが得意なうえに地図の見方やGPSの扱い方にとても慣れていて、それが大きなアドバンテージになっていたと、第2ラウンドでチームを組んだ吉本さんは語っていた。


この日のヒーロー、オランダのエリック・デン・オーデンダマー。チームメイトの吉岡伸一を牽引して、MTB走行をする。2台をつなぐ、タイヤチューブが見える。
 

■“得意科目”を活かす

吉本さんによると、みんな人並み以上の体力を持ち、併せて何か“得意科目”を持っているのだという。吉本さん自身は4WDのドライビングが得意科目で、過去にマレーシアのボルネオサファリやレインフォレストチャレンジといったオフロードレースに出場している。

「エリックはMTBではなくて、ロードの自転車競技をしていますから、速いですよ」
オランダ代表のデン・オーデンダマーは、第4ラウンド初日のホワイトキャニオンでのランニングとMTBをゴールしたあと、すぐに今下りてきたばかりのトレイルを登り始めた。その場にいた者は一瞬呆気に取られたが、遅れている吉本さんを助けに行くためだ。ランニングやMTBのような個人競技の場合は、チームメイトを助けることも許されている。しばらくして下りてきたデン・オウデンダマーのMTBのフレームにはタイヤチューブが巻き付けられており、それは吉本さんが乗ったバイクのフレームに結び付けられていた。エリックが引っ張って走ってきたのだ。ここでのタイムはチームふたりの平均値としてポイント化されるから、こうしたチームプレイはとても有効だ。

「スリップストリームって、効きますね。エリックの後ろを走ると、ラクですもん」
(つづく)

(文=金子浩久/写真=ランドローバージャパン)

ランドローバーG4チャレンジ:
http://www.landroverg4challenge.com/

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