「ランドローバーG4チャレンジ」、現地リポート(その2)

2003.05.02 自動車ニュース

「ランドローバーG4チャレンジ」、現地リポート(その2)

“世界中を冒険する「究極のグローバルアドベンチャー」”として開催されている「ランドローバーG4チャレンジ」。
アメリカ西部(ラスベガス〜モアブ)で開催された最終ステージの模様を、自動車ジャーナリスト金子浩久がリポートする。

■6つの競技を1日で

3日間行われた「ハンター」と呼ばれるG4チャレンジの競技は、1日に6つ用意されている。
その日の朝7時30分にキャンプサイトの一角で競技内容の詳細が発表される。各チームは自分たちがどの順番で回るか、各競技を何番目にゴールできるかをボードに記し、それを大きなパネルに貼り付けて明らかにする。ここに、ハンター競技で高いポイントを得るミソが潜んでいるのだ。

たとえば、マウンテンバイクとランニングを組み合わせた30分の競技がA、カヤックがB、クライミングとランニングがC、ジュモア(ロープを使っての絶壁の垂直懸垂)とランニングがD、ランニング&ナビゲーティング(巨岩の上を、ひとりがディスカバリーを岩に当てないように運転し、ひとりがそれを導く)とランニングがE、アブセイリング(ロープでの垂直降下)とランニングとクライミング(岩登り)がFだったとする。
AからFまでの競技それぞれに、自分たちがゴールする順番を申告する。A3、B5、C1、D5、E2、F5といったように、だ。

AからFまでのセクションは、それぞれキャンプサイトから距離も方向もバラバラのところに位置しており、近いものでも50キロ、遠いものだと300キロ以上も離れている。
近いものには多くのチームが殺到するが、遠くはその限りではない。遠くのセクションを最初に目指せば他チームに邪魔されず、申告通りの順番でゴールする可能性が高い。しかし、他のセクションに戻っていては時間がなくなる。6つのうちいくつ行うかは自由だが、20時から20時30分までの間に次のキャンプサイトにたどり着けないと、その日のポイントはすべて無効になるのだ。

■体も頭も休まらない

ちなみに、キャンプサイトやセクションの位置はすべて緯度と経度で示され、地図とGPSを駆使して探しながら進まなければならない。ひとりがハンドルを握り、もうひとりがセクションを探す。それも、激しく体力を消耗したすぐあとに連続して行わなければならない。休憩しているヒマなどないのだ。筆者などは見ているだけでも疲れてしまった。

「ミニトライアスロンを毎日やっているようなもので、しんどいですよ。」
吉本さんもエリックも、ハァハァ、ゼーゼーいいながらゴールしてくるが、使った道具を慌ただしくルーフ上やトランクに収めると、すぐに飛び出していく。
これもまたややこしいのだが、各セクションのゴール順にポイントが決まるのではない。ゴールしたことには、等しいポイントが与えられる。それに加えられるのが「プレディクション」というボーナスポイントで、申告した順位通りにゴールできると、20ポイントが加算される。重要なのは、“いかに早く”ゴールするかではなく、“自分たちの計画通りに”ゴールするかなのだ。

■抜かれるのも“計画”

それは、キャンプサイトからセクションに到着する間でディスカバリーを速く走らせることで左右されることではなくて、地図とGPSでセクションを見付け、他チームの申告状況を鑑み、実際にセクションのスタートポイントに来て、他チームのゴール順(張り出されている)を見たりして決まる。ほとんどの場合は、スタートしてゴールまでの、短くて25分間、長くて小1時間のセクションを必死になって前に進まなければならない。
場合によっては、前を行くチームを抜けばプレディクションを得られるので頑張ることもあるし、それを知った他チームはそうさせまいと逃げに逃げる。逆に、後ろから来たチームに抜かせれば自分たちがプレディクションを取れることもあって、どこかで意図的に抜かしもする。

遮二無二走ったり、ペダルをこいだり、オールを回すことが大基本にあるのだが、大局観をもって戦略や駆け引きができなくてはアドバンテージを得られず、ポイントも増えない。その辺りが、まさに吉本さんが看破しながらも、克服することができなかったところなのだ。
(つづく)

(文=金子浩久/写真=ランドローバージャパン・金子浩久)

ランドローバーG4チャレンジ:
http://www.landroverg4challenge.com/

 

第4ステージでチームを組む、エリック・デン・オーデンダマー(左)と、吉岡伸一(右)。
 

ユタ州、キャニオンランドを移動中の参加車両。
 

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