第15回:時計はクルマより凄い!?(その1)

2003.04.30 エッセイ

第15回:時計はクルマより凄い!?(その1)

こないだ久々に『時計Begin』(世界文化社)編集部に行った。「時計中毒の人々」って連載をやらせてもらってるんでね。
で、改めて「時計ってスゲェな」と思った。なんちゅーか、技術が完全に“娯楽”のために費やされているわけよ。クルマはいまだに技術が「移動」とか「乗り心地」とか“実用”方面に使われているわけでしょ。肉体的快楽に使われている。それはほとんどそうで、ベンツだってロールズだってね。よっぽどマニアックな「TVR」なんかは別にして。

ところがどっこい最近の腕時計、特に機械式は凄い。全部がTVRみたいなもんなのだ。ほとんどの技術が“精神的快楽”のために使われている。具体的には「トゥールビヨン」(時計の向きによって生じる誤差を、機械的に解消する仕組み)とか「ミニッツリピーター」(現在の時間を機械的に発生させる音で知らせる)とかそういう複雑機構が、惜しげもなくヘンテコな凄い進化を遂げてどんどん搭載されている。
だいたい機械式時計というものが復活したこと自体、「時計は実用ではない」って認めたようなもの。実用だったらクオーツでいいに決まってんだからさ。要するに「時間を読む」行為を「完全娯楽」にしたわけです。娯楽として“認めた”っていうかなぁ。21世紀の訪れと前後して。

人間ってやっぱ面白い。つくづく「理性ではなく感情の生き物なんだ」と思いました。
ちなみに急遽、俺は5日から時計のバーゼルショーとジュネーブに行くことになりました。ノリとなりゆきでね。レポート送りたいと思うんでよろしく!(つづく)

(文=小沢コージ/2003年4月)


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わが自慢の連載「時計中毒の人々」。バカばっか登場しまっせ〜
わが自慢の連載「時計中毒の人々」。バカばっか登場しまっせ〜

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小沢 コージ

小沢 コージ

神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 ホームページ:『小沢コージでDON!』