【スペック】RX-8(5MT):全長×全幅×全高=4435×1770×1340mm/ホイールベース=2700mm/車重=1310kg/駆動方式=FR/水冷式直列654cc×2ローター(210ps/7200rpm、22.6kgm/5000rpm)/車両本体価格=240.0万円

マツダRX-8【試乗記(中編)】

ライドコンフォート
〜RX-8試乗報告(中編)
2003.04.12 試乗記 マツダRX-8(240.0-275.0万円) 復活したロータリースポーツ「マツダRX-8」。4シータースポーツの3つのグレードを、『webCG』記者が「ツインリンクもてぎ」で試乗した。

ファミリー用4シーターとしても

(前編からつづく)「マツダRX-8」に乗った。210psバージョンの5MT車で「ツインリンクもてぎ」を走った。「乗り心地のいいクルマだなぁ」と思った。おしまい。
……いえね、本コースのピットレーンから、「いよいよコースイン!」したら、途中、パイロンで仕切られた場所からコース外に誘導され、よくわからないままツインリンクもてぎの敷地内をゆるゆるとドライブし、再びコースに戻って気が付くとピットインしてたんですよ。試乗コース一周のなかに、一般道を模した区間が設けられていたわけ。
後ろのテスト車から出てきた、(やはり戸惑ったらしい)自動車ジャーナリストの斉藤慎輔さんと苦笑いを交わして、
「やたらスッ飛んでいったクルマがいましたなぁ」
「そうですなぁ」
とニヤニヤしたあと、お互い、なぜかしんみりした。
斉藤さんが、「マツダ、頑張ったと思いますよ」とポツリといって、リポーターの胸の奥も熱くなった。ホント、頑張ったと思います。

実車に乗る前は、もっとゲテモノっぽいクルマを想像していた。「観音開き」と「ロータリー」をウリにした、コンセプトが先走りしたような。
ところが実際にステアリングホイールを握ってみると−−量産車メーカーの製品として当たり前のことだが−−4座の実用車としてキッチリ成立していた。「RX-7」よりひとまわり半ほど大きくなり、かつ横腹に大きな開口部をもつセンターピラーレスボディは、しかし、「“曲げ”で1.7倍、“ねじり”で2倍のボディ剛性を実現した(いずれも「静的」)」と謳われる通り、しっかりしている。マツダいうところの、「フリースタイルドア」を採用したことによる言い訳は必要ない。
そのうえ、乗り心地が存外にイイ。サーキットでの試乗では、一般道以上に「乗り心地がよく」「足まわりが柔らかく」そして「パワーが足りなく」感じられるものだが、そのことを差し引いても、RX-8は、“ファミリー用4シーター”と思って乗っている同乗者に、何ら不満を感じさせないライドコンフォートを提供する、と思う。

街なかでは別の顔?

その日、試乗する機会がたくさん用意されていたので、別に焦る必要はなかったのだ。
RX-8のグレードは、210psの「RX-8」(5MT/4AT=いずれも240.0万円から)、同じく210psの4ATながら、本革内装、パワーシート、BOSEサウンドシステム、アンチスピンデバイス「DSC」やLSDなどが奢られた「RX-8 TypeE」(275.0万円から)、そして6MTを備えた250ps版「RX-8 TypeS」(275.0万円から)がカタログに載る。

210ps「RX-8」(5MT)の内装は、黒のファブリック。スポーティなバケットタイプのそれは、やんわりソフトで、ドライバーを優しく支える。タコメーターを中央に配した3連メーター、黒基調のインパネまわりと、インテリアは“スポーティ”の定石通り。全体の質感は、値段相応といったところか。ローターをイメージした三角形のシフトノブがほほえましい。テスト車は、日常の使い勝手をアピールするためか、インパネ中央の上面にポップアップするDVDナビゲーションシステム(21.8万円)が装着されていた。

今回の試乗会で最も不利だったのが、いうまでもなくAT仕様車である。トランスミッションはコンベンショナルな4段。シフターを前後に動かすことでシフトできるシーケンシャルモードを備え、また、ステアリングのシフトスイッチでもギアを変えられる。ダウンはスポーク上部のボタンをプッシュ、アップは下部のレバーを引く。BMW同様、減速および加速時の体の動きに考慮された。
レースコースに持ち込むと、さすがにカッタルイ。MTモデルだと8500rpmを超えてひっぱれる654ccの2ロータリーだが、AT車では8000手前でシフトアップしてしまう。なによりパワーソースとの一体感で、マニュアルモデルに一歩譲る。コーナーからコーナーを目指しながら、20kgほど増えた1330kgの車重以上に、クルマが重く感じられた。
しかし、それはサーキットという特殊なシチュエーションでのこと。街なかでは別の顔を見せるに違いない。4シータースポーツとして販売面で重要な役割を演ずる(予定の)オートマRX-8、公道でのインプレッションやいかに? 後日、報告します。(つづく)

(文=webCGアオキ/写真=荒川正幸/マツダ/2003年4月)

・マツダRX-8【短評(前編)】
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000013077.html
・マツダRX-8【短評(後編)】
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000013097.html

 

室内を縦断するセンタートンネルが“スポーツ”を暗示する。ここには、「ハイマウントバックボーンフレーム」が通り、前後のメインフレームを結んでいる。RX-8は、太い背骨をもつわけだ。

室内を縦断するセンタートンネルが“スポーツ”を暗示する。ここには、「ハイマウントバックボーンフレーム」が通り、前後のメインフレームを結んでいる。RX-8は、太い背骨をもつわけだ。
【スペック】
RX-8(4AT):全長×全幅×全高=4435×1770×1340mm/ホイールベース=2700mm/車重=1330kg/駆動方式=FR/水冷式直列654cc×2ローター(210ps/7200rpm、22.6kgm/5000rpm)/車両本体価格=240.0万円

【スペック】
    RX-8(4AT):全長×全幅×全高=4435×1770×1340mm/ホイールベース=2700mm/車重=1330kg/駆動方式=FR/水冷式直列654cc×2ローター(210ps/7200rpm、22.6kgm/5000rpm)/車両本体価格=240.0万円
「ストイックな旧来のスポーツカーテイストではなく、“コンフォータブリータイト(心地よい包まれ感)”を基本テーマにした」(プレスインフォメーション)というインテリア。とはいえ、そこはスポーツカーに関して一家言あるマツダのこと。じゅうぶん“スポーツカーテイスト”だ。凝った造形のサイドブレーキが、ちゃんとセンタートンネルの右側についている。

「ストイックな旧来のスポーツカーテイストではなく、“コンフォータブリータイト(心地よい包まれ感)”を基本テーマにした」(プレスインフォメーション)というインテリア。とはいえ、そこはスポーツカーに関して一家言あるマツダのこと。じゅうぶん“スポーツカーテイスト”だ。凝った造形のサイドブレーキが、ちゃんとセンタートンネルの右側についている。
ステアリングスポーク上部と裏側のボタン&パドルでギアを変えられる「アクティブマチック」。実際には、パドルの手前に、オーディオコントロールスイッチを備えたスポークが左右に横切る。

ステアリングスポーク上部と裏側のボタン&パドルでギアを変えられる「アクティブマチック」。実際には、パドルの手前に、オーディオコントロールスイッチを備えたスポークが左右に横切る。


マツダRX-8【試乗記(中編)】の画像
関連記事
  • マツダRX-8 SPIRIT R(FR/6MT)【試乗記】 2012.5.1 試乗記 マツダRX-8 SPIRIT R(FR/6MT)
    ……325万円

    2012年6月に生産中止される「RX-8」。最後の特別仕様車「SPIRIT R(スピリットアール)」に乗り、RX-8の、そしてロータリーエンジンの来し方に思いをめぐらせた。
  • マツダRX-8 タイプS(FR/6MT)【試乗記】 2012.1.17 試乗記 マツダRX-8 タイプS(FR/6MT)
    ……327万750円

    「RX-8」の生産を2012年6月で終了すると、マツダが発表したのは昨年秋のこと。ロータリースポーツの到達点を記憶するために、最後の「タイプS」で箱根を目指した。
  • マツダRX-8 Type S(FR/6MT)【ブリーフテスト】 2008.6.19 試乗記 ……327万750円
    総合評価……★★★

    2008年3月に大がかりなマイナーチェンジをうけ、生まれ変わった「RX-8」。外観のみならず、中身にも大幅に手が入った新型に試乗した。
  • ポルシェ911 GT3(RR/7AT)/911 GT3(RR/6MT)【試乗記】 2017.5.22 試乗記 ピュアなレーシングカーである「ポルシェ911 GT3カップ」譲りの4リッター水平対向6気筒エンジンを得て、一段とサーキットに近い成り立ちとなった新型「911 GT3」。その実力を南スペインで試した。
  • アウディA5クーペ2.0 TFSIクワトロ スポーツ(7AT/4WD)【試乗記】 2017.5.24 試乗記 流麗なスタイルが自慢の「アウディA5クーペ」が、9年ぶりにフルモデルチェンジ。新型はどんなクルマに仕上がったのか、2リッターの4WDモデル「2.0 TFSIクワトロ スポーツ」に試乗して確かめた。
  • ケータハム・セブン スプリント(FR/5MT)【試乗記】 2017.5.1 試乗記 「ロータス・セブン」の魅力を今日に伝える「ケータハム・セブン」に、“オリジナル・セブン”の誕生60周年を祝う限定モデル「セブン スプリント」が登場。クラシカルなデザインとプリミティブな走りがかなえる唯一無二の魅力に触れた。
  • マツダ、「RX-8」最後の特別仕様車を増産 2012.4.26 自動車ニュース マツダは2012年4月26日、2011年11月に発売した「マツダ RX-8」の特別仕様車「SPIRIT R」を、当初予定していた1000台に加え、さらに1000台を追加生産すると発表した。
  • 最高出力460psの限定車「BMW M4 CS」発売 2017.5.10 自動車ニュース BMWジャパンは2017年5月10日、上海モーターショーでデビューした高性能モデル「BMW M4 CS」の日本導入を発表。同日、60台限定で受注を開始した。納車時期は、同年の秋以降になる見込み。
  • BMW、「M3」と「M4」をマイナーチェンジ 2017.5.9 自動車ニュース BMWジャパンは2017年5月9日、「M3」と「M4」のマイナーチェンジモデルを発表し、同日発売した。また今回の一部改良に合わせて、走行性能を高めた仕様「M3コンペティション」と「M4コンペティション」を追加設定した。
  • 第501回:あなたの愛車も文化遺産に!?
    ドイツでヒストリックカーに“モテ期”到来!
    2017.5.12 マッキナ あらモーダ! 「ポルシェ911カレラ2.7RS」が1億円!? ヒストリックカーの価格が高騰するドイツでは、良質な旧車を文化遺産として保護するためのシステムも存在する。今週は、そんな“Hナンバー”に関する話題をお届けしよう。
ホームへ戻る