ジャガーの旗艦「XJ」がフルモデルチェンジ

2003.04.03 自動車ニュース
 

ジャガーの旗艦「XJ」がフルモデルチェンジ

2003年4月2日、ジャガーのトップモデル「XJ」シリーズのニューモデル発表会が、東京都内のホテルで開かれた。同日に先行予約を開始し、5月31日に発売する。


「XJシリーズIがデビューした1968年に較べると、現代人は体格もよくなり、クルマを様々な目的に使うようになった」と語るのは、ジャガーカーズ、XJチーフプログラムエンジニアのデービッド・スコールズ氏。ボディサイズの拡大と走行性能を両立するにあたり、アルミボディは必須だったという。最上の写真は、アルミボディであることを示すため、塗装されていない
 

■伝統と性能の両立

「新型XJは、ジャガーのラグジュアリーサルーンにおける技術の集大成。高級サルーンの定義を塗り替えるモデルです。」
ジャガージャパンのデービッド・ブルーム社長は、7代目となるジャガーの旗艦「XJ」をこう評した。
XJシリーズといえば、うねりのあるボンネット、低く長いボディといった伝統的なスタイリングをもつ高級セダンである。しかし、低いルーフが居住性を圧迫し、また大柄なボディが燃費を悪くするなど、いくつかの欠点があった。
それらを克服すべく、新型では、軽量なアルミモノコックボディを採用。伝統的なデザインと、高い居住性、走行性能や低燃費など、現代のクルマに求められる要素を両立した、と謳われる。


デザインは、長く、低く見える伝統のフォルムを継承。同時に居住性を高めるため、ショルダーラインを高く、サイドウィンドウグラフィックを狭くとるなどの工夫がこらされた
 

日本に導入されるのは4車種。3.5リッターV8を積む「XJ8」、4.2リッターV8搭載の「XJ8 4.2」、スーパーチャージャー付き4.2リッターV8のスポーティグレード「XJR」と、同エンジンを積むもっともラクシャリーな「SuperV8」だ。トランスミッションは、すべてZF製6段ATが組み合わされる。
価格は、エントリーモデルたる「XJ8」を833.0万円に設定。これは、BMW「735i」(830.0万円)、メルセデスベンツ「S350」(840.0万円)を意識した、戦略的な値付けである。

ちなみに本国には、3リッターV6を積む「XJ6」も用意されるが、今回は導入が見送られた。また、V12エンジンや、ロングホイールベース版の予定は、今のところないという。


先代比25%拡大され、ラゲッジルームの容量は470リッターとなった
 

■目玉はアルミボディ

ニューXJの技術的ハイライトは、重いスチールスペースフレームを捨て、軽量なアルミモノコックボディを採用したこと。そのボディサイズは、全長×全幅×全高=5090(+65)×1900(+100)×1450(+90)mm、ホイールベースは3035(+165)mm(カッコ内は旧型との比較)。旧型よりひとまわり以上大きい体躯ながら、重量を40%低減、剛性は60%高められ、走行性能と燃費はもちろん、快適性や衝突安全性も向上したという。
スペース効率のよいモノコック構造は、高い居住性に寄与。先代に較べてキャビンスペースが40%、荷室容量は407リッターから470リッターに拡大され、ゴルフバッグが4個積める実用性を備える。


Aピラー部分の写真。一般的にはスポット溶接を用いるが、新型XJはリベット接合される
 

軽量&高剛性のアルミボディだが、高いコストや修繕の難しさから、一部の高級車にしか用いられていなかった。新型XJでは、溶接の替わりにリベット接合と接着剤を組み合わせて接合する、航空宇宙産業の技術を応用し、リペアコストの低いアルミボディをつくりあげることに成功した。(より詳しい解説は、自動車ジャーナリスト笹目二朗氏の海外試乗記<http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000012925.html>を参照されたし)


スポーティ版「XJR」と、トップグレード「SuperV8」に搭載される、4.2リッターV8スーパーチャージャー付きエンジンは、406psのアウトプットを誇る。ちなみに、XJRのみスポーツサスペンションが装着される
 

■多彩な電子制御

エンジンは3種類。3.5リッターV8(267ps/6250rpm、34.6kgm/4200rpm)、4.2リッターV8(304ps/6000rpm、43.0kgm/4100rpm)、スーパーチャージャー付き4.2リッターV8(406ps/6100rpm、56.4kgm/3500rpm)をラインナップする。ZF製の6段ATは、親会社フォードとの初めての共作「Sタイプ」で採用したもの。2〜5のシフトレンジを電子制御化、短いストロークとスムーズな作動フィールが謳われる。

サスペンションは、前後ともダブルウィッシュボーン式。全車に、荷重変化に応じてバネレートを制御するエアサスペンションを装着する。さらに、「CATS」(コンピューター・アクティブ・テクノロジー・サスペンション)と呼ばれる、電子制御アダプティブダンピングシステムを採用。優れた操縦性と快適性を実現したという。



 

快適装備が充実しているのは言わずもがな。シートは16ウェイ電動パワーシート(前席)、メモリー機能がステアリングホイールとペダル位置を記憶し、スイッチひとつで適切な運転姿勢がとれる。「Sタイプ」に採用された「エレクトロニック・パーキングブレーキ」や、DVDナビゲーションシステムなどは、もちろん標準装備だ。
安全装備は、車両安定性を高めるDSCやトラクションコントロールをはじめ、前席フロント&サイドエアバッグ、前後カーテンエアバッグを装着。さらに、乗員の有無や体重、ステアリングホイールとの位置関係などをモニターし、衝突安全システムを制御する「A.R.T.S.」(アダプティブ・レストレイント・テクノロジー・システム)が、全車に備わる。



 

新型XJシリーズの価格は、以下の通り。

XJ8:833.0万円
XJ8 4.2:993.0万円
XJR:1193.0万円
SuperV8:1253.0万円

(webCGオオサワ)

「ジャガージャパン」:
http://www.jaguar.com/jp/

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