「ルポGTIカップ」の練習を自宅で(!?)

2003.04.01 自動車ニュース
 

「ルポGTIカップ」の練習を自宅で(!?)

フォルクスワーゲングループジャパン(VGJ)と(株)ポリフォニーデジタルは、2003年5月から開催されるワンメイクレース「ルポGTIカップ」を素材にしたドライビングシミュレーター「グランツーリスモ・ルポカップ・トレーニングバージョン」の制作に合意したことを、2003年3月31日に発表した。


【写真上】ルポGTIカップカー
【写真下】(株)ポリフォニーデジタルの山内一典プレジデント
 

■バーチャルでレースの練習

ゲームでレースの練習ができるようになるかもしれない・・・。VGJが、プレイステーションの大ヒット自動車ゲーム「グランツーリスモ」(通称GT)シリーズを制作したポリフォニーデジタルとコラボレーションし、2003年5月から始まるナンバー付き車両のワンメイクレース「ルポGTIカップ」を題材にしたドライビングシミュレーター「グランツーリスモ・ルポカップ・トレーニングバージョン」を制作。その発表会が、2003年3月31日に行われた。


VGJ広報部の小島誠部長。大型サルーン「フェートン」やSUV「トゥアレグ」の投入で、フルラインメーカーへの転換を図るVWは、現在“エモーショナル”をキーワードにしたブランドイメージを訴求している。レース活動への参加は、その一環だ
 

「グランツーリスモ・ルポカップ・トレーニングバージョン」は、その名の通り、ルポGTIカップカーの練習用ソフトウェア。ルポGTIカップ・クラブマンクラスの参戦者を対象に、ドライビングスキル向上を目的につくられたドライビングシミュレーターである。市販のGTシリーズとは違い、トレーニングバージョンの登場車種は「ルポGTIカップカー」のみ。コースは第1戦の舞台、筑波サーキットを収録した。残念ながら店頭販売の予定はなく、ルポカップ参戦者に配布されるのみ。VWディーラーでの“試乗”予定もない。


ズラリとならんだ「グランツーリスモ・ルポカップ・トレーニングバージョン」。発表会当日の朝まで開発が続けられていたという
 

■進化したシミュレーション技術

ことの発端は、ポリフォニーデジタルの山内一典プレジデントが、自ら「ニュービートルカップカー」で富士スピードウェイ(FISCO)を走ったときのこと。現実のFISCOを走った経験はほとんどなかったにも関わらず、“バーチャル空間”のFISCO、すなわち、ゲームで走り込んだことがあり、かなりのハイペースでラップできたという。ゲームでの走り込みが現実に生かせるなら…と開発されたのが、今回のシミュレーターである。


走行を分析するモードの画面イメージ
 

従来のGTシリーズは、シミュレーターとしての精度は低く、ゲームと現実のラップタイムに誤差があった。しかし、2003年末に発売予定の「グランツーリスモ4」を開発中、新技術の投入でラップタイムシミュレーションができるレベルに到達。今回のソフトウェアは、実車によるサーキット走行データと較べても、リアルな走行状態を再現したと謳われる。“バーチャル筑波サーキット”を走り込んだ前述の山内氏によれば、「ゲームと現実の筑波サーキットを走り較べた結果、ゲームと現実の誤差は1秒未満」に収まった。



 

■養うのは“身体感覚”

ただし、シミュレーターといっても、「ブレーキングポイントやコーナリングスピードを“煮詰める”ためのものではない」と、山内氏は語る。道幅などが一般道よりはるかに広いサーキットを走り慣れない人は、ブレーキの場所やコーナーの曲率、正しいライン取りなどを把握するのが難しい。そこでシミュレーターで走り込み、コースレイアウトやライン取り、サーキットでの身体感覚を養う、というわけだ。
ソフトウェアには、「リプレイモード」と、ステアリング切れ角やアクセル&ブレーキ開度をグラフ化して表す「データロガー」が備わり、自分の走りを客観的に分析することができるのも大きな特徴だ。

山内氏によれば、車両データを入力すれば、「車種の追加は簡単です」とのこと。このソフトウェアが実際のレースに役立つことが認められれば、サーキット走行練習にかかる費用を削減することが期待できる。GTシリーズで練習するドライバーが、あらわれる日がくるかもしれない。

(webCGオオサワ)

「フォルクスワーゲン」:
http://www.volkswagen.co.jp/

「ポリフォニーデジタル」:
http://www.polyphony.co.jp/

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