Fニッポンテストに集まったF3チャンプたち

2003.02.19 自動車ニュース

Fニッポンテストに集まったF3チャンプたち

2003年2月15、16日に行われたフォーミュラニッポンの公式合同テスト。舞台の山口県セントラルパークMINEサーキットには、各国の新旧F3チャンピオン5人が顔をそろえた。
そのメンツは、2001年仏F3チャンピオンで翌年BARホンダのテストドライバーを務めた福田良、2002年全日本F3チャンピオンの小暮卓史、同年イギリスF3でタイトルを獲ったロビー・カー。そしてフォーミュラニッポン2年目を迎えるメンバーとして、2001年に全日本F3選手権を制したブノワ・トレルイエと、同年ドイツF3の王者となった金石年弘。さらに上のカテゴリーを目指す若きドライバーたちを追った。

■潜在能力の片鱗

2002年、全日本F3タイトル、そしてマカオF3 GP3位というリザルトを残し、国内最高峰フォーミュラにステップアップした小暮卓史は、チャンピオンチーム、PIAA NAKAJIMAからエントリーする。今回のテストでは、初日の第1セッションから好タイムをマークし、潜在能力の片鱗を見せた。しかし、2日目の最後のセッションでスピンしコースアウト。「ニュータイヤの使い方が、まだよくわかっていないようです」(本人)と、ルーキーゆえの経験不足も露呈した。

■慎重なドライバー

チーム残留が確定していたラルフ・ファーマンが、急遽ジョーダンからF1参戦となったため、その代わりを探さなければならなくなったPIAA NAKAJIMAは、2002年英国F3チャンピオンのロビー・カーを招き、テストした。中嶋悟監督は、「慎重なドライバーだと思うよ。最初からいいところ見せてやろうというところがないし、自分のペースで吸収しているという感じかな」と評価。「彼で決まりですか」の問いには、「こちらだけでは決められませんよ。彼が嫌だって、帰ってしまうかもしれない。なんといってもイギリスF3のチャンピンですから」。
当のカーは「まだ決めていないよ。でもマシンは本当にいい感じだ」と話していた。

もしカーに決定した場合、PIAA NAKAJIMAは経験のない新人2人を起用することになる。不安はないかという問いに、中嶋監督は「それはない、楽しみじゃないですか。ワクワクしますよ」と笑顔で語った。

■とにかく楽しくてうれしかった

福田良は、国内レース参戦に意欲を見せ、5ZIGENでシート獲得のためテストに挑んだ。1日目午前中の初ドライブでは、1分16秒870で10番手(1日目総合では15番手、2日間の総合で16番手)。気合が入ったドライブの結果か、シフト操作をした右手にはマメができていた。
「フォーミュラを走らせることが、とにかく楽しくてうれしかった」というのが初ドライブの感想。日本でレースをすることについては、「目標はF1というのは変わりません。ヨーロッパではなく、日本でのレースすることは遠まわりになると助言する人が多いが、それは違う。ヨーロッパでもスポンサー獲得など困難なことが多い。F1に乗れるときが来たら自然に乗れるようになると思っている。遠まわりであっても、その間に自分が得られるものがきっとあると信じている」と前向きな気持ちを語ってくれた。

■世界から日本へ、そして日本から世界へ

仏ルマン出身のブノワ・トレルイエ(IMPUL)は安定した走行をみせ、初日の好コンディション下ではチームメイトの本山哲に次ぐ2番手タイム、それも1/1000秒差という僅差で迫った。翌日のセッションでも土屋武士に続く2番手のタイムを記録した。

「世界から日本へ、そして日本から世界へ」という流れが、スタンダードになり得るのか? 世界の舞台で戦い、勝利を知っている若者たちが見せる走りに期待が集まる。また迎え撃つ国内勢とて、だまってはいられない。

ジョーダンからF1参戦が決まったラルフ・ファーマンも英F3チャンピオンから日本へ渡った経歴をもつ。フォーミュラニッポンのチャンピオン獲得が、F1への道を切り開いた主要素ではないかもしれないが、ひとつの評価基準にはなったはずだ。彼のパフォーマンス次第では、世界がフォーミュラニッポンに注ぐ視線も変わってくるかもしれない。
今年、フォーミュラニッポンにとって飛躍が期待できる年なのかもしれない。

(文&写真=KLM Photographics J)


佐藤琢磨と同じ英F3でタイトルを獲得した、ロビー・カー。フォーミュラニッポンへの参戦は未定だが、世界の有望な若手ドライバーが日本のトップフォーミュラに興味を示していることは意義のあることだろう

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