2003年のFニッポン、本格始動

2003.02.18 自動車ニュース

2003年のFニッポン、本格始動

鈴鹿サーキットでの2003年シーズン開幕戦を3月26日に控えた全日本選手権フォーミュラニッポンは、2003年2月15、16日の両日、山口県はセントラルパークMINEサーキットで公式合同テストを開催した。10チーム、17台、18名が参加し、2日間で計8時間のテスト走行をこなした。

■TEAM IMPULが1−2位

2002年のチャンピオン、ラルフ・ファーマンがF1ジョーダンチームへ電撃移籍。2003年シーズンは、王者不在で幕を開けることになる。
2日間の公式テストで総合トップタイム、1分14秒152を叩き出したのは、昨年最多勝利をあげつつファーマンにタイトルを奪われた本山哲。今シーズンから本山のチームメイトとなるブノワ・トレルイエが、わずか1/1000秒差で2番手につけ、TEAM IMPULは1−2位を独占した。
3番手には、2002年最多ポールポジション獲得ドライバーの土屋武士が1分14秒711で続いた。

■レイナードからローラへ

今シーズンから、「レイナード」の名前が消え、全チームが英国ローラ社製のシャシー「ローラB351」を使用。コンポーネンツはJRP(日本レースプロモーション)から3年契約のリースで供給されることになった。レイナードといえば、1999年からシリーズに導入され、2002年には全チームがユーザーとなったが、同社の倒産により安定した供給が危ぶまれたため切り替えられた。

今回の公式合同テストは、各チームにとって、ローラシャシーの事実上のシェイクダウンとなる。
1日目の午前中は、各チームともローラB351の基本セッティングで走りこみ、マシンの感触を確かめたり、データ収集に努めた。その中で、本山はひとり1分14秒台を17周目にマークしトップに。昨年全日本F3で久々の日本人チャンピオンとなった小暮卓史(PIAA NAKAJIMA)が14周目に1分15秒212を記録し2番手につけ、逸材ぶりをうかがわせた。

午後からは、午前中に得たデータを元にセッティングを徐々に変更。走行17台中、上位6名が14秒台、13番手までが15秒台を記録した。トップは1分14秒153で本山、2番手にトレルイエ、3番手土屋。このセッションのタイムが総合のトップ6のタイムとなった。

■波乱の2日目

2日目は、前日夜半からの雨のためセッション開始時刻は1時間遅れた。雨はやんだものの路面はウエット状態。1時間ほど経過したころ、オイルがコース全周に確認され赤旗中断、コースの清掃のためセッションは打ち切られた。このため残りは、午後の1時間半ずつ2回のセッションにもち越された。

気温が低く、路面コンディションも前日より良くなかったためか、前日上位を占めたドライバーのタイムアップは少なかったが、トップ10では小暮、金石年弘(LeMan)が前日のタイムを更新した。2日目のトップは土屋、2番手トレルイエ、3番手小暮の順。
最終セッション残り約10分、シケインで小暮がコースアウトした際にマシンの底を縁石で強打、トランスミッションケースを破損しオイルがコース上に出て、テストは終了を迎えた。

同じころに道上龍(5ZIGEN)のフロントウィングがメインストレートで脱落。フロントタイヤがパーツを踏みバースト、1コーナーのグラベルにマシンを止めた。幸い大事には至らなかったものの、ひやっとした出来事だった。
原因は、ウィングを固定するボルト4本すべてが折れたため。5ZIGENの6号車でも、4本のボルトのうち1本が折れていたのが確認された。他のチームでもボルトが折れていたり、緩んでいたとの報告もあり、強度などを検証する必要がありそうだ。

■“魅せる力”を得られるか

F1同様、フォーミュラニッポンにおいても、レースを“ショウ”として盛り上げる試行錯誤が続いている。今シーズンは、マシンの変更とあわせて、様々な取り組みや試みが採用された。
発表されている内容は、金曜日に1時間、2回の練習走行、予選システムの変更、燃料補給の導入など。給油とタイヤ交換は義務化されていない。しかし、燃料タンク容量がまだ決定されておらず、現時点でもまだ検討課題が残っており、3月12日には確定した内容が明らかになる予定という。
テスト期間中に会見を開いた田中亮介JRP社長は、「見に来てくださるお客様がどういう方式を望んでおられるのか、様々なご意見、ご要望を受け、わかりやすく楽しんでいただけるレースになるよう、取り組んでいきたい」と、人気回復にのぞむ意向を表明した。

例えば、「エグゾースト音」に関しては、エンジンは同じ「無限MF308」ではあるが、レイナードとローラで排気系の取り回しが変更されたことにより、排気音のトーンが上がり、より刺激的な音質に変化しているという。駆動系が発していると思われる音との相乗効果も考えられ、昨年までとは違った雰囲気をかもし出すのでは、と期待がかけられている。

なお新予選システムは、第3戦から導入される可能性が高い。申請などの関係上、少なくとも開幕戦の鈴鹿と第2戦富士では、従来通りの方式で開催されることが決まっているからだ。

開幕前までの公式合同テストは、3月1、2日の富士スピードウェイ、3月6、7日の鈴鹿サーキットが予定されている。

■第1回公式合同テスト(総合)

1 No.19 本山 哲(TEAM IMPUL) 1'14.152
2 No.20 ブノワ・トレルイエ(TEAM IMPUL)1'14.153
3 No.8 土屋 武士(Team LeMans) 1'14.711
4 No.40 リチャード・ライアン(DoCoMo DANDELION) 1'14.766
5 No.5 道上 龍(5ZIGEN) 1'14.781
6 No.4 ドミニク・シュワガー(Olympic KONDO) 1'14.890
7 No.1 小暮 卓史(PIAA NAKAJIMA) 1'15.036
8 No.7 金石 年弘(Team LeMans) 1'15.056
9 No.3 立川 祐路8Olympic KONDO) 1'15.237
10 No.28 野田 英樹(CARROZZERIA Team MOHN) 1'15.390
11 No.11 松田 次生(COSMO OIL CERUMO) 1'15.462
12 No.22 脇阪 寿一(TEAM 22) 1'15.550
13 No.6 光貞 秀俊(5ZIGEN) 1'15.599
14 No.2 ロビー・カー(PIAA NAKAJIMA) 1'15.633
15 No.41 服部 尚貴(DoCoMo DANDELION) 1'15.954
16 No.9 黒澤 治樹(TEAM NOVA) 1'16.447
17 No.6 福田 良(5ZIGEN) 1'16.870
18 No.10 藤澤 哲也(TEAM NOVA) 1'17.436

(文&写真=KLM Photographics J)


チャンピオンナンバー「1」をつけてフォーミュラニッポンにチャレンジする、ルーキー小暮卓史。チャンピオンチーム、PIAA NAKAJIMAからのエントリー


フロントウィングが脱落し、あわやの惨事になりかねなかった、道上龍(5ZIGEN)のマシンのフロントノーズ、ウィング取り付け部。4本のボルトがすべて折れていた


2002年英国F3チャンピオンのロビー・カー。フォーミュラニッポン参戦は今のところ正式には決まっていないようだ

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