トヨタ、7人乗りのピープルムーバー「ウィッシュ」を発表

2003.01.21 自動車ニュース

トヨタ、7人乗りのピープルムーバー「ウィッシュ」を発表

トヨタ自動車は、5ナンバーサイズで3列シート7人乗りのピープルムーバー「ウィッシュ(WISH)」を、2003年1月20日に発表、同日販売を開始した。

■「多くの人の“願い”に応える」

コンパクトなボディに3列シートを配し7人乗りとした「ウィッシュ」は、多人数乗車や多彩なシートアレンジなどのユーティリティ性に加え、モノフォルムデザインや、優れた運動性能によるセダンのような走りをウリとする新型ワゴン。2002年秋の東京モーターショー(商用車)に参考出品されたことは記憶に新しい。
テーマは「WISH COMES TRUE」(多くの人の願いに応える)。ネーミングもこれに由来する。

中型セダン「プレミオ/アリオン」のプラットフォームを延長し、1.8リッター「1ZZ-FE」エンジンと電子制御4段AT「Super ECT」を搭載。駆動方式は、FF(前輪駆動)と4WDの2種類が用意される。価格は、158.8万円から214.8万円まで。月販7000台を目指す。

コンパクトな乗用車感覚の7人乗りといえば、スポーティ&スタイリッシュを謳い、2000年10月にデビューしたホンダのヒットモデル「ストリーム」が最大のライバル。ほかに、スバル「トラヴィック」ともパイを奪い合うことになるだろう。

ボディサイズは、全長×全幅×全高=4550×1695×1590(4WDは1600)mm、ホイールベースは、プレミオ/アリオンより50mm長い2750mm。ストリームと較べると、ホイールベースが30mm長いだけだが、これは両モデルとも5ナンバーサイズに納めることを考慮したためだろう。

■キャブフォワード&モノフォルム

エクステリアデザインは、キャブフォワードのパッケージを活かしたモノフォルムボディが特徴。高めに設定されたショルダーライン、縦目の4灯式ヘッドランプやクルマの4隅に配したタイヤの踏ん張り感で、スポーティさを演出。リアコンビネーションランプは大型とし、ワイド感を表現したという。
ちなみに、ウィッシュのテールランプはLED。コストが高く、従来は高級車にしか使われなかった。トヨタ自動車の吉田健チーフエンジニアは採用の理由について、「プラットフォームや部品を他モデルと共用できることにより、コストダウンを図ることができた。LEDは高輝度&単色光で視認性が良く、消費電力が少ないため燃費向上に寄与するから」と、説明する。

インテリアは、円筒形のメーターフードに収まる3連メーター、ゲート式のインパネシフトなどにより、コックピットのような空間の演出が謳われる。インストルメントパネルやセンタークラスターは、金属調パネル(Sパッケージはカーボン調)でアクセントが加えられた。

ロングホイールベースと3列シート&アレンジによる、用途に応じた高いユーティリティ性はジマンのひとつ。195mmのスライド機構を持つセカンドシートは、左右分割式(2列目6:4、3列目5:5)で、座面跳ね上げ式のダブルフォールディングが可能。サードシートは、シートバックを倒す操作に連動して座面が沈み込む仕組みだ。各シートを適宜格納することで、フラットな荷室ができあがる。7人乗車時の荷室容量は144リッターだが、5人なら470リッター(いずれもVDA方式)で、ゴルフバッグを4つ積めるという。2列目をフォールディングし、助手席シートバックを前に倒せば、最大2790mmもの長尺物も運べる。

■足まわりは硬め

エンジンは、1.8リッター直4 DOHC 16バルブ。132ps(4WDは125ps)の最高出力と、17.3kgm(同16.4kgm)の最大トルクを発生する。トランスミッションは電子制御4段AT「Super ECT」だ。
全車、「平成12年度基準排出ガス75%低減レベル(超ー低排出ガス)」をクリア。FF車は平成22年燃費基準もクリアし、減税措置を受けることができる。

サスペンションは、フロントがマクファーソンストラット、リアはトーションビーム(4WDはダブルウィッシュボーン)で、前後にスタビライザーを装着する。プレミオ/アリオンと形式は同じだが、リアホイールハウスの張り出しを小さくするため、リアサスペンションの取り付け位置を下げ、さらに長さが約50mm縮小された。ストロークが少なくなるデメリットはあるが、多人数乗車、荷物の積載に対応できることに加え、高い車高によるロール時の不安定を抑制する狙いがあるという。さらに、説明員氏によれば「スポーティな走りを実現するため、足まわりは全体的に硬く設定しました」とのことだ。

グレードは「X」1種類だが、廉価版の「Eパッケージ」(FFのみ)と、豪華装備の「Sパッケージ」(FFと4WD)が設定される。価格は以下の通り。

「ウィッシュ」
X Eパッケージ(FF):158.8万円
X(FF):168.8万円
X(4WD):193.8万円
X Sパッケージ(FF):189.8万円
X Sパッケージ (4WD):214.8万円

なお、下肢に障害のある方の乗り降りや運転に配慮した「ウェルキャブ」仕様も同時にリリースされた。

(webCGオオサワ)

「トヨタ自動車」:
http://www.toyota.co.jp/

 

トヨタ自動車の張富士夫社長
 

ウィッシュの廉価グレード「X Eパッケージ」はラジオレス(2スピーカー付き)。上級グレード「X Sパッケージ」もラジオレス(4スピーカー付き)ながら、トヨタ初採用の、9スピーカー付き「JBLプレミアムサウンドシステム」がオプション設定(15.0万円)される。ただし、DVDナビゲーションとの同時装着は不可
 

写真はカットモデル。前席のヒップポイントは600mmに設定。運転席には、シート全体が上下するレバー式シートリフターが備わる
 


 

ウィッシュの開発をとりまとめた、トヨタ自動車の吉田健チーフエンジニア。ライバルに対するアドバンテージを、「2列目ドアの開き方を熟慮した結果の、3列目シートへの高い乗降性。デザインも高いベルトラインによりミニバンぽく見えないようにした」と語る
 

自動車雑誌『NAVI』などでお馴染みの自動車コーディネーター、山田由喜恵氏は、ステアリングホイールが太いことを指摘。吉田チーフエンジニアによると、「高速時の安心感向上と、スポーティ感を演出するため。ドライバーもウィッシュなら、楽しく運転できます」
 

この記事の大きな画像を見るためには、画像ギャラリーをご覧ください。

関連記事 ホームへ戻る