FIA、大規模なF1コスト削減プランを発表

2003.01.16 自動車ニュース

FIA、大規模なF1コスト削減プランを発表

F1をはじめとするモータースポーツを統括する国際自動車連盟(FIA)は、2003年1月15日、英ヒースロー空港にF1全10チームを招き、大幅なコスト削減策を発表した。ドライバーを補助する電子制御デバイスの禁止や、予選と決勝の間にマシンに触れなくするなど、その内容は過激ともいえるものだ。

■大改革

「過去12ヶ月に2つのF1チーム(プロストとアロウズ)が消えたにもかかわらず、費用を抑える策はとられなかった。昨年10月、チームはFIAが提案したコスト削減案を拒否した。チームは何度かミーティングを持ったが、何ももたらさなかった」。この日出されたプレスリリースは、統括組織であるFIAのチームに対する苛立ちの言葉で始まった。

FIAの“大改革”には、主に2つの目的がある。ひとつはルールにより費用高騰を抑えること。“ドライバーズエイド”、つまりトラクションコントロールやローンチコントロール、オートマチックギアボックス、ピットとドライバー間のテレメトリーシステムなどを禁止。また長期使用に耐える部品や、全チーム共通の部品を導入するなどし、コスト抑制を図るというものである。
もうひとつの目的は、レースの“ショウ”としての魅力を増すこと。2002年のフェラーリ/シューマッハー独走劇は、テレビ視聴率の低下をもたらした。電制御デバイスに代表される優れた先進技術を“もつもの”と“もたざるもの”の差を縮め、特定有力チームだけが活躍するような昨今のGPを改革していくという願いも込められている。

●2003年から適用されるレギュレーション
・トラクションコントロール、ローンチコントロール、フルオートマチックギアボックスの廃止(2003年の一定期間またはシーズンいっぱいまで移行期間とする可能性あり。2004年に完全廃止。必要となれば、全チーム共通のスタンダードECU(電子制御装置)の採用もある)
・最終予選終了から決勝までの間、マシンはパルクフェルメに保管(厳格な監視のもと以外、チームはマシンに触ることができない)
・ピット-マシン/マシン-ピット間のテレメトリー廃止
・チームとドライバー間の無線通話の廃止
・チームが使用できるマシンは2台まで(スペアカー廃止)
これに加え、FIAは、
・チーム間で共通コンポーネンツを使用することを認める

●2004年から適用されるレギュレーション
・全チームに、共通のブレーキシステム、リアウィング、長期使用に耐える部品の使用を義務付ける
・F1に参戦する自動車メーカーが、全チームにエンジンを供給するようにする

●2005年から適用されるレギュレーション
・エンジンの寿命を、1レースから2レースに伸ばす
・主なコンポーネンツの寿命を伸ばす
・ある回数以上、エンジンまたはコンポーネンツを交換したチームにペナルティを課す

●2006年から適用されるレギュレーション
・エンジンの寿命を、6レースに伸ばす

またFIAは、エンジンなどのコンポーネンツに、高価で毒性のある素材の使用を禁止することについて、各チームに同意を求めている。

(webCG 有吉)

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今回の最大のトピックは、“ドライバーズエイド”を再度禁止するということ。
電子制御デバイスは、1993年末をもって全面禁止となった。しかし、トラクションコントロールなどの機能は、エンジンなどを制御するコンピューターのマッピングにより実現可能であり、その規則の監視が難しいということで、2001年第5戦スペインGPから再び解禁となった経緯がある(写真=本田技研工業)

今回の最大のトピックは、“ドライバーズエイド”を再度禁止するということ。電子制御デバイスは、1993年末をもって全面禁止となった。しかし、トラクションコントロールなどの機能は、エンジンなどを制御するコンピューターのマッピングにより実現可能であり、その規則の監視が難しいということで、2001年第5戦スペインGPから再び解禁となった経緯がある(写真=本田技研工業)

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