佐藤琢磨、「いい準備になる」

2002.12.19 自動車ニュース

佐藤琢磨、「いい準備になる」

2003年、BARホンダのリザーブドライバーを務めることが決まった佐藤琢磨。彼の所属するTSエンタープライズが発表した、佐藤本人と、マネージャーのアンドリュー・ギルバート-スコットのコメントを以下に記載する。

■佐藤琢磨「いい準備になる」

Q:BARとの契約は非常に素晴らしい内容ですね。2003年にテストドライバーとなることを一歩後退と捉える向きもあるでしょうが、レースドライバーとなる2004年には2歩前進できるわけですから。

佐藤:いいことだと思います。来年、ジョーダンからレースに出場できないことは本当に残念ですが、現状については深く理解していますし、今回はいい関係のままチームを去ることができました。彼らには本当に力強く後押ししてもらいましたし、一緒にたくさんのことを成し遂げたと考えています。ジョーダンと過ごした日々は素晴らしい経験となりましたが、今後はBARと手を組むなかで、新たな機会を探すことになりました。
テストドライバーになるのは決して理想的なことではありませんが、2004年に自分がレースで走らせるクルマを開発するわけですから、これはいい準備になると思います。それに、たとえリザーブドライバーになっても、2003年はレースに出場できないと決まったわけではありませんから。

Q:かりに2003年にレースに出場できなかったとしても、ジョーダンのレースドライバーよりBARのテストドライバーになるほうがたくさん走りこむことができるかもしれませんね。

佐藤:その通りです。7月下旬のドイツGP以来、50kmしか走行しないシェイクダウンテストを別にすると、僕にはほとんどテストする機会がありませんでした。モンツァで1日、それと鈴鹿の前にシルヴァーストーンで行なった2日間だけが例外です。イギリスF3時代の2001年にチームメイトだったアンソニー・デイヴィドソンとこの件について話したことがありますが、彼は僕の2倍もF1で走っていたんです! F1では、とにかく走行距離が大切なんですよ。

Q:ミカ・ハッキネン、オリヴィエ・パニス、それにフェルナンド・アロンソらも、もともとレースドライバーだったのに一旦テストドライバーとなり、そこからレースドライバーに返り咲いていますね。

佐藤:まったく素晴らしいことだと思います。そのことを考えると勇気付けられますね。ハイテク満載のF1カーを開発していくには、それなりの時間が掛かるものです。とにかく、たくさんクルマを走らせるには絶好の機会だと考えています。

Q:BARには2001年にもテストドライバーとして在籍したことがありますが、彼らと再び仕事をすることは楽しみですか。

佐藤:ええ、とても楽しみにしています。テストドライバーだった頃に比べるとチームもいくぶん変わっていますが、当時からよく知っている人たちもたくさん働いています。2004年からレースできる可能性があることについては、本当に待ちきれない気持ちでいっぱいです。きっと素晴らしいでしょうね。

■アンドリュー・ギルバート-スコット
「彼自身を磨くうえでも効果的」

Q:ジョーダンとは2年契約を結んだはずですが、そのうちの1年しかまだ終えていません。何が起きたのですか。

ギルバート-スコット(以下、AGS):エディ・ジョーダンと話し合った結果、琢磨がジョーダンからBARに移籍することに関して友好的な合意に達することができました。これまでもジョーダンは常に琢磨をサポートしてくれました。チームと共に過ごした1年間について、ここで改めて感謝の意を表するとともに、今後も彼らが健闘されることを祈念します。

Q:たとえレースに参戦しなかったとしても、いいクルマに1年間乗ることは琢磨のキャリアにとって重要ですか。

AGS:そう思います。ジョーダンが様々な困難に直面したため、琢磨はほんのわずかしかテストできませんでしたし、これが状況を一層難しくしたことは間違いありません。長い距離を走ることがとりわけ重要な新人ドライバーにとって、これは大きな痛手でした。他の多くのドライバーのように、F3000に参戦してヨーロッパのサーキットを覚えることもできなかったうえ、テストも満足にできなかった琢磨にとって、今回の機会は彼自身を磨くうえでも効果的でしょう。

Q:日本GPで5位入賞を果たしたことで、日本企業からの申し出はありましたか。

AGS:もちろんです。その面では多くの好ましい変化も見られましたが、現在の日本の経済状況は非常に厳しく、株価も連日落ち込んでいることを忘れるわけにはいきません。この点、BARへの加入は素晴らしいものであると同時にエキサイティングであり、琢磨にとっても大変望ましい選択だったと考えています。

Q:多くの人々は、琢磨とジャンカルロ・フィジケラの戦績を基準にして、ジェンソン・バトンとの戦いがどうなるかを予想しています。ただし、いずれはふたりの直接対決が見られるわけですね。

AGS:ほんのわずかな期間ですが、琢磨とジェンソンは同じ時期にイギリスF3を戦っていたため、お互いのことをよく知っています。世代的にも近く、理想的なコンビだと思います。

佐藤琢磨、「いい準備になる」の画像

(写真は2枚とも本田技研工業)

(写真は2枚とも本田技研工業)

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