【スペック】全長×全幅×全高=3395×1475×1670mm/ホイールベース=2360mm/車重=850kg/駆動方式=FF/0.66リッター直3DOHC12バルブターボ・インタークーラー付き(64ps/6500rpm、10.8kgm/3500rpm)/車両本体価格=144.6万円(テスト車=146.6万円/マジョーラミディアムシルバー=2.0万円)

スズキ・ワゴンR RR-SWT(4AT)【試乗記】

スポーティ派より…… 2002.12.18 試乗記 スズキ・ワゴンR RR-SWT(4AT)……146.6万円64psエンジンを積む、スズキ「ワゴンR」のスポーティモデル「ワゴンR RR-SWT」。後席スライドなどが加わったマイナーチェンジ版に、webCG記者が試乗した。
ノーマルワゴンRの黒いメーターパネルと異なり、RRはホワイトメーターを装着。オーディオを上部に移動して操作性向上を図ったほか、センターコンソールトップにフタ付きの収納、「インパネアッパーボックス」が追加された。
 
ノーマルワゴンRの黒いメーターパネルと異なり、RRはホワイトメーターを装着。オーディオを上部に移動して操作性向上を図ったほか、センターコンソールトップにフタ付きの収納、「インパネアッパーボックス」が追加された。
	 
RR-SWTは、14インチの6本スポークアルミホイールに、ブリヂストン「ポテンザRE88」(155/55R14インチ)を履く。ヘッドランプは、ロービームがディスチャージ、ハイビームはマルチリフレクターを採用。バンパー埋め込み式のフォグランプも標準装備。
 
RR-SWTは、14インチの6本スポークアルミホイールに、ブリヂストン「ポテンザRE88」(155/55R14インチ)を履く。ヘッドランプは、ロービームがディスチャージ、ハイビームはマルチリフレクターを採用。バンパー埋め込み式のフォグランプも標準装備。
	 

脅かされる牙城

「軽NO.1のスズキ」を代表する「ワゴンR」。現行モデルの2代目は、1998年のフルモデルチェンジから4年経ち、今ではモデル末期といわれる。それでも平成大不況のなか、2002年9月は1万1304台、10月は1万2355台と、依然1万台超の販売実績をほこる。
しかし、近頃は後発のライバルが、ワゴンRの牙城を脅かしつつある。
9月の販売台数ランキングで、実はワゴンRは3位。2位は追加された上級モデル「eKスポーツ」の後押しを受けた三菱「eKワゴン」(1万8022台)、1位は8月にマイナーチェンジしたホンダ「ライフ」(1万8483台)だった。10月はトップに返り咲いたものの、ライバル中のライバルであるダイハツ「ムーヴ」が、10月15日にプラットフォームを一新するフルモデルチェンジを行い、1万8468台を売り上げて11月のトップ。ワゴンRは2位にランクインするも1万2626台と、約6000台の差をつけられた。

ワゴンR単体での販売は、他社のニューモデルに王座を譲り渡したが、メーカー全体では僅差になったとはいえ、スズキがトップを守る。ワゴンRベースの「MRワゴン」は、日産「MOCO」のOEM供給と合わせ、1万台/月以上を販売。MRワゴンベースの「アルト ラパン」も、5000台/月以上を売り上げる。軽NO.1のスズキを支えるのは、やはりワゴンRなのだ。

そのワゴンRに、シリーズで4回目となるマイナーチェンジが2002年9月に施された。細部の使い勝手を煮詰め、商品性を向上させることが目的で、不景気で上級車種から軽への乗り換えユーザーが増加したことや、車両本体価格が拮抗するコンパクトカー人気の高まりに対応する。


 
スズキ・ワゴンR RR-SWT(4AT)【試乗記】の画像
ワンタッチでヘッドレストが前に折れ、シートバックの前倒しに連動して座面が下がる新機構により、ダブルフォールディングが容易になった。
 
ワンタッチでヘッドレストが前に折れ、シートバックの前倒しに連動して座面が下がる新機構により、ダブルフォールディングが容易になった。
	 

目玉はスライドシート

マイナーチェンジの目玉は、リアシートが105mmスライドするようになったこと。「MRワゴン」に採用された、リアサスペンションのダンパーを斜め後方に向かって取り付ける手法を採用し、スライドスペースを稼いだ。後席を一番後ろへもっていけば、ニースペースは従来より90mm拡大される。
さらに、ヘッドレストを抜かないでも、バックレスト上部のレバーを引いて前に倒すだけでヘッドレストがおじぎするように折れ、座面が連動して下がり、荷室をフラットに拡大できる機構が備わった。運転席に、ダイヤル式のシートリフターが備わったことも新しい。そのほか、インパネデザインを変更し、オーディオを上部に移動して操作性を向上したり、メーターパネルのデザインを変更するとともに燃料残量警告灯を備えるなど、細かい使い勝手の向上が図られた。

テスト車は、0.66リッター直3DOHCターボ(64ps/6500rpm、10.8kgm/3500rpm)を搭載し、スプリングを切りつめて10mmローダウンしたスポーティバージョン、「ワゴンR RR-SWT」。ノーマルワゴンRのターボモデルは最高出力60psだが、RRシリーズは軽最高の64ps。ブラインドのような大きなグリルと、黒い縁取りのヘッドライトが厳めしい。SWTは、ディスチャージヘッドランプや、インテリアにDSP付きMD/CDプレーヤー、本革巻ステアリングホイールなどを奢った豪華版だ。
ちなみに「SWT」とは、2002年12月16日に、独立会社としての設立が発表された、エアロパーツなどのカスタム用品や、「フォーミュラースズキ」シリーズなどレース車両の販売を行う専門店「SUZUKI WORKS TECHNO」のこと。SWTの存在はあまり知られていないので、知名度を高める目的で車名に名前がつけられたという。


 
スズキ・ワゴンR RR-SWT(4AT)【試乗記】の画像

 
スズキ・ワゴンR RR-SWT(4AT)【試乗記】の画像
バックドア右側に、「SWT」のロゴバッヂがつく。SWTはモータースポーツ活動に加え、スズキ市販車のカスタマイズ用品を企画、開発を行う。
 
バックドア右側に、「SWT」のロゴバッヂがつく。SWTはモータースポーツ活動に加え、スズキ市販車のカスタマイズ用品を企画、開発を行う。
	 

ドッカンターボ

角度によって青や紫に変化する、新色「マジョーラミディアムシルバー」のRR-SWTに乗る。エクステリアにメッキで縁取られたグリルが採用された。
インテリアはボディ形状を反映して四角く、バックドア内側上部のつり下げ式スピーカーが、部屋のような雰囲気をかもしだす。トップグレードらしく、デジタルサラウンドプロセッサー付きのMD/CDオーディオやフルオートエアコンなど、快適装備が満載だ。
前後シートはベンチシートで、あたりが柔らかく座り心地はいい。スライド機構によって膝前に90mm余裕のできた後席は、前席よりヒップポイントは高く設定され、たっぷりのヘッドクリアランスと相まって窮屈な思いはしない。スライドで左右を少しズラせば、大人が並んで座っても肩がぶつかることもないし、前にもっていけば荷室が広くなる。スライド機構はなにかと便利だ。

マイナーチェンジでは、ノーマル(?)ワゴンRに、中低速トルクを重視したマイルドな「Mターボ」エンジンを積む「N-1」グレードが追加された。一方、RRのエンジンは3500rpmを超えると本領を発揮する、昔ながら(?)のドッカンターボ。最大トルク10.8kgm、最高出力64psだから、軽自動車として動力性能も高いが、それよりも、ターボが利いてからの“速さ感”が楽しい。
ただし、同じスポーツモデルでも、レカロ製と共同開発したバケットシートやLSDを装備する、「Keiワークス」の本気っぷりとは一線を画す。そもそもベンチシートでは、本気でコーナリングした際に体を保持できない。実用車のワゴンRに64psエンジンを積み、モータースポーツとカスタマイズの専門店「SWT」の名を冠したRR-SWTは、スポーツの記号性を与えられた実用車。スポーティ派よりもむしろ、カスタム&ドレスアップユーザーにアピールするクルマなのかもしれない。

(文=webCGオオサワ/写真=難波ケンジ/2002年10月)

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