【スペック】全長×全幅×全高=4445×1735×1550mm/ホイールベース=2525mm/車重=1430kg/駆動方式=4WD/2リッター水平対向4DOHC16バルブターボ・インタークーラー付き(220ps/5500rpm、31.5kgm/3500rpm)/車両本体価格=249.5万円(テスト車=276.5万円/HIDロービームランプ/スポーティパッケージ/DVDナビゲーションシステム/クリアビューパック)

スバル・フォレスター クロススポーツ(4AT)【試乗記】

どうしてなかったのか!? 2002.12.14 試乗記 スバル・フォレスター クロススポーツ(4AT)……276.5万円スバルのSUV「フォレスター」に、車高を下げてタワーパーキングを利用でき、サマータイヤを履く都市型バージョン「クロススポーツ」が追加された。自動車ジャーナリストの河村康彦が報告する。

都会派フォレスター

2002年10月24日、スバルのSUV「フォレスター」に、追加グレード「クロススポーツ」が加わった。クロススポーツは、「オンロードシーン、特に都市部での生活に特化したフォレスター」。“都会派”な森の人、なのである。
どのへんが都会派かというと、タワー式パーキングへの進入を配慮して、ターボモデル「XT」で1590mmあった全高を1550mmにローダウン。オールシーズンタイヤは、サマータイヤへと履き替えられた。さらに、フロントに倒立式ダンパーを奢ったうえで、リアのスタビライザー径をアップし、安定性を向上させた。ステアリングギア比を速めるなど、サスペンションやステアリング系が見直された。
一方、エンジンはオリジナルをキープする。“チューンドエンジン”の搭載は「STiバージョンにお任せ」、これがスバルの基本的なスタンスであるという。

40mm落とされた車高の内訳は、サスペンションで20mm、タイヤのサイズ変更で5mm、ルーフレールのデザイン変更で5mm……と、涙ぐましい(?)努力がうかがえる。ノーマルより低く構えるクロススポーツのたたずまいは、あたりまえだがこれまでよりも“SUV風味”が薄まった。いや、もはやSUVというよりも、「ちょっとワイルドなデザインディテールをもつステーションワゴン」と表現した方が当たっている。
16インチのアルミホイールに組み合わされるのは、ノイズや燃費を意識してチョイスしたという、215/55R16サイズのブリヂストン「レグノ GR-03」。しかし、「 オンロードでの走りを強化した」というメッセージ性を強調したいのであれば、記号的にはブリヂストンのハイパフォーマンスタイヤ、「ポテンザ」ブランドが似つかわしい。もっとも、オプションの17インチシューズを選べば、ポテンザを履くことになるのだが……。



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争えない“血筋”

ところで、「ローダウン」というコトバを耳にすると、ハーシュの強い乗り味を連想される方がいるかもしれない。ところが、クロススポーツはそうした荒っぽさとは無縁であることが嬉しい。前述のように、サスペンションストロークは縮み側で20mm削られたというが、それでもストローク感はタップリあるから、“ハンディキャップ”を感じない。ベース車は200mmの最低地上高を売り物とするモデルではあるが、フォレスターのベースとなったのは「インプレッサ」である。ローダウンとはいいながら、「意図的に高めたハイトを元のサヤに収めた」とも受け取れるワケだ。
クロススポーツの自然なフットワークテイストには、そうした生い立ちが反映されているように感じられる。“血筋”は争えないのダ!





ダイレクト&ドライ

速められたギア比によって、ステアリングはダイレクト感が増した。サスペンションチューニングや、オールシーズンよりグリップするサマータイヤの装着も、オンロードの走りを高めた。加えて、4WDシステムを、前後等分トルク配分のオーソドックスなセンターデフ方式から、不等&可変トルク配分の“VTD”方式に変更された。ターマックでのフィール向上には、イニシャル状態で55%のエンジントルクが後輪側へ伝わる効果も、含まれるに違いない。
ただし、微舵操作に対する応答は、予想(期待)したほど鋭くなかった。直進状態からわずかに操舵した際の応答性は、“標準車”と較べれば当然、よりダイレクトでドライ。だが、そこに「シャープな」という表現を使う気になれなかった。

とはいえクロススポーツは、乗ってみて「どうして今までコレがなかったんだろう」と不思議に思えるほど、自然でバランスのよい仕上がり具合の持ち主だった。これまでSUVという記号性を前面に押し出してきたフォレスター。ひょっとするとこれからは、フォレスターのかなりの割合を、クロススポーツで売っていくことになるのではないだろうか。

(文=河村康彦/写真=清水健太/2002年11月)

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