「ブレーキのジャダーが出るのですが 」

2002.12.03 クルマ生活Q&A ブレーキ

「ブレーキのジャダーが出るのですが 」

1993年型911カレラ2(1.7万キロ)に乗っています。先日、ツインリンクもてぎのサーキットを走行中、ブレーキジャダーが発生し、最初は軽微だった症状が走行終了時(トータルで2.5時間ほど)にはかなり悪化してしまいました。ブレーキ回りを観察しますと、ローター面が一部変色しており、他の部分とは明らかに摩擦係数が異なるようで、これがジャダーの原因のようです。修理はローター研磨ということになるようですが、同じローター、同じパッド、同じドライバーでのサーキット走行では、再発する可能性が非常に高いと考えます。そこで、発生メカニズムおよび対策について、ご存じでしたら教えてください。パッド、ローターの選択肢はもちろん、できれば発生させない上手なドライビング方法等、御指導いただければ幸いです。(神奈川県横浜市NKさん)

お答えします。ジャダーという現象を皆さんは体験したことがありますか。たとえばマニュアル車を運転し、半クラッチ状態で走り出すときに「ダッダッダッ」という振動がおこったり、高速からのブレーキングをしたときにハンドルが左右に細かく震え、なにかギクシャクしたような動きになったことはないでしょうか。それを「ジャダー」といっています。

今回はディスクブレーキを基本にお話しします。ディスクブレーキの構造を簡単に説明しておきますと、鋳鉄製のローター(ホイールのすき間から見える回転しているモノ)を、キャリパーから油圧によって押し出されたピストンがパッドで挟み込み減速させるという仕組みです。

パッドはローターを挟むことで「速度」というエネルギーを「熱」に変えるのですが、ブレーキの効き方は温度によって違ってきます。そこで公道と、常にブレーキローター温度が200度C以上にもなるサーキットとでは、当然パッドの材質も違ってきます。

前置きが長くなりましたが、ご質問のジャダーは高速からのブレーキングによるものだと思います。ジャダーに気をつけなくてはいけないのは、機械的なダメージが少なくないからです。ブレーキローターを支えているハブと呼ばれる部品はベアリングを内蔵しています。こういう金属部品はジャダーのような繰り返しの振動に弱く、傷んできます。

「ローターが一部変色している」と書いてありますね。もし濃いブルーの混じった玉虫ぽい色になったのであれば、大ざっぱですが400度Cから500度Cになったと考えられます。バネなどの熱処理で使う用語では「ブルーイング」とよばれる現象です。この温度ならばローター自体に問題はないはずです。ではなぜジャダーが起こったのでしょうか。

この場合パッドが走行状態にあっていなかったためローターを傷つけたと思われます。必要なだけの潤滑性やセルフクリーニング性が悪かったということも考えられますし、一概には断言できないのですが。同じパッドを使いつづけるためには、剛性を落とさないよう摺動面に溝をきるということもできます。しかしこれには経験が必要です。出来れば、スポーツパッドを作っているメーカーもしくは経験豊富なショップにいき、使用状態やフィール、症状をいって、専用のパッドを作ってもらったほうがいいでしょう。

ただし専用パッドといっても一発で「これはいい!」というものに出合うのは難しいでしょう。プロのレースでも、フロントおよびリアともにつけ替えながら、バランスの良いものを選んでいく作業をしています。それも楽しもう、というつもりで気長にパッドを選ぶことですね。

運転のしかたをパッドに合わせて変える、というのも本末転倒のきらいがあります。自分のドライビングに合ったパッド選びをする、というところからはじめてはいかがでしょうか。