【スペック】1.9dCi(6MT):全長×全幅×全高=4209×1777×1457mm/ホイールベース=2625mm/車重=1270kg/1.9リッター直4ディーゼルターボ(120ps/4000rpm、27.5kgm/2000rpm)(RJ)

ルノー・メガーヌII【海外試乗記】

大きな衝撃 2002.10.30 試乗記 ルノー・メガーヌIIクリフカットと見まがうばかりの個性的なCピラーを特徴とする「ルノー・メガーヌII」。次期ブルーバードが使うと噂される「プラットフォームC」を用いた新型メガーヌはどうなのか? 自動車ジャーナリストの笹目二朗がルクセンブルクで乗った。
アンクル・ブルーは、1.9dCiの5ドア。トランスミッションは6MTで、タイヤは205/55R16。雨で濡れていたところでは、2リッター16バルブ16Vのクーペより速い! タイヤがソフトで、走りやすいせいか。後方からヒトの運転を見ていても速いことがわかった。赤茶のクーペが2リッター16Vで、タイヤは205/50R17を履く。

アンクル・ブルーは、1.9dCiの5ドア。トランスミッションは6MTで、タイヤは205/55R16。雨で濡れていたところでは、2リッター16バルブ16Vのクーペより速い! タイヤがソフトで、走りやすいせいか。後方からヒトの運転を見ていても速いことがわかった。赤茶のクーペが2リッター16Vで、タイヤは205/50R17を履く。
ジベルニグリーン。1.6リッターのクーペ。5MT車。タイヤは、195/65R15。ホイール幅は、15から17インチまで。リム幅は全部6.5Jですから、コレ、195/65との組み合わせが一番タイヤを活かしたセッティングです。

ジベルニグリーン。1.6リッターのクーペ。5MT車。タイヤは、195/65R15。ホイール幅は、15から17インチまで。リム幅は全部6.5Jですから、コレ、195/65との組み合わせが一番タイヤを活かしたセッティングです。
(RJ)

(RJ)

アラカルトな選択

ルノーの最大派閥「メガーヌ」軍団がモデルチェンジしてシリーズIIに進化した。「マーチ&クリオ」に続く、日産とのアライアンスによる車台共通化モデルとして、メガーヌIIは「プリメーラ/アルメーラ(ブルーバード/パルサー)」クラスにあたる「プラットフォームC」を用いる。今後7つの車型に発展することが予定されており、今回はそのうちの2つ、クーペ版たる「スポーツハッチ」と「5ドアハッチバック」が登場した。残る5つとは、「ノッチバックセダン」ワゴン版「ブレーク」「カブリオレ」「モノスペース(次期セニック)」、そして「ピックアップ・トラック」か「フルゴネット」のようなバン(?)と予想される。
搭載されるエンジンは、ガソリンが「1.4(98ps)」「1.6(115ps)」「2(136ps)」の各DOHC16V、ディーゼルがいずれもターボの「1.5dCi(80ps)」「1.9dCi(120ps)」の、計5種が用意される。ギアボックスは、5段MTをメインに、2リッターガソリンと1.9dCiには日産製の6MTが組み合わされる。ATは、2リッターと1.6リッターに順次用意される予定。メガーヌIIの日本導入は来年末ごろとまだ先なので、仕様その他は一切未定だ。

メガーヌIIは、昨今ますます多様化する市場動向に対処して、アラカルト選択の自由が与えられた。ユーザーは4つのカラー&トリム案(「オーセンティック」「エクスプレション」「ダイナミック」「プリビレッジ」)のなかからまず1つを選ぶ。つぎに3つの装備レベル(「パック」「コンフォート」「ラスク」)から1つを選択し、最後にパワートレインを指定する。ボディカラーはメタリック5色、ソリッドカラー3色。
……とはいえ、組み合わせは膨大なものになるので、主だった組み合わせがあらかじめ用意されている。たとえば、5ドアハッチの場合、33通りの代表例がしめされる。ちなみに現地価格は1万4450から2万2950ユーロとある。日本に入るモデルは、200から300万円といった範囲だろうか。

「タッチデザイン」こと“触れてみたいと思わせるデザイン”を採用したとされる内装。4つのカラー&トリム、3つの装備レベルから選べる。(RJ)

「タッチデザイン」こと“触れてみたいと思わせるデザイン”を採用したとされる内装。4つのカラー&トリム、3つの装備レベルから選べる。(RJ)
【スペック】
2.016V(6MT):全長×全幅×全高=4209×1777×1457mm/ホイールベース=2625mm/車重=1230kg/2リッター直4DOHC16バルブ(136ps/5500rpm、19.5kgm/5500rpm)(RJ)

【スペック】2.016V(6MT):全長×全幅×全高=4209×1777×1457mm/ホイールベース=2625mm/車重=1230kg/2リッター直4DOHC16バルブ(136ps/5500rpm、19.5kgm/5500rpm)(RJ)


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このクラスでは比類がない

メガーヌIIの最初のお披露目は、今年2002年のパリサロン。先に市販されて大いに人目を引く存在となった「アヴァンタイム」。その“2枚ドアのミニバン”というアバンギャルドなコンセプトのスタイリングから後半部分、特にルーフ後端からテールにかけての処理がメガーヌIIに応用された。製造コストが高そうなつくりは、メガーヌIIのような量産車にとって「果して是か非か?」と論議を醸した。しかし個人的には、端的に「カッコイイ」という意見が圧倒的多数を占める、と見た。

乗り込んで走りだした第一印象は上々。ガシッとした頑丈そうなボディ、たてつけのいいドアのつくり、敷居や鴨居など開口部の処理など、サイズは小さくとも高級感が漂う。足元のフロアにも蓋があり、開けてみると物入れがある。そうこのクルマはフロアが二重構造になっており、それでガシッとした骨格そのものの剛性感があったのだ。
当然ながらタイヤやサスペンションからの騒音も巧妙に遮断されており、静粛で滑らかな走行感は、このクラスでは比類がない。ボディの上下動が少ないフラットな乗り味は、これまでのルノー車同様であり、4輪がバラバラにちゃんとストロークして路面の凸凹を吸収、なめるように進む。1457mmと高い背丈を感じさせないコーナーでのロール感の良さは、ロールセンターを高めて重心高に近づけた、ルノー伝統の味付けである。新採用の電動モーターによるパワーステアリングは、直進部分の感触がベストとは言えないが、反力感や路面フィールもあり、復元性も問題ない。もちろん操舵力も軽く不自然さはない。

ガソリンエンジンは、1.4(98ps、13.0kgm)、1.6(115ps、15.5kgm)、2(136ps、19.5kgm)の3種類。1.6と2リッターには、吸気側に可変バルブタイミング機構が搭載される。(RJ)

ボレアルグレーの1.5dCi。5MT。タイヤは195/65R15。6段MTの1.9dCiよりギアが1枚すくなく、レシオが多少ワイドになるせいか、エンジンを回して走りがち。そのため、パワーの面で大きな差は感じないが、結果的に、すこしうるさくなる。車重は、1.9より75kg軽い1175kg。パワーは40ps低い80ps。価格は、コンフォート内装で2800ユーロ(約34万6000円)も安い。

特筆されるディーゼル

ガソリンエンジンはトルクとレスポンスに優れ、滑らかさや音的な感覚もいい。といって、特別な感激はない。
一方、ディーゼルは特記に値する。1.5、1.9ともコモンレール式で、パワー、トルクはガソリンを凌ぐ感じがする。対応するガソリンより100ccずつ排気量は少ないが、動力性能に関してはそれでトントン。2リッターに対して1.9、1.6リッターに対して1.5としたのは、同じ排気量ではガソリンの非力さが顕著になるから、と穿った見方をしたくなるほどだ。

日本仕様は2リッターと1.6のガソリンが順当なところだろうが、ギアボックスはどちらか1つにはMTを用意して欲しい。
このままのカタチでブルーバードとするには、日本人の好みに合わない面もあるだろうが、メガーヌIIは極めてフランス的な、個性的造形を主張する。先に共通化された「Bプラットフォーム」は、マーチが先行してリリースされ好評を得ている。こうなるとルノー、日産とも、今後のモデルが楽しみだ。メガーヌIIのデザインは、一部クルマ好きならず、自動車界全体に大きな衝撃を与えたと思う。

(文=笹目二朗/写真=笹目二朗、ルノージャポン(RJ)/2002年10月)

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