ホンダ、新型「アコード」シリーズを発表

2002.10.11 自動車ニュース
 

ホンダ、新型「アコード」シリーズを発表

本田技研工業は、セダン「アコード」とステーションワゴン「アコードワゴン」をフルモデルチェンジし、2002年10月9日に発表した。セダンは10月11日、ワゴンは11月28日(4WDは2003年2月13日)、スポーツ仕様のセダン「ユーロR」は12月10日と、順次販売を開始する。


都内ホテルで開かれた発表会の席上、本田技研工業の吉野浩行社長は、1976年にデビューしたアコードの歴史を振り返りつつ、「アコードはホンダのクルマ作りの原点」と語った
 

■7代目は「ニュークォリティ・ツアラー」

初代「アコード」が発売されたのは1976年。当時、軽自動車数機種と「シビック」だけだったホンダの四輪ラインナップに、「使い勝手がよく、スタイリッシュで、スポーティな小型車」(吉野浩行 本田技研工業社長)が加わった。
デビューと同時に、北米への輸出もスタート。1982年、他の日本車メーカーに先駆けて、アメリカはオハイオ州で現地生産を開始。1988年には、アメリカで開発した「アコードクーペ」を日本へ輸出するなど、アコードは、「最適な場所で生産を行い、世界に供給するという考え方の第一歩を標したモデル」(吉野社長)として発展してきた。

今回発表されたニューアコードは7代目。あらゆるシーンで長時間、長距離を運転してもストレスを感じさせない、スポーティでありながらも心地よい安定感ある走りを目指して開発された。コンセプトは、「ニュークォリティ・ツアラー」。

それまで欧州、北米、日本と、各市場に合わせたモデルを投入してきたが、新型では、大柄なボディをもつアメリカ市場向けは専用で設けつつ(2002年9月9日に先行デビュー)、日欧モデルでは仕様を統一した。日本ではセダン離れが著しく、またヨーロッパでは数%のシェア。三大市場での「地域最適発想」を改め、より効率化を図ったというわけだ。

エンジン形式はすべて直4 DOHC「i-VTEC」。セダンは2リッターと2.4リッター、ワゴンは2.4リッターのみを搭載する。トランスミッションは、新開発の5段AT、「ユーロR」にだけは6段MTを組み合わせる。駆動方式はFF(前輪駆動)が基本だが、セダン(2リッター)とワゴンの双方に4WDをラインナップする。

ボディの大型化、空力性能の向上、最新装備の採用、値ごろ感を出した価格設定などがポイント。月間販売目標台数は、セダンとワゴン合わせて5000台。ライバルと目される「アルファ156」「BMW3シリーズ」などに戦いを挑む。



 

■Cd値は0.26

セダン、ワゴンともにシャープさが印象的な外観。フロントからリアへ駆け上がるサイドヴュー、フロントバンパーの大きなエアインテイクなどが特徴だ。
特筆すべきはエアロダイナミクス。ドアミラーまわりやボディ下面に空力処理を施すなどし、空気抗力係数(Cd値)0.26と優れた空力性能を獲得したのがジマンだ。
また、ねじり剛性、曲げ剛性といった静剛性に加え、運転時の車両安定性や運動性能に関わる動剛性の強化も図られた。

ボディサイズは、先代の5ナンバー枠に収まるものから、3ナンバー枠にまで拡大された。セダンが全長×全幅×全高=4665×1760×1450mm、ホイールベースは2670mm(4WDは2665mm)。ワゴンは、それぞれ4750×1760×1470mmと2720mmだ。先代は、4635×1695×1420mmと2665mmだった。
ちなみに新型アコード、北米と日欧仕様を較べると、北米モデルの方がひとまわり大きい(北米向けセダンは4813×1816×1450mm、ホイールベース2741mm)。


落ち着いた雰囲気漂うインテリア
 

■ユーティリティーを追求

インテリアは、見た目の印象など“静的”質感の向上だけでなく、ホールド性の高いシートや、視認性に優れる大型発光メーターなど、使って、触って感じられる“動的”クオリティを追求したという。

ラゲッジスペースは、セダンが459リッター、ワゴンは先代プラス87リッターで、クラストップを謳う576リッター(いずれもVDA方式)となった。両モデルとも、6:4分割可倒式リアシートを採用。後席背もたれを畳んで荷室を拡大できるほか、トランクスルーを利用すれば、長尺物も積むことができるという。
ワゴンの後席は、簡単に折りたたみができる新開発の「ワンモーションリアシート」。背もたれ上部のレバーを引くと、ヘッドレストが前に倒れる。背もたれを前に倒す動作に連動して、座面がグッと前へ持ち上がり、開いたスペースに背もたれが収まる仕組みだ。取り外しなど面倒なアクションなく、片手でも操作できるくらい簡単な優れものだ。
またワゴンには、電動開閉式のパワーテールゲートが全車に標準装備された。


クラストップが謳われるワゴンの荷室容量は576リッター。折りたたみ簡単な「ワンモーションリアシート」、フラットな床面、張り出しを抑えたリアサスペンションなどがジマンだ
 

■エンジンのホンダ

低速用、高速用の2種類のカムをもつ「VTEC」(可変バルブタイミング・リフト機構)に加え、吸気バルブタイミングの位相をエンジン負荷に応じて連続的に制御する「VTC」(可変バルブタイミング・コントロール機構)を備える「i-VTEC」ユニット。
2リッターと2.4リッターのうち、ワゴンに搭載される2.4リッターには、チューニングの違いで160psと200ps仕様が用意される。
セダンとワゴン、グレード、2WDと4WDの違いによってバリエーションが多いため、以下に箇条書きで記す。

・セダン「20E」「20EL」(2WD):2リッター直4DOHC16バルブ「i-VTEC」(155ps/6000rpm、19.2kgm/4500rpm)
・セダン「20E」「20EL」(4WD):2リッター直4DOHC16バルブ「i-VTEC」(152ps/6000rpm、19.0kgm/4500rpm)
・セダン「24T」「24S」「24TL」、ワゴン「24T」(いずれも2WD):2.4リッター直4DOHC16バルブ「i-VTEC」(200ps/6800rpm、23.7kgm/4500rpm)
・ワゴン「24T」(4WD):2.4リッター直4DOHC16バルブ「i-VTEC」(190ps/6800rpm、23.2kgm/4500rpm)
・ワゴン「24E」(2WD/4WD):2.4リッター直4DOHC16バルブ「i-VTEC」(160ps/5500rpm、22.2kgm/4500rpm)

ハイチューン版の2.4リッターには、アクセルペダルコントロールを電気信号に変換し、アクチュエーターがスロットルバルブを直接制御する「ドライブ・バイ・ワイヤ」(DBW)を採用。発進時や低速走行時に、アクセルをガバっと開けてもショックがないよう、スロットルを緩やかに開けてスムーズな走行を行う。また追い越し加速時などは、踏み込み量よりも多めに開き、力強い加速を得ることができる、という。
2リッターと160ps版の2.4リッターは、平成12年基準排出ガス75%低減レベル「超-低排出ガス車」に、その他は、同50%低減レベルの「優-低排出ガス車」に認定される。

ホンダが自社開発した5段ATは、シフトレバーをDレンジから右に倒すと、レバーの上下でシフトできる「Sマチック」機構付き。マニュアル感覚で運転を楽しむこともできるという。


ホッテストモデル「ユーロR」のノーズに収まる2リッター直4 DOHC16バルブ「i-VTEC」エンジン。220ps/8000rpmの最高出力と、21.0kgm/6000rpmの最大トルクを発する
 

■セダンは199.0万円から、ワゴンは219.0万円から

サスペンションは、フロントがダブルウィッシュボーンでセダン、ワゴン共通。リアは、セダンが5リンク式、ワゴンは荷室への張り出しを抑えるため、トレーリングアーム式を採用し、前後にスタビライザーを装着した(セダンはフロントのみ)。

このほか、高速道路で車線維持と車間・車速制御を行い、ドライバーの負担を軽減する「HiDS」(ホンダ・インテリジェント・ドライバー・サポート・システム)や、携帯していればドアハンドルを握るだけで開錠、レバー操作だけでエンジンが始動できる「スマートカードキーシステム」など、様々な最新装備が新設定された。

価格は、以下の通り。

・「アコード セダン」
「20E」(FF/4WD):199.0万円/219.0万円
「20EL」(FF/4WD):214.0万円/234.0万円
「24T」(FF):215.0万円
「24S」(FF):235.0万円
「24TL」(FF):245.0万円

・「アコード ワゴン」
「24E」(FF/4WD):219.0万円/241.0万円
「24T」(FF/4WD):249.0万円/271.0万円


黒でまとめられる「ユーロR」のインテリアは見るからにスポーティ
 

■走りを追求、「ユーロR」

居住性や快適性はそのままに、“走り”の性能に拘ってチューニングされた「ユーロR」。
エアロフォルムバンパーやハニカムメッシュグリル、215/45R17タイヤ+アルミホイールなどで箔をつけたエクステリア。インテリアには、メタル調コンソールパネルや、レカロ社製バケットシート、MOMO社製本革巻きステアリングホイールなどを配し、スポーティに仕上げた。

2リッター直4 DOHC16バルブ「i-VTEC」は、リッターあたり110psを誇るハイチューンユニット。220ps/8000rpmの最高出力と、21.0kgm/6000rpmの最大トルクを発する、高回転・高出力エンジンだ。
「インテグラ・タイプR」などとは異なり、ユーロRには上質さも求められる。ニ次振動を打ち消すためのバランサーを備えるなど、静粛性・快適性に配慮された。

トランスミッションは、新開発の6段MTのみ。先代のユーロRに搭載されていた5段MTより20%軽いフライホイールの採用や、ギア、シンクロなどを薄型設計することで、従来型より軽量かつコンパクトなギアボックスとした。ギア比はユーロR専用のクロスレシオ。トルク感応型ヘリカルLSDを搭載し、高い走行性能を実現したという。1、2速をトリプルコーン、3から6速はダブルコーンシンクロ。ストロークを50mmとショートに設定するなど、操作感にも拘りを見せる。

足まわりの形式はセダンのものを踏襲。しかし、スプリング、スタビライザー、ブッシュ類を硬めにセッティング、ストラットタワーバーを装着するなどの専用チューニングが施してあるのは、言うまでもない。
価格は、253.0万円。

(webCG オオサワ)



 

本田技研工業「アコード」:
http://www.honda.co.jp/auto-lineup/accord/
同「アコードワゴン」:
http://www.honda.co.jp/auto-lineup/accord-wagon/
同「アコード・ユーロR」:
http://www.honda.co.jp/auto-lineup/accordeuro-r/

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